「再びできるように
なりたい」を実現する
コンサルティングで、
超高齢社会を支える

株式会社メディケア― 代表取締役社長  後藤康太

株式会社メディケア―

後藤康太Kouta Goto

代表取締役社長

2017.09.11

思いやりの心で目指すは
「エリアナンバーワン」
「社長の息子」が対話で築いた
社員それぞれが
「自分で考えて走る」風土

「理想」と「現実」のギャップを埋めるコンサルタントとして

「以前は当たり前にできていたことが今はできない。もう一度できるようになりたい」「以前と同じように暮らしたい」――そう強く願う人々がいる。病気や事故が原因で身体の自由が利かなくなり、「介護」が必要になった人たちだ。

高齢化が急速に進む日本において、介護を必要とする人の数は増え続けている。高齢者は転んで骨折したのを機に要介護状態になるケースも少なくない。2025年には、約800万人を超える「団塊世代」が後期高齢者(75歳以上)となる。要介護者の数は加速度的に拡大していくだろう。介護施設の数にも限界があるため、「在宅介護」は避けられない事態になる。

在宅で介護を受ける人・介護をする人をサポートしているのが株式会社メディケアーだ。神奈川県下を中心に12事業所を展開し、福祉用具のレンタル・販売をはじめ、バリアフリー住宅へのリフォーム事業、居宅介護支援事業などを手がけている。

代表取締役社長の後藤康太は、自社の役割を「『理想』と『現実』のギャップを埋めるためのコンサルタント」だと言う。

「身体の状態はもちろん、男性・女性、身長、体重、動作のクセ、住まいの構造、居室環境、生活習慣など、一人ひとり状況が異なります。まずは、生活を送る上で、『何をしたいか』『どうありたいか』という要望をお聞きし、現状を分析。そして、その要望を実現するために最適な機器や用具を、さまざまなメーカーの製品の中から選定し、ご提案します。『あきらめていたことができるようになった。ありがとう』と感謝されるのが、この仕事の何よりの喜びです」

メディケア―の創業は1982年。介護保険制度が始まる約20年も前に、介護用品店を開業し、販売やレンタルを行ってきた。2000年、介護保険制度のスタートが追い風となり、右肩上がりで増収。介護業界では約8割の事業者が10年以内に撤退するというデータがあるが、同社は30年以上にわたり成長を続けている。

2006年には、介護業界に激震が走った。介護保険制度が改正され、介護報酬が引き下げられたほか、福祉用具のサービスについても介護保険で賄われる費用が約25%カットされた。当時9000社ほどあった高齢者福祉事業者のうち、約1000社が倒産・撤退を余儀なくされたという。メディケアーはそんな逆風の時代も乗り越えているのだ。

株式会社メディケア― 代表取締役社長 後藤康太

業界が落ち込んでも生き残るための「ナンバーワン」戦略

高齢化に伴い、介護・福祉サービスのニーズは拡大し続ける。ただし、今後も介護保険制度は定期的に見直される。国の財政状況が厳しければ、報酬の引き下げ、要介護認定基準の厳格化など、介護業界が再びダメージを受ける可能性は十分にある。

そんな局面でも生き残っていくために、後藤がこだわるのは「エリアナンバーワン」のポジションを獲得・維持することだ。

通常、要介護認定を受けた人やその家族は、今後の生活について「ケアマネジャー(介護支援専門員)」に相談する。ケアマネジャーは利用者の状況や希望に応じて「ケアプラン」を作成し、適切な介護保険サービスが受けられるように関連の機関や専門家との連携・調整を行う。つまり、ケアマネジャーが「福祉用具を利用すると良い」と判断すれば、福祉用具の販売・レンタル事業者に協力を要請したり、利用者に紹介したりするのだ。

「ケアマネジャーが『どの事業者に任せるか』を考えたとき、一番にメディケア―が候補に挙がる。そんなふうに『ナンバーワン』の信頼を獲得すれば、今後、国策によって福祉サービスがカットされたとしても、メディケア―への指名依頼が減ることはありません。だから、僕たちが目指すナンバーワンとは、目先の売上や利益規模ではなく、『信頼』においてのナンバーワンなんです。信頼を得るために、相手の気持ちや立場に立った高度なコンサルティング力を磨くことにこだわっています」

その戦略と地道な努力が実り、すでに神奈川エリアでトップクラスのシェアを獲得しているメディケア―。しかし、ここに至るまで、後藤は大きな試練に直面してきた。

メディケア―は後藤の両親が立ち上げた会社だ。後藤は当初はメーカーで営業として働いていた。高業績を挙げ、管理職への昇進も果たした。プレイヤーとしてもマネジャーとしても自信を付けた30歳の頃、メディケア―に入社した。

最初は意気揚々。しかしすぐに厳しい現実を目の当たりにする。社員たちは忙しすぎて疲弊しており、幹部メンバーは次々と退職していく。「このままではいけない」という危機感を抱いた後藤は、とにかく社員とのコミュニケーションを増やすことを目指した。

日中、仕事現場での対話の量を増やすだけでなく、夜も話をする時間を持とうと考えた。しかし、終業後に飲みに誘っても、ついてくる者はいない。「社長の息子」である自分に、距離を置かれているのを感じた。それでも後藤はあきらめなかった。

「10回も20回も言い続けましたね。一緒に飯食いに行こうよ、と。特にキーマンのメンバーに関しては、パチンコ屋に行くと聞きつけたら、偶然を装って隣の台に座り、『この後、飯に行こうよ』と。ほとんどストーカーです(笑)。彼らもさすがに根負けして、しぶしぶ付き合ってくれた。いざ一緒に飲むと、素直に愚痴や不満を語ってくれたんです」

後藤が彼らの話にひたすら耳を傾けると、やがて彼らも後藤に心を開いていった。不満をすべて出し切ると、話題は夢や理想に変わっていった。

「自分たちはこれがしたい。こうなりたい」を毎日のように語り合うようになり、いつしか同じ未来へ視線を合わせていた。社内に活気が戻り、辞めようと思っていたメンバーも再び会社を好きになった。すると、同じ志を持つ仲間がどんどん集まってきた。

「社会に出て約40年間働く。やりがいがある仕事ができて、生活が豊かになればいいかというと、それだけでは足りないと思うんです。会社で出会ったメンバーが、いい影響や刺激を与えてくれて、自分の成長につながる。お互いがいいところを見つけて伸ばし合える。そうして『一生付き合っていきたい仲間』になる。そんな人間関係を築ける会社でありたいし、そういう環境を自分たちで創っていきたいですね」

株式会社メディケア― 代表取締役社長 後藤康太

Profile

1973年、神奈川県横浜市出身。催事事業の経営を経て、ベッドメーカーに入社。約6年で当初の25名規模から220名規模へ拡大する過程で、営業、マネジャーを務める。30歳のとき、実家が経営する株式会社メディケア―に入社。37歳のとき、代表取締役に就任。以来、M&Aによる規模拡大、事業所の新規開設を進め、現在12事業所を展開。高齢者へのサービスを事業とする中で、利益の一部を未来の子供たちを支援する活動にあてたいという想いから、発達に関する障がいのある子どもやその家族を支援する「放課後等デイサービス NEST」、障がいを持つ子どもたちにサーフィンを教える「Ocean’s Love」など、幅広い支援活動を行っている。

Contact

株式会社メディケア―

神奈川県藤沢市藤沢1027

http://mc-tehart.com/

週間アクセスランキング