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株式会社ファーストキャリア

若鍋 孝司Koji Wakanabe

代表取締役社長

 目次

会社員時代に作った「ファーストキャリア」

大学の卒業アルバムの一言欄に、私はこう記しています。「代表取締役社長」。意味不明もいいところですね。若き自分に「他に書くことはなかったのか!」とつっこみたくなりますが、とにかく将来「社長になりたい」という夢だけはあったように思います。

しかし、日本酒などの醸造について学ぶ珍しい学科にいた私は、新卒時に大手食品会社に就職しました。当然、研究職として採用されたものだと思っていたのですが、配属されたのは、なんと人事部。「なぜ自分が?」とも思いましたが、「せっかく配属されたのだから!」と気持ちを切り替え、社員研修や福利厚生などの業務をこなしていきました。

すると、いくぶん仕事ができたためか、3年目に上司から「当社はなぜ離職率が高いかを調べて、対策を考えなさい」という命令を受けました。確かに、競合の食品大手では辞める人間などほとんどいないのですが、自社は入社5年で15%近くの社員が退職していました。しかも、東大卒など優秀な人材からいなくなっていたのです。

私が調査したところ、入社時からの人材育成システムが、まったく整っていなかったことが大きな原因でした。採用、研修、配置、現場教育などの担当者がすべてバラバラで、言うことに一貫性がない。なかにはルーティンワークをこなすだけの上司や先輩達もおり、「この会社にいて大丈夫か?」と思うことが当然な状況だったのです。

そこで、私は「ファーストキャリア」プロジェクトを立ち上げました。入社から3年で一人前に育てる制度を構築し、そもそも自社に求められる「一人前」とは何か、そこに3年で到達させるにはどんな仕組みが必要か、それをどう実施するか、といった内容を詳細にまとめたプランを実践しました。

このプランが食品大手の集まりや、研修会社などからも高く評価されたことで、自分は「この分野に求められている人間であること」を実感しました。その後、ある研修会社へ転職して5年ほど勤めた後、30歳で起業しました。「30歳までに社長になりたい」と思っていたので、なんとかそれは実現した形です。

言うまでもなく、社名は自分が作ったプロジェクト名から取りました。主な事業も、入社3年までの教育・研修制度の策定、それを導入・実施するお手伝いです。新入社員の教育・研修に特化した事業を展開しているのは、おそらく当社だけでしょう。

Profile

株式会社ニチレイ人事部にて制度改革・研修業務に従事。株式会社セルムを経て、2006年に株式会社ファーストキャリアを設立、代表取締役社長に就任。企業における本質的な若手人材育成の実現を推進している。著書に、『20代でファーストキャリアを築ける人、築けない人』『草食系男子×肉食系女子、どちらが育つか?』(ともにファーストプレス)がある。

Contact

株式会社ファーストキャリア

東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー7F
http://www.firstcareer.co.jp