世界から「外貨」と「誇り」の両方を手に入れたい

CROOZ株式会社 代表取締役社長 小渕 宏二

小渕 宏二Koji Obuchi

CROOZ株式会社

代表取締役社長

2015.04.21

日本のお家芸「ゲーム」で世界にチャレンジ

CROOZは、ソーシャルゲームを軸に、世界中にインターネットサービスを提供するエンターテインメント企業です。

ソーシャルゲームでは、これまで『アヴァロンの騎士』や『HUNTER×HUNTERバトルコレクション』などのヒット作品を世に送り出してきました。社内には約600人の社員がおり、業界トップクラスにまで成長しています。

もちろん、国内だけで満足するつもりはありません。僕たちが事業の柱としているゲームは、日本が世界に誇れる文化の一つ。ゲーム業界において国内有数のプロバイダーであるということは、それだけで世界で戦えるだけのポテンシャルを既に備えているということなのです。

一方で自分たちの会社をIT企業という視点で捉えると、日本のIT企業の中で、世界レベルで活躍できている企業はほぼ皆無です。それどころかあらゆる産業を見渡しても、平成以降に創業された企業の中で、本当の意味で世界進出ができているところはほとんどありません。

ですから僕は、ゲームという日本がもっとも得意とするジャンルの代表として、世界にチャレンジしたいと考えているのです。

和製企業として海外で活躍することによる誇りを手に入れたい

既にCROOZは、韓国、アメリカ、ドイツ、シンガポールの4ヵ国に海外子会社を設置しています。各国で行っているのは、マーケティングとプロモーション。アジア、北米、ヨーロッパという3大マーケットにおいて、それぞれの地域のユーザーがどのようなサービスを求めているかを把握し、現地の実情に合致したサービスにカルチャライズしたうえで、販促活動に取り組んでいこうというわけです。

ちなみに、ベトナムにあった子会社については閉鎖しました。ベトナムの子会社は、オフショア開発といって、開発を海外にアウトソーシングし労働コストを下げることを目的に設置したのですが、CROOZが手がけているプロダクトの特性上、今やるべきではなかったな、と思っています。

手順通りに作業を進めれば完成させられるような製品を扱っているメーカーであれば、積極的に海外へのアウトソーシングを進めていくべきでしょう。しかし僕たちはソーシャルゲームという人間の感情に働きかけるソフトを開発しています。そのため、開発者には時代や社会の変化を肌で感じながら仕事をすることが求められ、単純にアウトソーシングしてもうまくいくわけがないのです。いろいろ考えた末に、コスト削減ではなく、今はプロダクトヅクリに集中すべき時期であると、撤退を決めました。

僕たちが海外に出る理由は、「外貨」と「誇り」の獲得であると考えています。今後の日本の内需は、ある程度限定的で、世界全体の規模から見たら大したことはありません。僕は、外貨がないところに日本のコンテンツビジネスの未来はないと思っています。だから、営利活動をする企業として、外貨を取りに行くつもりです。

また、世界中の人に「こんなに面白いゲームが作れるなんて、やっぱり日本ってすごいな」という尊敬を持ってもらい、存在感を出せたとしたら、日本人としてやっぱりうれしいですよね。和製企業として海外で活躍し、「世界で活躍したんだ」「世界の70億人にゲームを提供できたんだ」「世界一〝オモシロカッコイイ〞会社になったんだ」という誇りをメンバーや日本の人たちに少しでも感じてもらえたら、僕がこの会社を創業した意義も、そこに見出せるのだと思います。

逆に、いくら海外でお金儲けができたとしても、世界の人から尊敬されないやり方では空しいだけです。とはいえ、いくら尊敬が得られたとしても、利益が伴わなければ事業を継続させることはできません。だから「外貨」と「誇り」の両方が欲しいのです。


Profile

1974年群馬県生まれ。
IBM子会社のセールスマンを経て2001年にCROOZ株式会社を起業。その後、2007年にJASDAQ上場、2011年には上場企業1000社の中で上位20社のみ選ばれる「JASDAQ-TOP20」に導く。創業以来、インターネットを軸に検索エンジン、ネット広告、ブログ、ネット通販など、常に市場のニーズを先読みし事業を展開。今現在は成長市場であるソーシャルゲームに狙いを定め、国内のみならず北米・アジア・ヨーロッパを中心に海外展開を進めている。

Contact

CROOZ株式会社

〒106-6138
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー38F
URL : http://crooz.co.jp

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