情報を消費するだけでなく、目をつぶって想像する。消費者目線でシンプルに考えれば、未来が見えてくる
株式会社ベクトル 代表取締役社長 西江 肇司

株式会社ベクトル

西江 肇司Keiji Nishie

代表取締役社長

2016.04.07

コミュニケーションファームという最先端戦略PR集団

当社の事業は、企業が世の中に広めたい商品やサービスを、広告ではない手法で伝える“戦略PR”です。メディアが多様化する中で、今までのように普通に広告を打っても、効果を期待しにくい時代になっています。これまでのコマーシャルに代わり、「番組内で紹介されたい」「ニュースに取り上げてもらいたい」「スマホを見る人に動画で直接届けたい」といった、広告ではないコミュニケーションへの需要が高まっています。

戦略的なPRという概念は、実は従来の日本には存在せず、広告は宣伝部、PRは広報部が、それぞれの予算で別々に行うのが一般的でした。しかし、商品がテレビの番組で取り上げられたら、飛躍的に売り上げが上がるのは明らかです。では、そのテレビに取り上げてもらうためにはどうしたらよいかというと、従来の広報手法では、ニュースリリースを作ってメディアに送るくらいが関の山でした。

広告一辺倒ではないコミュニケーションが増えている時代の中で、企業は広告以外でいかに広く認知や共感を得られるかが問われており、そこがうまくできている会社が成功しています。つまりこれまでの広告予算をPRに振り向ける企業が増えるトレンドの中、私たちはまさにそこを狙いにいっているのです。

“戦略PR”という言葉は、日本では2008年くらいに書籍で紹介されて広まりましたが、海外ではかねてから一般的だった概念で、“コミュニケーションファーム”と呼ばれる会社が担う領域です。例えば、アメリカの大統領選挙の際に関わるのは広告代理店ではなく、コミュニケーションファームです。オバマ大統領であれば、専門のコミュニケーションチームが、ウェブサイトやSNSを活用したキャンペーン、テレビCMや動画を通じた広告・PRなどの全コミュニケーション活動を担います。

私たちが狙っているのも、そういった領域です。モノを広めたい時に、今までは広告戦略一辺倒だったところ、ソーシャルネットワークで発信するコンテンツを作ったり、動画でニュースを提供するなど、コミュニケーションを図っていく。PR会社といっても、昔ながらの狭義なPR業が占める割合は半分くらいの“戦略的コミュニケーションファーム”というのが当社の立ち位置なのです。

株式会社ベクトル 代表取締役社長 西江 肇司

2歳の子供でもCMをスキップ。見たくなる動画とは?

私自身に関するビジネスの原点は、大学時代の“パーティー屋”に遡ります。年間100回程度、学生パーティーを企画していました。パーティー自体に興味があったわけではなかったのですが、当時から協賛企業を募ってくるのはうまかったので、卒業してそのまま、セールスプロモーションの会社を興しました。PRの仕事は、テレビのタイアップから入った感じですね。テレビ東京の『ASAYAN』の制作なども手掛けていました。

一般的にPR会社の世界というのは、新しいことをするのが決して得意ではない業界です。しかし従来のPR手法では、なかなかメディアに取り上げられにくい時代になっています。例えばタレントを起用して記者発表を開いて、雑誌やテレビなどの記者を呼んでも、実際に誌面や番組で使われるのは、商品ではなくタレントばかり。マスメディア自体の影響力も以前より低下しているので、首尾よく露出したとしても、ごく一部の主要メディア以外は影響力も限定的です。

そんな状況の中で、私はこれからのPRはズバリ「スマホをターゲットにした動画」が肝になると思っています。スマホ動画というと、ほとんどの企業や広告代理店は広告を狙っていますが、広告であることを明示した途端に、それは誰も見たくないコンテンツになってしまいます。例えばYouTubeで最初に流れる動画広告は、最後まで見ないでスキップしてしまう人がほとんどです。2歳になる私の子供も、すでにYouTubeを見ているのですが、広告は全部飛ばしています(笑)。2歳の子供でもそうなのですから、これは誰も見ませんよね。それを無理やり見せようという発想自体が、既に間違っていると思います。

私たちが狙っているのは広告ではなく、映画の予告編です。予告編は映画の広告のようでいて、それを見ると映画を観たくなりますよね。伝えたい内容を動画にして、アドテクでターゲティングしたユーザーに届ければ、必ず見てもらえます。

例えば、フェラーリが新車の発売を告知するなら、記者発表会の模様を動画にして、同社のホームページ閲覧者のスマホやPCに表示してしまえば、それだけで数十万というフェラーリファンにリーチできてしまいます。今では、過去に検索した商品や会社の広告がスマホやPCに表示されるリターゲティング広告は当たり前になりましたが、動画を表示することで、これまでとは比べものにならない効果が期待できるのです。

言わずもがな、ユーザーにとって企業に対する最大のニュースは新製品です。企業側は意外とそのニュース性に気づかないまま、多額のコストをかけたコマーシャルでなければ商品は売れないかのように洗脳されています。私は常にユーザー目線で見ているので、業界の常識にも「本当にそうか?」という視点で切り込みます。例えば、私はローリング・ストーンズのファンなのですが、キース・リチャーズが新しいアルバムを出したことをネットニュースで配信しても面白くないけれど、1時間の動画を作って世界中のストーンズファンにターゲティングして、Netflixで観られるようにしたら、それでプロモーションは終わりです。

当社が狙っているのは、戦略PRとアドテクノロジーと動画をセットにして、世の中にモノを広めること。ものすごくシンプルですが、この中に広告という概念は既にありません。逆に言えば、今までは広告になっているから伝わらなかった。もっと言えば、紙媒体やテレビのキー局といったメディアも必要ないのです。なぜなら企業の商品やブランド自体が、メディアだからです。当社でも「IRTV」「NEWSTV」といったIR情報や企業の記者発表会・PRイベント・新製品情報などを動画で配信するサービスを展開していますが、それもメディアではなく、トレーラーの配信という位置付けです。

そしてPRの圧倒的な強みはコストパフォーマンスです。当社では、記者発表会の模様を無料で動画撮影し、実際にリーチした分だけの成果報酬を頂戴しています。仮に200万PVに対して200万円を頂いたとして、1ページにつき200万円かかる雑誌広告と、どちらを選びますか。それでも雑誌を選ぶ企業が存在するのも不思議ですが、合理的な判断をすれば、どちらがコストパフォーマンスに優れているか、明白です。このようにコストを抑えられるのは、1社から高額なコストを負担していただくのではなく、より多くの企業に同じ手法を応用できるビジネスモデルならではの強みともいえるでしょう。


Profile

1968年生まれ、岡山県出身。1993年に会社設立。2000年よりPR事業を中心とした体制に本格移行。独立系PR会社として業界トップに上りつめ、2012年に東証マザーズ上場、2014年11月28日に東証一部へ市場変更。日本No.1のリリース配信サービスPR TIMES、WEBマーケティングを扱うシグナル、動画マーケティング支援のビデオワイヤーをはじめとした子会社をグループに持ち、コミュニケーションサービスを実行できる体制を確立。現在、中国、香港、シンガポールなどアジア各地に現地法人を設立。PRとアドテクノロジーを組み合わせた最新のマーケティング手法を武器に、アジア全域におけるPRグループの形成を目指している。著書『戦略PR代理店』(幻冬舎)、『モノの広め方』(アメーバブックス新社)など。

Contact

株式会社ベクトル

東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ18F
http://vectorinc.co.jp/

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