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世界的ネットワークで
アジア言語翻訳を
ワンストップで担う

株式会社インジェスター

権 京鎬Kei(Kyongho) Kwon

取締役副社長

意思疎通を阻害する要因をすべてなくしたい

在日韓国人として日本に生まれ育った権。呉とは幼なじみの間柄だ。公認会計士としてアメリカのシカゴで仕事をしていたが、1997年に日本に長期出張をした際、権の人生にひとつの転機が訪れる。

当時、韓国企業が日本の証券市場で資金調達を活発におこなっており、投資家に開示するための目論見書・財務諸表を韓国語から日本語に翻訳するという業務が進められていた。

「久々に日本に戻ってみると、グローバル化がずいぶんと進んでいる印象を受けました。それまで日本語と英語間での翻訳業務は数多くありましたが、韓国語の需要が出てきていると感じたのです。これは非常に面白いチャンスになると直感しました」

権には、呉をはじめ韓国語と日本語を使いこなせる友人がたくさんいた。しかしながら、その能力を適切に発揮できる機会がなかったのだ。権は「韓日のバイリンガルが今までにない形で社会に貢献する機会を作りたい」という強い想いを抱き、2002年に呉ほか6名の有志と共にインジェスターを立ち上げることになった。

当初は韓国語・日本語・中国語といった東アジアの言語に強みを持っていたが、次第に英語をはじめ言語の幅を広げていく。また、日韓合同ワールドカップの開催や日本での「韓流ブーム」といった波に乗ることもでき、事業は順調に成長・拡大していった。

特に創業以来の強みである映像翻訳・吹替の分野では、韓国や中国のメジャー放送局の番組の翻訳・吹替制作を一手に担っており、業界でもトップクラスのシェアを誇る。

こうした事業拡大の核にあるのが、「この世にあるコミュニケーションを阻害する要因をすべて取り除きたい」という経営ビジョンだと、権は語る。

「日本に生まれ育った韓国人という立場から常に日本・韓国両国の視点で世の中を見続けてきました。そして、円滑なコミュニケーション、意思の疎通ができず誤解や不信感が生まれ、その結果憎しみや紛争に至ることがあると感じるようになったのです。例えば韓国ドラマの翻訳でも、私たちが制作しているのは字幕や吹替ですが、その真の目的は、韓国語のオリジナルコンテンツが障壁なく日本の人々に伝わることです。コミュニケーションの阻害要因として言語・文化の違いによるものが多く、その違いを乗り越える橋渡しをするのが私たちの使命だと思っています」

こうした経営理念に基づくと、手がける仕事は「言語翻訳」を超えることもある。その一例がクローズドキャプションの制作だ。聴覚障がい者や高齢者向けに、日本のニュースやバラエティ番組に日本語の字幕をつける依頼もここ数年増えている。

インジェスターでは、主に言語の違いや文化の違いにフォーカスしているが、聴覚の問題を取り除き意思疎通を円滑にするクローズドキャプションも事業領域に十分に入ってくる分野なのだ。

「日本語字幕を制作する在宅スタッフを募るために、シングルマザーを支援する協会などとの提携を試みています。一人で育児をしていてなかなか外に働きに出られない、けれど収入を必要とされている方々にとって、よい機会になるのではないでしょうか。まだまだ一般的には知られていない仕事ですが、『こういう仕事があるのですね』と協会の方にも喜んでいただきました。クローズドキャプションの仕事は、日本語さえわかれば多くの方が携わることができます。他にも身体が不自由な方や離島、過疎地でなかなか仕事を得られない方々にも活躍していただけるのではないかと考えています」

Profile

東京都出身。日本で教育を受けたあと、アメリカの大学へ留学。ニューヨーク州立大学で修士号取得。シカゴにてPricewaterhouseCoopers会計事務所勤務。東京事務所への転勤後、トランザクション(M&A)部門でパートナー就任。2002年、幼馴染みである呉社長とともにインジェスターを立ち上げ、現在に至る。

Contact

株式会社インジェスター

東京都千代田区五番町5-5 ヒューリック五番町ビル4F
https://www.injestar.co.jp