逆張り起業家、そしてバイアウトモデル。GAFAをベンチマークしたBtoBプラットフォームの構築を目指す

CXOバンク株式会社

中村 一之kazuyuki nakamura

代表取締役社長CEO

発信し続けることで見えてきたBtoBインフルエンサーの道

現在はSNS上で強い拡散力を持つ中村だが、もともと人前に出るタイプだったわけではなく、むしろ中学生まではシャイな性格。しかし、バンドを始めたことがきっかけで、自分の想いを表現することが次第に苦ではなくなった。ヤマハのドラム教室にも通い、自宅の部屋に電子ドラムと本物のドラムセットを完備させるほどのめり込み、「当時の夢はバンドで生計を立てることでした」と語っている。

2004年大学卒業後は、東証一部上場の大手リース会社に新卒入社。しかし、社員数の多さから「個性を活かせる環境ではない」と3週間で辞表を提出し、社員5名・売上10億円の商社系ベンチャーに参画し、すぐに営業で実績を出し取締役へ。それと同時に、サイバーエージェント社長の藤田晋氏に憧れ、2004年にブログを開始。主に採用面で利用することが目的だったが、これが現在の発信力の礎となる。

「まだ当時は芸能人ブログもなく、競合ブログもほぼない時代。些細なことを1日5本はブログをアップしていました。すると、多くのインターン生をブログ経由で採用できたんです。その中には、現在既に上場した経営者や、ベンチャー経営者の中でも注目されていたメンバー、また大手のベンチャーキャピタリストとして大活躍しているメンバーもいます。それぐらい優秀なインターン生をブログから採用できた。今でこそFacebookで情報発信し続けていますが、書く力や文章を構築するノウハウはそのときに養われたんです」

どこまでもとことんやる性格は、バンドをしていたときと変わらない。このとき参画していたベンチャー企業の法人営業では、個人で年間3億5000万円の売上を計上。また、並行して執筆していたブログは、ビジネスカテゴリで30万人中50位以内になるほど、結果に表れ始めていた。

その後、オリックス出身の経営者が立ち上げた大手企業向けのコスト削減や事業再生を行うコンサルティングベンチャーで6年間勤め、単独で年間粗利益3億円以上を稼ぎここでも一社員から役員へと昇格。その後、上場を目指していた弁護士ドットコムのCFOから声がかかり、2013年にグループの法律事務所にボードメンバーとして参画を決意。そのときに出会ったのが、日本で流行り始めていたFacebookだったのだ。

「法律事務所は、厳格な規定があり、面識のない人への営業が禁止されています。なので、顧客から問合せをしてもらう必要があり、マーケティング力がないと案件が取れません。グループの弁護士ドットコムが上場を狙っており、成長著しかったので、機会損失しないように、そのコンテンツも利用しながら私が広告塔になろうとFacebookで毎日投稿を続けました。その結果、経営者から直接多くの案件を問い合わせで獲得できるようになり、『SNSを駆使すれば事業をスケールさせられる』と自信がつきました」

さらに、中村自身が主催するイベントも開始。第1回目は、『ベンチャーたこ焼き会』と題し、たこ焼き屋を貸し切った経営者の会だったが、たった2名しか集まらなかった。ただ、その後も毎月継続に開催した結果、毎回30名の枠が満席となり、上場企業の経営者までも参加してくれるように。大切なのは、相手からアプローチしたいと思える仕掛けづくりと良質なコミュニティづくりなのだという。

「勉強の意味を込めて、5年間で300回もの他社開催のさまざまなイベントに参加しました。しかし、どこも同じ人ばかり、質も高いとは言えず、これは時間の無駄だと感じたんです。幹事や関係者の為のイベントになっていて、参加者が満足度を高めていない、と。なので、毎回幹事を変え、幹事はボランティアで利益は集客広告費に回す、新規の方を中心にする、そして良質なイベントを自分で開催しようと思い立ったんです。初回の集客こそ散々な結果でしたが、毎月開催することで参加者数が増えました。続けること、そしてPDCAを自分自身で回していくことが何よりも大事だと感じましたね」

Profile

CXOバンク株式会社 代表取締役社長CEO。経営者のためのプラットフォーム『CXOバンク』を開発運営。これまでにThe CFO Consulting株式会社 取締役COOなどベンチャー企業4社で役員を務め、社員50名で売上15億円、経常利益7億円のベンチャーを役員として作り上げた実績を持つ。