「法律」の枠に とらわれない弁護士。 目標はクライアントの 「利益の最大化」

北・長谷見法律事務所

北 周士Kanehito Kita

弁護士

クライアントの利益の最大化に向け、あらゆる専門家と連携

「一つひとつの案件にしっかり取り組むには、やはり1年間に100件が限界だと感じたんです。弁護士を50年やるとして、計5000件。日本には1億何千万人の人がいて、貧困層も多いのに、一生かけても5000人にしか手が届かないのか、と。そこで、もっと効率的に多くの人を救う方法を考えたんです。

そこで思い出したのが、父の急逝後、それまで10数年間専業主婦だった母がすぐに職を得て働いていた姿だった。当時はまだバブル期の名残があった時期だ。「経済が回っていれば貧困層にもお金がいく」――そう考え、企業法務の分野に乗り出すことを決意。2011年、事務所を開設した。

「私が支援して企業が元気になれば、人を雇用する。1年で50社を救い、その50社が50人を雇ってくれたら、2500人が救われる。だから、企業のために働こうと思ったんです。

熱意を持って頑張っている若いベンチャー企業が、さらに成長を遂げられるように」

歴史が浅く、組織基盤が整っていないベンチャー企業は、法律的トラブルに見舞われると一瞬で消滅してしまうことも珍しくない。しかし、多くのベンチャー経営者は、ビジネス面では「メンター」といえる存在を持っているが、法律面のアドバイスをくれるような人との付き合いがないケースが多い。また、社内に法務担当者を置く余裕もない。

新規事業を始める際、許認可を得る必要があると知らず法律違反となってしまうケース、労務管理に不正があり上場審査で引っかかってしまうケースなど、事業運営にはさまざまなリスクが潜んでいる。経営者が本業に集中できるよう、北は外部法務担当者、顧問弁護士として法律面に目を光らせる。

増資の際は、会計士と組んでベンチャーキャピタルやエンジェル投資家との間に立ち、調整を行うなど、さまざまな角度からサポートする。

「就業規則、株主総会、定款などは、『義務』ととらえる人も多いのですが、意味や機能を正しく理解していれば、『武器』として使える。プラスに活用するためにも、『なぜこれをする必要があるのか』『これにはどんな利点があるのか』の説明から入っています」

「弁護士っぽくない」と言われることも多い北は、ビジネスの話をするのも好きだという。多くの法律家にありがちなように、経営者から相談を受けたとき「法律ではこうです」「規定によりできません」などと、知識の開示だけで終わらせることはしない。「どうしたいのか」「それを実現するためにはどうすればいいのか」という「課題解決」を主眼として向き合う。

課題を解決する手段が「法律」でないと判断すれば、適切な専門家につなぐ。そのために日頃から他の分野に強い弁護士、社労士、会計士、税理士、司法書士とユニットを組んでいる。また、連携する相手は士業の域にとどまらない。自身のブランディングを図りたいという経営者には、ファッションのアドバイスができるスタイリストを紹介したり、組織改革を目指す経営者には社員教育のプロを紹介したりすることもある。

「クライアントの課題を解決すること。クライアントの利益を最大化すること。この2つが目標ですから、それを達成できるのが自分以外の人であれば、すばやくバトンタッチします。そのために、さまざまな専門家とネットワークを築いています」

「利益の最大化」にこだわるスタンスは、企業だけでなく個人相手でも同様だ。例えば、離婚の相談が持ちかけられたときは、「なぜ離婚したいのか」から聞いていく。中には、感情が先走って報復的な措置を望む人もいるが、それを実行すれば「幸せになる」という目的を阻む結果になることもある。北は、理屈と感情のこんがらがった糸を丁寧にときほぐし、解決に向けての選択肢を提示していく。

人間であるからには、複雑な感情もからんでくるもの。個人でも企業でも、「やろうとしていること」と「本来の目的・希望」がズレてしまっていることもある。本当に目指すべきゴールを引き出し、そこに到達するにはどんな方法がベストかを一緒に考えていくのが自分の役割だと、北は言う。

北・長谷見法律事務所 弁護士 北 周士

Profile

2000年、中央大学法学部法律学科入学。2005年、司法試験合格。2006年、中央大学法学部法律学科卒業。青山総合法律事務所、安藤武久法律事務所を経て、2011年 4月、きた法律事務所開設。2015年 9月、事務所名を北・長谷見法律事務所に変更。

著書に『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』『弁護士 独立のすすめ』『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』(共著)など。

趣味は飲食と和洋問わずファッション、読書。

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