「法律」の枠にとらわれない弁護士。

目標はクライアントの「利益の最大化」

北・長谷見法律事務所 弁護士 北 周士

北・長谷見法律事務所

北 周士Kanehito Kita

弁護士

2017.03.31

企業法務を中心に、
離婚・男女問題に取り組む
「士業全体のレベルアップ」を提言。
業界外からも講師を招いてセミナーを開催

「お金がない人のための弁護士」を志す

「目標はクライアントの利益を最大化すること。法律はあくまで手段のひとつです」

こう語るのは、東京千代田区にある北・長谷見法律事務所の代表弁護士・北周士。企業法務を中心に、離婚・男女問題を得意分野としている。

北は、国家試験として最難関と言われ、合格者平均年齢が30歳前後の司法試験に、24歳で合格。現在、30代半ばでありながら、すでに10年近いキャリアを積み上げている。

弁護士業のほか、士業のスキルアップや開業・経営の支援にも意欲的だ。セミナーを主催するほか、『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』『弁護士 独立のすすめ』『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』などの著書を出版している。

北が弁護士という仕事に興味を持ったのは、小学校から中学校に上がる時期。幼少期に父が脳出血で急逝し、その後の数年間で、父方の祖母、母方の祖母が相次いで亡くなった。わずかばかりの遺産が残されたが、その管理と使い途を巡って親族とトラブルになり、母は弁護士を頼った。窮地を弁護士に救われ、「こういう仕事があるんだ。自分も困っている人の助けになりたい」という想いが芽生えたという。

弁護士を目指すと決意したのは高校時代。理系科目のほうが圧倒的に得意だったが、文系に転換した。母子家庭で金銭的余裕がなかったため、大学の学費は奨学金4つとバイトでまかなった。司法試験を目指す者の多くは予備校に通うのが通常だが、そんな資金はない。参考書を買うお金すら途中で尽き、図書館の本で勉強した。

そんな逆境にありながら、弱冠24歳で司法試験を突破。4万5000人の受験者から8000人までに絞られた論文試験では43位という好成績をマークした。

大学卒業後は弁護士事務所に入って経験を積み、1年半後に独立。他の事務所の一角を間借りし、主に一般向け法律相談の総合窓口に寄せられた案件を請け負った。

「もともと、お金がない人のための弁護士になろうと思ってこの道を選んだんです。自分自身も体験したとおり、お金がない状況からトラブルは生まれる。そんな人でも、弁護士のサービスを利用できるようにすべきだと思ったんです」

その志のとおり、貧困家庭でDVを受けている人の離婚、生活保護受給者の破産、ブラック企業の労務・解雇、外国人の居住など、社会的弱者と言われる人々の案件ばかりを手がけた。同時に120件の案件を抱えることもあったという。

そんな「全力」の生活を4年続け、北はある考えに至る。

クライアントの利益の最大化に向け、あらゆる専門家と連携

「一つひとつの案件にしっかり取り組むには、やはり1年間に100件が限界だと感じたんです。弁護士を50年やるとして、計5000件。日本には1億何千万人の人がいて、貧困層も多いのに、一生かけても5000人にしか手が届かないのか、と。そこで、もっと効率的に多くの人を救う方法を考えたんです。

そこで思い出したのが、父の急逝後、それまで10数年間専業主婦だった母がすぐに職を得て働いていた姿だった。当時はまだバブル期の名残があった時期だ。「経済が回っていれば貧困層にもお金がいく」――そう考え、企業法務の分野に乗り出すことを決意。2011年、事務所を開設した。

「私が支援して企業が元気になれば、人を雇用する。1年で50社を救い、その50社が50人を雇ってくれたら、2500人が救われる。だから、企業のために働こうと思ったんです。

熱意を持って頑張っている若いベンチャー企業が、さらに成長を遂げられるように」

歴史が浅く、組織基盤が整っていないベンチャー企業は、法律的トラブルに見舞われると一瞬で消滅してしまうことも珍しくない。しかし、多くのベンチャー経営者は、ビジネス面では「メンター」といえる存在を持っているが、法律面のアドバイスをくれるような人との付き合いがないケースが多い。また、社内に法務担当者を置く余裕もない。

新規事業を始める際、許認可を得る必要があると知らず法律違反となってしまうケース、労務管理に不正があり上場審査で引っかかってしまうケースなど、事業運営にはさまざまなリスクが潜んでいる。経営者が本業に集中できるよう、北は外部法務担当者、顧問弁護士として法律面に目を光らせる。

増資の際は、会計士と組んでベンチャーキャピタルやエンジェル投資家との間に立ち、調整を行うなど、さまざまな角度からサポートする。

「就業規則、株主総会、定款などは、『義務』ととらえる人も多いのですが、意味や機能を正しく理解していれば、『武器』として使える。プラスに活用するためにも、『なぜこれをする必要があるのか』『これにはどんな利点があるのか』の説明から入っています」

「弁護士っぽくない」と言われることも多い北は、ビジネスの話をするのも好きだという。多くの法律家にありがちなように、経営者から相談を受けたとき「法律ではこうです」「規定によりできません」などと、知識の開示だけで終わらせることはしない。「どうしたいのか」「それを実現するためにはどうすればいいのか」という「課題解決」を主眼として向き合う。

課題を解決する手段が「法律」でないと判断すれば、適切な専門家につなぐ。そのために日頃から他の分野に強い弁護士、社労士、会計士、税理士、司法書士とユニットを組んでいる。また、連携する相手は士業の域にとどまらない。自身のブランディングを図りたいという経営者には、ファッションのアドバイスができるスタイリストを紹介したり、組織改革を目指す経営者には社員教育のプロを紹介したりすることもある。

「クライアントの課題を解決すること。クライアントの利益を最大化すること。この2つが目標ですから、それを達成できるのが自分以外の人であれば、すばやくバトンタッチします。そのために、さまざまな専門家とネットワークを築いています」

「利益の最大化」にこだわるスタンスは、企業だけでなく個人相手でも同様だ。例えば、離婚の相談が持ちかけられたときは、「なぜ離婚したいのか」から聞いていく。中には、感情が先走って報復的な措置を望む人もいるが、それを実行すれば「幸せになる」という目的を阻む結果になることもある。北は、理屈と感情のこんがらがった糸を丁寧にときほぐし、解決に向けての選択肢を提示していく。

人間であるからには、複雑な感情もからんでくるもの。個人でも企業でも、「やろうとしていること」と「本来の目的・希望」がズレてしまっていることもある。本当に目指すべきゴールを引き出し、そこに到達するにはどんな方法がベストかを一緒に考えていくのが自分の役割だと、北は言う。

北・長谷見法律事務所 弁護士 北 周士

Profile

2000年、中央大学法学部法律学科入学。2005年、司法試験合格。2006年、中央大学法学部法律学科卒業。青山総合法律事務所、安藤武久法律事務所を経て、2011年 4月、きた法律事務所開設。2015年 9月、事務所名を北・長谷見法律事務所に変更。

著書に『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』『弁護士 独立のすすめ』『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』(共著)など。

趣味は飲食と和洋問わずファッション、読書。

Contact

北・長谷見法律事務所

東京都千代田区平河町2-16-6 JeVビル3F

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