日本と台湾の架け橋になる。それが私の使命

アジアンブリッジ株式会社

阪根 嘉苗Kanae Sakane

代表取締役

日本人の最大の武器はおもてなしの精神

日本と台湾の架け橋になるには、どうすればよいか……暗中模索する中で、新たに見つけたスタイルは、台湾への進出を考えている日本企業との協業モデルでした。

例えば、現在の協業先に通販支援会社があります。同社は、化粧品や健康食品の通販会社から依頼を受けて、新規顧客やリピート顧客を増やすための広告サービスを提供しています。同社が台湾でもビジネスを展開することになったのですが、当然現地の事情に詳しいわけではありません。そこで、台湾に精通した社員がいて、台湾での土地勘が利く弊社と協業して現地でのビジネスを進めていくことになったのです。

先方の執行役員にも台湾オフィスに常駐してもらい、両社が共同で一つの事業部を設置します。台湾進出にあたってかかる経費も折半、利益も両社が折半します。当面は1年を目処に事業化に取り組み、1年後に継続・撤退を判断します。継続の場合は、その時点での役割に応じた出資比率により、合弁会社を設立するというスキームです。

私たちは、台湾でテレマーケティングによる通販事業を始めるために、現地のコールセンターとの提携から、受注・決済・梱包・配送といったサプライチェーンの構築に、協業先の企業と二人三脚でゼロから取り組みました。この仕組み作りがやっぱり大変でしたね。

例えば、日本のコールセンターでは、オペレーターとお客様との電話のやりとりをサービスの分析・改善のために録音しておくことも、お客様に電話をかけた件数と受注できた件数を記録しておくことも当たり前ですよね。ところが台湾では、「何でそんなことまで?」という感覚なんです。そこで私たちが台湾企業に、日本企業がなぜそこまで細かいことにこだわるのか、その背景から説明し、どうすれば日本側の要望に応えられるか、一緒に考えていきます。これは日本と台湾両方の商慣習を理解している私たちだからこそできることです。

日本のきめ細かなサービスが、台湾の人を感動させることも少なくありません。例えば、日本の化粧品通販会社は新規のお客様に対して、購入1ヵ月後くらいに「商品はお肌に合いましたか?」といったフォローの電話をかけますよね。また、お客様一人ひとりに感謝の気持ちを込めた手書きの手紙を送ったりします。これが台湾の消費者には信じられないことらしいのです。わざわざお客様相談窓口に「この手紙を書いたのは誰ですか? お礼を言いたいです」と電話をかけてくれるほどです。同様にコールセンターの人たちにも、「日本のサービスは何てレベルが高いんだ」と、驚きをもって受け止められています。

私は日本人最大の武器は、おもてなしの精神だと思っています。滝川クリステルさんによる東京五輪招致のプレゼンテーションで流行語のように取り沙汰されていますが、それは古くから、日本人の美徳であり、強みなのです。日本はモノ作り大国と言われますが、残念ながらモノ作りはすぐに模倣されてしまう。けれども、相手の立場に立った提案やアフターフォローといったサービスの質に関して、世界の人たちに感動を与えることができるくらい、圧倒しています。だから私は、日本人はおもてなしの精神を絶対に忘れてはいけないと思います。

Profile

1979年台湾高雄市生まれ。
小学生のときに日本に留学。台湾で会社経営する両親の影響により、幼い頃から自らも経営者を志す。早稲田大学大学院卒業後、多くの経営者に出会え、かつ営業の経験を積みたいという思いから、リクルートエージェントに入社。新規開拓営業を得意とし、年間100社以上の新規企業を開拓。その後、幼い頃からの夢であった台湾と日本の架け橋となるべく、2010年にアジアンブリッジ株式会社を設立。

現在は化粧品や健康食品、ウェブ事業のローカライズを中心に、これまでのべ200社以上の進出支援を行う。

Contact

アジアンブリッジ株式会社

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東京都千代田区三崎町1-4-17 東洋ビル11F
TEL:03-6860-4207
URL:http://www.asian-bridge.com/