アジアのITマーケットを目指すインドネシアに商機あり!

アジアクエスト株式会社 代表取締役 桃井 純

桃井 純Jun Momoi

アジアクエスト株式会社

代表取締役

2015.04.24

「人口ボーナス期」が今後30年間続くインドネシア

私は元々海外旅行が好きで、世界中を訪ね歩いてきたこともあって、若い頃から海外に対する思いを強く抱いていました。

IT関連の仕事に就いていたことから、憧れの地は、やはりアメリカのシリコンバレー。結果的に、諸事情により断念せざるを得ませんでしたが、現地でのビジネスがもう少しでまとまりそうなところまでいったこともあります。

しかし、あとになって考えてみると、日本人がシリコンバレーで勝負するのは、やはり厳しいという判断に至りました。アメリカは技術力の点で最先端であるうえ、交渉に必要なコミュニケーションについても、ネイティブイングリッシュは私たち日本人にとって大きなハンディキャップとなります。

そこで私は、進出先をアメリカからアジアに変更することにしました。アジアであれば日本企業はアドバンテージを発揮できるし、何といっても今後急成長が期待できる魅力的なマーケットが存在します。このまま日本に留まり続けても未来はないという危機感も、私を後押しすることになりました。

アジアでの事業展開を前に、2012年4月にはウェブシステム開発会社「アジアクエスト」を東京で設立。そして9月にはインドネシアのジャカルタに現地法人「PT. AQ Business Consulting Indonesia」を設立し、さらに10月には現地のシステム開発会社にも出資を行い、私たちのグループに仲間入りしてもらいました。

アジアの中で最初にインドネシアを選んだのは、その市場規模の大きさに可能性を感じたからにほかなりません。約2億4000万人という世界第4位の人口と日本の5倍もある国土面積を誇り、GDP6%成長を継続。しかも、15〜64歳の生産年齢人口がそれ以外の2倍以上を占める、いわゆる「人口ボーナス期」が、この先30年続きます。働き盛りの世代が多ければ、それだけ経済活動や消費が活発になるのは道理ですね。

実際にインドネシアは、街中が活気に満ちあふれています。中間層の所得が伸びているため購買力が旺盛で、多くの人が白物家電や自動車をローンでどんどん買っていきます。自分たちのビジネスを、この国の可能性に賭けない手はないと思います。

来たるEコマースの大波を捉えたい

当社は現在、ここインドネシアで、現地に進出している日系企業向けの業務システムやウェブシステムの開発、ウェブサイト制作や運営などのサービスを中心に事業を行っています。社員数はアジアクエストの現地法人である「AsiaQuest Indonesia」が15人程度、出資している現地のシステム開発会社が50人程度となっています。

日本でも同様のサービスを手がけていますが、インドネシアと日本とでいちばん違うのは、競合の数が圧倒的に少ないということです。同業他社が何百、何千とある日本で、差別化を図るのはものすごく大変なことです。一方インドネシアには、1400社近くの日系企業が進出していますが、彼らにITサポートを行う現地の日系ベンチャー企業はまだ数社しかありません。当社は「インドネシアでナンバーワンの日系ITサービス会社になる」という目標を掲げていますが、進出してから1年半でトップを狙える位置にいるということもできるわけです。

こうした状況はIT業界に限りません。日本国内ではどの分野にも多くの競合がいて、新規参入するにはニッチを狙っていくほかありません。けれどもインドネシアの場合、マーケットがこれから形成されていく過程にあるため、マス市場でさえ、まだほとんど誰も参入していない状態です。つまり、今後インドネシアでトップシェアを取りに行くのなら、マーケットが形成される前に進出し、機会を待つことが大切になると思います。

日系企業からの受託制作のほかに、私たちがもう一つの柱にしたいと思っているのが、現地の消費者向けEコマースサイトを始めとしたインターネットサービスの構築です。現在のところ、まだインドネシアではEコマースの市場は形成前の段階ですが、既にたくさんの人がスマートフォンやパソコンを所有していることから、必ず波が来るはずです。そこで私たちは現地にいち早く入り、市場の基盤作りを行うとともに、大きな波が来たときに一気呵成に動ける態勢をとろうとしているわけです。

現在の主力業務となっている日系企業からの受託制作については、戦略的には重要な仕事である半面、難しい面もあります。というのも、日系企業の多くは「インドネシアであれば、制作費は安く抑えることができるもの」として、発注してくださっています。一方で、インドネシアでもIT関係のエンジニアの人件費は近年どんどん上昇傾向にあり、薄利多売にならざるを得ない場合があります。

それでも私たちがインドネシアに拠点を置いて事業を継続させているのは、インターネットの波が来たときに、その波をつかまえるためです。そのときまで、いかに辛抱強く地道に体力をつけておくかが勝負といえるかもしれません。日本の会社がアジアで収益をあげていくためには、日本と同じ単価で価格設定ができ、かつ現地スタッフの活用によって人件費を抑えられるビジネスモデルの構築がいちばんのポイントとなります。

これを、今まさに実現しているのが飲食業ですね。例えば、東南アジアに進出している日本のラーメン店の場合、ラーメン1杯の値段は日本と同じ、もしくは少し高いくらいでありながら、従業員は現地スタッフなのですから、それは高い利益率を維持できます。あとは、現地への定着をいかに図り、一過性の流行で終わらせないかが課題ではあります。私たちが行っているITの分野でも、こうしたビジネスモデルを再現できないかと思案しています。


Profile

1970年東京都生まれ。
1999年イズ株式会社設立(2012年まで代表取締役)。2012年アジアクエスト株式会社設立。東京とジャカルタで、システム構築、サービス開発を行う。インドネシアを第一弾として、東南アジア諸国にグループ会社を順次設立予定。成長するアジアのIT市場を狙っていくとともに、アジアに進出する日本企業にとってのベストITパートナーを目指す。

Contact

アジアクエスト株式会社

〒102-0072
東京都千代田区飯田橋3-11-13 ダヴィンチ飯田橋ビル8F
TEL : 03-6261-2701
URL : http://www.asia-quest.jp/

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