リーゼントヘアでソーシャル・チェンジを目指せ

マイクロソフト シンガポール

岡田 兵吾Hyogo Okada

シニアマネージャー

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たった1人でも世界は変えられる

ヘアスタイルをリーゼントにするようになったのは、就職活動を始めた時です。映画とハードボイルドを愛するロン毛青年で、夢は国際ジャーナリストであった。長髪を切っても、反骨精神を忘れたくなかった。それから20年、どの会社でもこのスタイルを貫かせてもらえたことを感謝しています。

子どもの頃から海外には強い憧れがありました。洋画や「ベストヒットUSA」が大好きでしたし、海外に出たジャーナリストの本なども好んで読んでいました。大学に入ると、新歓コンパで帰国子女の女の子たちが流暢な英語で楽しく会話をしていて衝撃を受けます。自分も英語を学びたいと、ESSに入部。すると、先輩がインド旅行から帰ってきて「インドなんて行けるのか!すごい!」と驚き、ますます海外に出たいという想いが強くなりました。

最初に海外に出たのは、大学1年生の夏です。入学祝いなどをつぎ込み鑑真号という船で上海に渡ってバックパッカーをしました。初めての海外旅行で一気に自分の世界が開けた気がしました。2年生に上がる前の春休みには渡米し、長距離バスのグレイハウンドでロサンゼルスからニューヨークまで横断します。

大学4年生の時に、交換留学制度を使ってアメリカの大学に留学。日本では工学部でしたが、留学中は「国際関係学」と「宗教学」のダブルメジャーを専攻。またキリスト教系の仲間たちと週2回、障害者やホームレスのための家作り、炊き出しのボランティアに精を出しました。

そんなある日、お世話をした障がい者の方が、出ない声を振り絞って必死で感謝の言葉を述べてくれました。彼はアメリカ人だけど障害のせいできちんと英語が話せない、それでも感謝の心は私に伝わったのです。英語は大事です。言葉はすごく大事です。でもそれだけじゃない、言葉が拙くても人は伝え合うことができるのだと気づかせてくれました。

アラバマでハリケーン災害があった時は、復興支援ボランティアとして駆けつけました。そこで公民権運動の母、ローザ・パークスのスピーチを聞くという幸運に恵まれます。この小さな女性が世界を変えたのだ、彼女の勇気がマルコムXやキング牧師を動かしたのだと思うと感無量でした。そして、彼女の言うとおり「One person can change the world」なんだと思いました。

会場ではキング牧師夫人をはじめ、皆が「リーン・オン・ミー」を歌いました。自分よりも大きな黒人が涙をぼろぼろ流します。その体験すべてが、ストレートに魂を打ちました。そうだ、皆で世界を変えよう。社ソーシャル・チェンジ会変革のために、自分はジャーナリストを目指そう、と思ったのです。この集会で私はCNNから取材され、その映像は全米に流れて、私は一躍時の人となりました。

1年間の留学を終え帰国し、自分はこれだけの経験をしてきたのだから必ずジャーナリストになれると信じていましたが、見事玉砕!夢破れました。激しい失意の中、留学中に受けたアドバイスを思い出しました。「ボランティアを続けたいと思っているなら、お金を集める仕組みを作れる人になることが先決だ」と。コンサルタントは「企業の医者」。

アクセンチュアにて「コンサルタントとして社会変革」を新たな決意としました。アクセンチュアでは海外派遣プログラムの1期生となり、アメリカでグローバルなチームでコンサルティングを経験しました。帰国後、やはり海外に行きたいという思いが募り、海外就職を目指すもなかなか決まらない。やっとのことで日系企業のベルギー支店の職が内定しました。しかしその直後、その会社からベルギー支店閉鎖の知らせが届き、ふたたび海外への道は閉ざされたと思ったのです。そこに、ニューヨークで転職活動をしていた時のエージェントから「シンガポールはどう?」と打診されます。

当時は明るい南国は性に合わないと思ったのですが、マイクロソフトがゲーム機のXboxをローンチし、日の丸家電と今後競合すると騒がれていた頃に、このXboxのローンチに関われる仕事でした。上司となる女性はスタンフォード大学で学んだ台湾人女性で、彼女の下で勉強できるのも魅力的に感じ、シンガポールへの転職・移住を決めました。

シンガポールに来てアジアの醍醐味を知りました。ヨーロッパはEUという経済圏がまとまっているし、アメリカも個性的な州が集まっていてもやはりUSという集合体です。アジアの場合は、国ごとに文化、宗教、言語、人種、通貨すべてばらばら。市況もどんどん変わる。欧米を経験している人でも手こずる、ユニークなマーケットです。

Profile

同志社大学工学部卒業後、アクセンチュア(日本、米国)、デロイトコンサルティング(シンガポール)、マイクロソフト(シンガポール)のグローバル企業3社で19年間、業務・ITコンサルタントとしてシンガポール・日本・アメリカをベースに活躍。
シンガポール移住12年目。永住権保持者。現職マイクロソフトにおいては、CSR(社会事業)委員、組織・文化改革リードも兼任。人生目標『ソーシャル・チェンジ』を目指し、人材育成支援、貧困層ボランティア、NPO向け経営支援に従事。世界トップビジネススクールIEエグゼクティブMBA取得、同アルムナイ・シンガポール支部初代会長。シンガポールドラッカー学会理事。シンガポール和僑会理事。ダイヤモンド・オンラインにて『STAY GOLD! リーゼントマネジャー岡田兵吾の「シンガポール浪花節日記」』連載中。

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