アイウエアを通じて
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株式会社ジンズ

田中 仁Hitoshi Tanaka

代表取締役CEO

JINSの存在意義と自分が働く理由を問うたとき、答えが見えた

地元・群馬で雑貨を扱う会社を経営していた田中が、メガネ業界へ参入したのは2001年。友人と出かけた韓国旅行で、メガネが1本3千円、しかも短時間で受け取れることに興味を持ったことがきっかけだった。視力が良かった田中は、メガネを愛用する友人が驚いてまとめ買いする姿を見て、そこにビジネスチャンスを見出した。

「当時の日本では、メガネは1本数万円以上の高価格で、手元に届くまで数日かかっていました。これを解消できれば、友人のようによろこぶ人が増える。企画から製造、小売りまで一気通貫して行うことで、高品質のまま、従来よりも低価格でメガネが提供できると考えたのです」

こうして、福岡県に1号店『ジンズ天神店』をオープン。メガネ一式(フレーム・レンズ・ケース)が5000円と8000円のツープライスで購入でき、かつ当日に受け取れるジンズは、瞬く間に人気店となった。すぐに競合店が頻出すると、田中はブランドイメージの確立を進め、内装をおしゃれにし、ファッション誌に広告を出稿。“ファッション性の高いブランド”として認知を拡大した。

郊外にメガネ店とカフェを融合した新業態の「ジンズガーデンスクエア」を開店するなど、順調に成長を遂げ、2006年、大証ヘラクレス(現・JASDAQ)へ上場を果たした。

ところが、上場後、田中は危機的状況に追い込まれる。「独自のビジネスをしたい」と考え、メガネとバッグ等の服飾雑貨を組み合わせて販売する新業態を打ち出すも失敗。さらに、競合店がレンズ変更時にかかる追加料金なしのメガネ販売を開始した。当時、視界のゆがみが少ない非球面レンズや遠近両用等の特殊レンズに追加料金を課していたジンズには、顧客から不満の声が届くようになった。

2008年の決算で赤字に転落、翌年、リーマン・ショックが発生し、メガネ業界も大打撃を受けた。売上、株価ともに低迷が続き、ジンズには事業売却(M&A)の話が持ち込まれるようになった。

打開策が見いだせず、一人悩んでいたあるとき、ユニクロ・柳井社長と面談の機会に恵まれた。その席で田中は、柳井氏から放たれた、ある言葉に大きなショックを受けた。

「志のない会社は継続的に成長できないー」。

「初めてジンズの存在意義や自分が何のために働いているのかを問われた気がしました。経営に志がないまま、『儲かるから』と事業を拡大してきたのではないか。最も大切な『お客様の視点』を失っていたのではないか。どんな製品をつくり、どうすれば利益が上がるのかだけを考えていた私にとって、それは本質的な問題ではなかったのです。目先の製品や価格を変えるだけでは、お客様から本当に必要とされる企業にはなれないと気付いたのです」

柳井氏との面談後、すぐに田中は幹部とじっくり話し合い、「メガネをかけるすべての人に、よく見える×よく魅せるメガネを、市場最低・最適価格で、新機能・新デザインを継続的に提供する」という戦略を策定し、その達成に向け、まず課題であったレンズの追加料金をゼロにすべく、社員一丸となって奔走した。

Profile

1963年群馬県生まれ。1988年株式会社ジェイアイエヌ(現:株式会社ジンズ)を設立し、2001年アイウエア事業「JINS」を開始。2013年東京証券取引所第一部に上場。

慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 修士課程修了。

Contact

株式会社ジンズ

1963年群馬県生まれ。1988年株式会社ジェイアイエヌ(現:株式会社ジンズ)を設立し、2001年アイウエア事業「JINS」を開始。2013年東京証券取引所第一部に上場。

慶應義塾大学大学院 政策メディア研究科 修士課程修了。