信頼と絆、選択と集中の 「ZONE戦略」で 次世代モバイル分野の No.1を目指す

株式会社シーエー・モバイル 代表取締役社長 石井 洋之

株式会社シーエー・モバイル

石井 洋之Hiroyuki Ishii

代表取締役社長

2017.07.04

サイバーエージェントの
DNAを受け継ぎ
時代を担う企業へ
広告・コンテンツ事業を主軸に
現在の5事業から50事業への拡大を目指す

ニッチ分野でNo.1となる事業を、この先10年で10倍へ

インターネット広告代理店最大手の株式会社サイバーエージェント。現在ある80社以上の子会社のうち、最初に設立されたのが株式会社シーエー・モバイルだ。 インターネット広告の分野では、中小企業やベンチャー企業を中心とした販促支援やネット広告全般のマーケティング支援などを行っており、EXILEやAKB48の公式ファンサイト、人気占い師監修の占いサービス、自律神経を整えるアプリ「大人のリラックス塗り絵」、頭痛を予報する「ズキンちゃん」などのヘルスケアアプリ、好きな顔・タイプの異性を探せる恋愛・婚活アプリ「mimi」ほか、幅広いコンテンツを手がけている。「GameWallet」といった自社メディア事業も好調だ。

「2000年の創業以来、インターネットやモバイルテクノロジー領域の中で、どんなサービスが必要とされるのか、何を実現できるのかを考え、形にしてきました。アーティストのファンサイトなど10万人以上ものユーザーが利用するコンテンツを、きめ細やかに制作し、運営できる会社は稀有ではないかと思います。」

こう語るのは、代表取締役社長・石井洋之。

新卒でサイバーエージェントに入社後、広告事業を中心に高い実績を挙げ、グループ会社の社長、本社の取締役を歴任してきた。 2015年、シーエー・モバイルの社長に就任した石井は、「ZONE戦略」を掲げ、独自の組織マネジメントや新規分野への参入に取り組む。 安定した収益が望める「月額サービス」の事業を主軸に、広告、ゲームメディア事業に加え、IT関連企業への投資やM&Aに力を入れ、積極的な事業拡大を進めている。

「現在、事業の柱は5つ。これを10年かけて50個くらいにしたい。一つの事業だけを大きくドンと当てるより、ニッチでもその分野でNo.1の事業をたくさん作る集合体になりたいと考えています。そのNo.1事業を生み出すのは、社員たち。自分で見つけてきた分野でNo.1になって、事業のトップになってほしいと思っています」

石井は、個人の業績においても「No.1」にこだわってきた。その理由は、「何事もNo.1とそれ以下では見える景色が異なるから」だという。例えば、「日本で一番高い山は?」と尋ねられたら、ほぼ全員が「富士山」と答えるが、「二番目に高い山は?」と質問されると、即答できる人は格段に減る。認知度において、一番と二番の間にはそれほどの差があり、仕事においても歴然とした違いが生じると考えているからだ。「“winner-takes-all”といわれているネットビジネスの世界では、トップに食い込まないと生き残れない」という。

「トップに立つことで、初めて見えてくる世界がある。さらに高度な、自分とは違う次元で仕事をしている人たちの存在を感じることができ、彼らを超えていこうという新たな目標につながります。周囲の期待も高まるので、大きな仕事のチャンスにも恵まれる。それに応えようと努めることで、成長スピードも加速します。『No.1』になることは、自分を磨くための好サイクルを生み出すのです」

常にNo.1を目指し、ストイックに課題と向き合う石井。そのスタンスは、水泳やランニング、野球などにいそしんだ少年時代に育まれたようだ。 小学校5年生のとき、石井は、体調不良を理由に学校のマラソン大会を棄権した。3、4年生のときは優勝したが、5年になって水泳とランニングをやめたことで体力の低下を感じ、「優勝できないなら出たくない」と思ったのだ。しかし、この仮病は父に見抜かれた。そのとき言われた「お前、逃げたよね」という一言が、ずっと耳から離れなかった。 翌年、石井は改めてマラソン大会に挑んだ。優勝は逃したものの「向き合ってやり続ける大切さ」を学んだという。

中学・高校時代も野球を続けたが、大学時代はさまざまなアルバイトに打ち込んだ。ある飲食店ではマネジャーを任され、スタッフのやる気を引き出すことで客単価を3倍に引き上げたほか、移籍した先の系列店を半年で売上No.1に導くという成果を挙げた。「同じゴールに向けて、本気で挑戦するチームは強くなる」と実感したのはこの時期だ。

シーエー・モバイル株式会社 代表取締役社長 石井 洋之

人と人の関係の質が高い組織をつくれば、結果の質も高まる

大学3年時、現サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋の本を読んだ石井は、ベンチャー企業に興味が湧き、ITベンチャーの面接を数社受けた。

「『この人の近くで学びたい』と思ったのが藤田社長でした。藤田社長が一番本気だと感じたから。僕は当時から、将来は経営者として世の中に大きな価値を提供する事業をしたいと考えていました。サイバーエージェントは徹底した実力主義で、若くてもマネジメントが経験できる。ここなら自分が成長できると感じ、入社を決めたのです」

入社後、営業部門に配属されると、同期の中でNo.1になることを目指した。得意の電話営業では、「難攻不落」と言われた大手金融会社のアポを獲得するなど、大きな成果を挙げ、その年の新人賞を獲得する。 その後もトップセールスとして活躍したが、大きな苦境に立たされたこともあった。マネジャーとしてチームを率いていた26歳のとき、満を持して臨んだ大手クライアントのプロジェクトで成果を挙げられず、1億円もの損失計上を余儀なくされたのだ。普通の会社であればクビになってもおかしくない失態。「人生終わった」とさえ思った。

それでも「人生をかけて必ず成果を出す」と決意した石井は、粘り強くさまざまな施策を講じ続け、3ヵ月後、クライアントのサービスを業界No.1に押し上げることに成功した。そのクライアントの年間取引金額は、当初は数百万円だったが、現在は200億円を超えるという。「伝説」と呼ばれるようになったこの経験を通じ、「逃げない限り、必ず困難は乗り越えられる」「挑戦することで人は成長する」と実感した。

2007年、石井はSEOに特化した子会社・CAテクノロジーの社長に抜擢された。 ところが、やがて組織内に不協和音が流れ始め、業績は低迷。再び苦境に陥った石井は、新たな組織づくりに着手した。戦略や施策など「やり方」を示す方向から、組織の「在り方」に重点をおくマネジメントに舵を切る。「人の関係の質が高まれば、結果の質も高まる」というマサチューセッツ工科大学教授の理論を参考に、さまざまな取り組みを開始した。 半年に1回は社員総会を開き、成果を挙げた者を表彰。3ヵ月に1回は各自が目標を設計して発表し、トップからもメッセージを伝える。マネジャーがメンバーの活躍や成果に光を当て、全社メールや動画で日常的に紹介する――など、メンバーのモチベーションが上がり、かつメンバー同士が課題や成果を共有できるような工夫をした。

また、組織を「定期的に撹拌しないと凝り固まってしまうコンクリートのようなもの」ととらえ、ジョブローテーションも活発化させた。「成果も大事だが、プロセスもそれと同等に重要」という考えから、日々の勤務を楽しくできる仕組みづくりも行った。 結果、社内の雰囲気が活性化し、業績も飛躍。この「組織の在り方」に手応えを感じた石井は、現在のシーエー・モバイルの運営にも取り入れている。

シーエー・モバイルを引き継いだ石井が感じたのは「社員の闊達さ」。ビジネス感度が高く、事業アイデアも次々と出てくる。大手通信キャリアと取引をしてきただけにビジネスルールを踏まえて向き合う姿勢を持ち、負荷への耐久力も高い。そこに強みを見出した石井は、次のステージに進むために組織のコンセプトを打ち出した。それが「ZONE」だ。

シーエー・モバイル株式会社 代表取締役社長 石井 洋之

Profile

1977年 神奈川県横浜市生まれ 1996年 成蹊大学理工学部入学 2002年 株式会社サイバーエージェント入社 2007年 株式会社CAテクノロジー代表取締役社長に就任 2010年 株式会社サイバーエージェント取締役就任、インターネット広告事業管掌 2012年 株式会社サイバーエージェント執行役員(現任) 2015年 株式会社シーエー・モバイル代表取締役社長就任

Contact

株式会社シーエー・モバイル

東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティウェスト15階 http://www.camobile.com/

週間アクセスランキング