「20代で経営者になる」
夢を叶えるため、
私はベンチャーを選んだ

シーエー・モバイル株式会社 代表取締役社長 石井 洋之

シーエー・モバイル株式会社

石井 洋之Hiroyuki Ishii

代表取締役社長

2017.10.11

マーケットもルールも自分で創れる。会社の成長とともに自分を成長させていける

私が就職活動をしたのは、90年代後半。バブル崩壊後の不況期で、誰もが知る大企業、日本の伝統ある会社でさえ、破綻していくのを目の当たりにしていました。時代は変わっていくのに、大手なら安心という理由で会社を選ぶことに、私は疑問を感じていました。エネルギー産業に従事していた父を見ていても、一時は勢いがありましたが、だんだんと衰退していっているな、と感じていました。

そこで私は、すでに市場が成熟している業界ではなく、これから伸びる分野、つまり成長産業に身を置くべきだと考えたのです。

将来、経営者になることを目標としていたので、まだ人がやっていない分野、これから成長していく業界なら、チャンスがたくさんあると思いました。そして、これから伸びる分野は、自分の目で見極めようと。そんなときに出会ったのが、サイバーエージェントの藤田晋社長の著書、『ジャパニーズ・ドリーム』でした。

この本を読んでから、「ベンチャー企業」に俄然、興味が湧いてきました。当時は、大手から独立したニッチ分野―― ウェディング、メディア、飲食などを中心にベンチャー企業が増えてきた時期です。

その中でも、私はデジタルやインターネットの分野に可能性を感じました。そこで、志望業界をIT系ベンチャーに絞り、いくつか面接を受け、最終的にサイバーエージェントに入社することを決めたのです。

もともと、ITや広告が好きだったこともありますが、サイバーエージェントは徹底した実力主義で、若くてもマネジメントが経験できる環境だったこと、成果を挙げれば給与に反映することが徹底されており、「ここなら自分がもっと成長できる」と感じました。大手企業では、裁量権を持って活躍できるのは40代以降が一般的です。20代でも夢があるし、早くから活躍したいと思っていた私にとって、大手でゆっくりキャリアを積んでいくのは、もどかしかった。ですから、サイバーエージェントの環境は、まさに私の求めていたものだったのです。そして、面接で話した藤田社長からは「本気」と「覚悟」が感じられ、「この人の近くで学びたい」と思ったことが入社の決め手となりました。

実際にベンチャー企業に入ってみて感じたことは、自分が始めたことが新しいルールになるということ、自分でマーケットを創造できるということです。

当時はまだ、FacebookもTwitterも無く、「mixi」という日本で開発されたSNSが主流だったのですが、「ここのログイン画面にタイアップ広告を掲載しませんか」とmixiさんに提案したのは私のチームが初めてでした。誰もがサービスを利用する際、一度は目にするログイン画面に大手通信会社の音楽配信サービスのタイアップ広告を掲載した結果、30万人を誘導でき、広告掲載効果も高く、クライアント様からも大変ご好評をいただきました。当時はベンチャーならではの新しいアイデアを期待されていましたね。

自分が挑戦したことによって、広告の新しいルール、形がつくれたことにやりがいを感じましたし、この仕事は面白いと思いました。

しかし、ベンチャーは未成熟であるがゆえ、営業先からなかなか信用を得られず苦労したこともあります。無名だった時期から考えれば、今では世の中に知っていただく存在になりつつあると感じますが、当時はマスコミによる報道の影響で、クライアントから偏見を持たれていました。その中で仕事をとってくることは、とても大変なことでした。

社内でチームを組み、ナショナルブランドの飲料メーカーや自動車メーカーの大手企業に営業をかけましたが、結局、大手の広告代理店に負けてしまい、失敗に終わりました。  悔しさもありましたが、このときに大手広告代理店と競ったことで、戦う敵が変わったな、と感じましたし、もっと上を目指そうと思えました。

こうして、さまざまなチャレンジをする中、入社5年目で子会社の社長になる機会がやってきました。独立も考えていた私に、「社内ベンチャーの社長」という形で声がかかったのです。私が「20代で経営者になる」という目標を叶えることができたのは、ベンチャー企業ならではの実力主義、挑戦を良しとする環境があったからこそだと思います。

会社選びにおいて、私が考える本当に大切なこと

ベンチャー企業に向いている人は、「考えるより、まず、やってみる」という行動力がある人、行動しながら変化を楽しめる人だと思います。多くの人は怖れやリスクを頭で考えてしまい、動けなくなってしまうものですが、まず動くことができる人は、ベンチャー企業に適していると言えます。変化を楽しみ、対応できる人というのは、営業でもクリエイターでもエンジニアでも、どんな職種でも活躍できるでしょう。

スタートアップや新規事業など、ゼロから何かを始めたい、創り出していきたいという人もベンチャー企業に向いています。

大手企業は、研修制度や社員へのサポート体制が整っており、じっくり成長できる良さがあります。一方、ベンチャー企業は育成に時間や手間をかけられないことが多く、自ら学び取っていかなければなりません。上司や先輩の動きを観察し、盗み取り、自分のものにして、さらにアレンジを加えていく。自分の意志や行動力が大切になってくるのです。

私の場合は、入社時に出した「一番優秀なマネジャーのもとで働きたい」という要望が通り、先輩から学びながら、営業として自分を鍛えることができました。2年目にはマネジャーに昇格し、大手クライアントを開拓する専門チームを作らせてもらいました。

自分が描いたキャリアプランに沿う要望が受け入れられやすい、若くても挑戦できるチャンスがたくさんあることが、ベンチャー企業の良さであり、面白さでもあります。

会社選びにおいて重要なことは、主に3つであると私は考えています。

まず、経営者の思想や価値観、ビジョンに共感できること。何を目指し、どんな価値を世の中に提供していくのか、発信していることに共感できるか。自分自身が納得し、ともに叶えていこうと思える会社でこそ、意欲的になれると思います。

次に、「自分が生涯をかけてやりたい」と思える事業内容であるかどうかです。好きな分野であることはもちろんですが、事業としての可能性を自分が信じられるかどうかを考えてみて下さい。

そして、最後、私が最も重要だと考えているのは「人」です。

社会人になれば、週5日、1日8時間は働くわけです。同僚とは家族よりも一緒にいる時間が長い。脳内シェアも大きくなるわけです(笑)。それを考えると、仲間となる社員たちの人柄、フィーリングは重要です。

私は複数の企業から内定を頂きました。そのすべてにOB訪問をしましたし、内定者や現社員の方と必ず会いました。その上で、「ともに成長できる」と感じられる仲間がいたからこそ、サイバーエージェントに入社したのです。

一見、安定しているように見える会社でも、20年後はビジネスモデルが変わっているかもしれないし、何をしているかわかりません。だからこそ、価値観やフィーリングの合う人とともに成長していくことが一番大切だと私は考えます。

私は、当時、いちベンチャー企業にすぎなかったサイバーエージェントに入ったからこそ、恵まれた経験をたくさん積むことができました。そして、今では多くの先輩方とともにサイバーエージェントグループという成長し続ける企業の中で、そのブランドを創る一端を担えることを嬉しく、誇りに思っています。そして、子会社のシーエー・モバイルをこれからさらに成長させていくことにワクワクしています。会社とともに自身を成長させていく—。これこそが、ベンチャー企業で働く魅力ではないでしょうか。


書籍「インターン・新卒採用の注目企業 」から掲載】


Profile

1977年、神奈川県横浜市生まれ

1996年 成蹊大学理工学部入学

2002年 株式会社サイバーエージェント入社

2007年 株式会社CAテクノロジー代表取締役社長に就任

2010年 株式会社サイバーエージェント取締役就任、インターネット広告事業管掌

2012年 株式会社サイバーエージェント執行役員(現任)

2015年 株式会社シーエー・モバイル代表取締役社長就任

Contact

シーエー・モバイル株式会社

東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティ ウェスト15階

http://www.camobile.com/

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