大切にするのは
「人儲け」の精神。
人と人のつながりから
ビジネスを創出

株式会社TonTon NGU 今川 博貴

株式会社TonTon

今川 博貴Hiroki Imagawa

NGU

2017.03.13

不動産業と飲食業を柱に
ドローンパイロットの
養成スクール事業も展開へ
愛・意志・運・縁・恩を信条に
「人ありき」のビジネスを

人と人とのつながりから生まれた2つの事業

不動産事業、飲食事業の2本柱を掲げ、2013年の創業以来、急成長を遂げている株式会社TonTon(トントン)。

不動産事業部門では、不動産を売りたい人・買いたい人のサポートをはじめ、物件の管理、リフォームやリノベーションを手がける。飲食事業部門では、都内を中心に6店舗を展開。中でも『創作お茶漬け専門店 だよね。』は、純国産オーガニック食材のみを使用した独創性の高いメニューが話題となり、オープンするやいなやTV・雑誌・Webで続々と取り上げられた。フランチャイズ展開を進めており、その範囲を中国・上海へも拡大。2016年には上海市場での上場を果たした。

不動産と飲食。一見、関連性の薄い事業のように見えるが、創業者である今川博貴にとっては共通の軸がある。それは、「人儲け」という理念を追求するために生まれたものであるということだ。

「僕たちが何より大切にしているのが、『人』。そして、人と人とのつながりです。不動産も飲食も、それを実現するための手段に過ぎません。逆に言えば、そうした『人儲け』を目指してきたことが、現在の成長につながっているんです」

「人儲け」の理念には、さまざまな意味が込められている。「人を幸せにする」「人に愛や感動を与える」「人の役に立つ」「人に常に感謝する」「人に頼られる」など。こうした今川の想いが、TonTonの最大の強みである「社員一人ひとりの人間力」を形作ってきたのだ。

今川が「人儲け」の経営にたどりつくまでには、大きな失敗と後悔、地を這うような苦難があった。学生時代から「仲間と一緒に仕事がしたい」という想いを持っていた今川が最初に起業したのは19歳のころ。小・中学生時代に知り合った地元・横浜の仲間5人と、メンズファッションのオリジナルブランドを立ち上げた。当時の流行をふまえ、「自分たちが欲しい服」を作って売り出すと、驚くほどの成功を収めた。

しかし、調子に乗った今川はある失敗をしてしまう。そのショップは先輩が所有するビルに入居させてもらったからこそ支持を得られていたのに、他の販売ルートからの好条件の誘いに乗ってしまったのだ。先輩の怒りに触れ、激しく後悔した。

今川はこの出来事を「人生最大のあやまち」と振り返る。「もう二度と、絶対に人を裏切らない」。教訓が心に刻まれた。

謝罪としてブランドを丸ごと譲渡した今川たちは、ゼロから再起を図る。次に手掛けたのは、ティーンズ誌のモデルたちの情報発信メディアだ。モデルが書いたブログを集めて紹介するという、その後の「読モブーム」を先取りするような画期的な企画。大手レコード会社やファッション誌などから問い合わせが殺到するほど話題となった。ところが、ビジネスとしては成り立たなかったのである。

売上は挙がらないのに、モデルたちには謝礼を支払わなくてはならない。資金はみるみるうちに減っていった。なけなしのお金をかき集めて買った軽トラックで、不要品の回収業をして穴埋めをするはめになった。

当番制で数人が回収作業に出かけ、残ったメンバーは五畳一間の事務所でデスク1台、パソコン1台を使い回して作業する毎日。食事は1日1食が当たり前で、牛丼屋でライスと卵を注文して紅ショウガで食べるのが定番だった。

そんなある日、回収から帰ってきた今川は、ショッキングな光景を目にする。メンバーの一人が空腹に耐えかね、ベランダに置いてあった鉢の土を食べていたのだ。後々聞くと、土ではなく球根を食べていたのだそうだが、そのときの光景は今川に決断をさせた。

その日の夜にメンバーを集め、解散を宣言。「一度、社会に出て勉強し直そう。そして、力がついたら再び集まって何か事業を興そう」と約束し、5人は散り散りになった。

株式会社TonTon - NGU 今川 博貴

人と人のつながりへの「感謝」を心に刻み、再び起業へ

今川が再出発の場として選んだのは広告会社だった。新しい職場に出勤し、まず感じたのは「感謝」だったという。

「これまでは仲間と使いまわしていたデスク、パソコンが自分専用として用意されていた。それだけでもう『ありがとうございます!』と叫びたくなる気持ちでしたね」

その会社では、郵政省と組んでアイドルのキャラクター切手を制作したり、大手紳士服会社のプロモーションを手がけたりと、重要な案件をいくつも経験した。そして、多くの人と接する中で、「ありがとう」と言われることに、これまでにない充実感を抱いたという。

単に利益を追い求めるよりも、人と人とのつながりという財産を大切にしたい――そんな「人儲け」の考え方が深く刻まれていった。

「思えば、僕についてきてくれた仲間は、『解散しよう』と言うまで音をあげず、最後まで僕を信用してくれました。それがどれだけありがたいことだったか、身に沁みてわかった。そして、これからの人生は、決してお金で買うことのできない、そうした人との絆をできるだけ多くの人と築いていくことを目標にするようになったんです」

そんなある日、かつて不義理をして謝罪することになった先輩が、沖縄のホテルの再生ビジネスの話を持ちかけてきた。不動産投資はまったくの素人だったが、「これも勉強」と貯金をはたいて参画。運用戦略が見事に当たり、大きな利益を手にする。

好機と踏んだ今川は、かつての仲間を呼び集め、株式会社TonTonを設立した。解散から5年目の2013年のことである。

不動産事業と飲食事業は、再結集した仲間がそれぞれ培ってきた経験と知恵を持ち寄った結果、導き出されたものだ。

「事業内容は何でもよかったんです。そこにこだわりはない。何を売るかではなく、誰が売るか、だと思っていましたから」

その言葉通り、「人間力」によって顧客の信頼を獲得。事業は順調に拡大していった。

では、今川が言うところの「人間力」とは、どういうものなのだろうか。

「それは人並み外れた能力のようなものではなく、人として当たり前に持っているべきもの。哲学のようなものです。これを社訓として全社員で共有するため、『あ(愛)、い(意志)、う(運)、え(縁)、お(恩)』というキーワードでまとめました。人には運・不運というものがあります。『運』をいい方向に発揮するには、自らの『意志』によってそれをコントロールし、さらにはお客様、仲間、家族、出会ったすべての方々との『縁』によって支えていかなければなりません。そして、その両隣にある『愛』と『恩』を持つことによって、『運』はより強固なものになるのです」

この「あいうえお」は、「順番」にも意味があるという。「う(運)」を引き寄せるには、その前に「い(意志)」が必要であるということ。そして最初は「あ(愛)」から始まるということだ。ともに働くメンバー、取引先、顧客――すべての人に、まず「愛を持って接する」のが、今川の信条だ。

株式会社TonTon - NGU 今川 博貴

Profile

1985年、神奈川県横浜市で生まれる。高校卒業後、資金を貯めて地元の仲間5人とファッションブランドを設立。その後、ティーンズ誌のモデルの情報発信メディアを立ち上げるがビジネス化できずに解散。広告代理店勤務、地方の観光ホテルの投資ビジネスなどの経験を積み、2013年に株式会社TonTonを設立。かつての仲間を再結集させ、独自の「人儲け」理念を旗印に不動産事業、飲食事業を軌道に乗せる。2016年度からはドローンパイロットの養成スクールを「スカイエステート」を江東区潮見で開校した。

Contact

株式会社TonTon

東京都目黒区東山1-5-4 KDX中目黒ビル3F

http://tonton-inc.com/

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