海外では日本代表として仕事をする

アジア・ダイナミック・コミュニケーションズ株式会社

佐藤 大輔Daisuke Sato

代表取締役

 目次

バブル崩壊が始まり

私が現在手がけている事業は2つあります。

ひとつはタイの法務、会計、税務、労務などタイ法人経営の基礎知識を日本国内でレクチャーする仕事です。私自身、タイに対して旅行やビジネスを含めて関わり合いが20年以上になります。この体験に基づいて、海外職業訓練協会(OVTA)や銀行関係のセミナーで講師を務めたり、企業からタイ現地法人の経営コンサルティングを受託したりしています。

タイでビジネスをする場合には、関係省庁や会計・法律事務所と話す機会が多くなりますが、ある程度の専門的な知識がないと、希望していない状況になってしまうことがあります。また、赴任経験のない本社管理部や役員の場合は、現地との間に認識のズレが生じます。私の会社は、そういったギャップを埋めるためのお手伝い、いわば転ばぬ先の杖の役割です。

もうひとつは東南アジアにおける「内田クレペリン検査」の実施です。これは、連続して一桁の足し算をしていくだけで、その人の基本的な仕事のテンポや行動特性を測ることができる心理検査です。最大の特徴は、使用するのがアラビア数字だけという点。数字だけならほぼ全世界共通ですから、どこででも同じ条件で検査をすることが可能なうえ、実施方法は15分計算したら5分休憩、さらに15分計算して終了というシンプルなもの。設問を読まないので、読解力や言語上の解釈に影響されることがありません。この検査は日本オリジナルで、60年以上の歴史を持っています。2007年にタイの高架鉄道会社に営業をかけたところ、運転手適性検査に採用され、2013年からは全社員に実施するようになりました。タイ人のデータはすでに2000人以上集まっており、現在はベトナム人にも実施しているところです。最終的には東南アジアの主要各国で、各1000人分以上のデータを収集するつもりです。

個々人のテンポや行動特性が分かると、どのような仕事をどのようにさせればいいのかが判断できます。また、集団として比較すると、例えばタイ人とベトナム人とでは判定結果が大きく異なります。海外進出企業であれば、漠然とではあっても進出国の国民性は把握していると思いますが、個々のまたは集団の行動特性を数値化できれば、海外展開がより楽に安全になるはずです。

私が新卒で就職したのは1991年、大手流通グループ企業の子会社でした。バブル崩壊にまだ皆が気づいておらず、私の同期は55人もいました。人事部に配属され、翌年は30名以上を採用しましたが、その直後に急激に景気が悪化していきました。

しかし、会社には人事情報・人件費予算作成システムがなく、リストラしようにも、満足なデータがありません。部署でプログラミングできる人間は私だけで予算もないので、データベースソフトのマニュアルを読み込んで、半年くらいかけてシステムを作り上げました。おかげでデータベースには詳しくなりました。

当時よく海外旅行していましたが、日本は経済が急降下して暗い雰囲気に覆われていたのに、タイは経済成長真っ只中で光輝いていました。何度か渡タイするうちにバンコクに住みたい気持ちが強くなり、入社3年半で退職してタイに渡りました。タイ語を学ぶ傍ら、タイ全土を巡り、歴史や文化、美術を知る機会にも恵まれ、タイへの造詣が深まりました。

ただ事情があって、半年ほどで帰国し、紙の広告企画制作会社の営業をすることになります。得意な仕事ではないので、何か自分にしかできないことはないかと模索するうちに、ウェブサイト制作を始めました。そして、タイ国政府観光庁や在京大使館のホームページの仕事を受けたことをきっかけにタイとの関係も復活します。その後は、データベース構築の知識を活かして検索システムを作ったり、社内情報システム開発を任されたりするうちに、SEのような立場となります。

Profile

1968年、東京都生まれ。
1991年立教大学社会学部観光学科卒。2001年、タイで初となる日本人スタッフによる日本向けオフショア・コールセンターの事業開放をタイ政府に提唱。2002年10月にBOI(タイ投資委員会)新規奨励業種として追加が決定、2003年に事業を立ち上げ、150人体制まで拡大。2012年4月に帰国、タイ進出コンサルティングサービスを提供するアジア・ダイナミック・コミュニケーションズ㈱を設立。タイの文化や歴史への造詣も深く、タイ事情全般に精通したコンサルタントとして、最新の実地アドバイスを行っている。2013年6月、OVTA(一般財団法人海外職業訓練協会)国際アドバイザー登録。タイ王国和僑会幹事。

Contact

アジア・ダイナミック・コミュニケーションズ株式会社

〒108-0073
東京都港区三田四丁目1番27号
http://adc-japan.com/