
100年続く鍛冶屋の技術で宇宙産業へ参入 高い技術をオープンにしてつながることが飛躍の条件
株式会社マケレボ
執行役員 管理本部長
髙城 勇太 / Yuta Takagi
株式会社マケレボ管理本部を統率する髙城勇太の仕事内容を一言で表すなら、「営業以外すべて」だ。人事から経理、総務、法務、簡単な広報に至るまで、あらゆる業務をマルチにこなす。その上、管理職である髙城は、ビジョンを示して活躍を牽引するサーバント型リーダーシップでメンバーを率いる立場でもある。月初は予算会に向けて社員の給与や経費を締め、中旬から月末にかけては新卒や中途の採用面接、管理本部メンバーがいる名古屋でのミーティングなどに携わる。そのほか、マケレボ代表取締役社長である髙嶋からのさまざまな依頼にも対応するが、そのほとんどはメンバーの目には見えにくい。会社が当たり前に動き、当たり前に成長していくためのあらゆる仕事を、裏方としてリードしているのだ。
「そもそも、管理自体が『やって当たり前』の仕事ばかりなんです。たとえば、給料は1円のズレもなく期日通りに振り込まれて当然ですよね。わかりやすい目標があって、それを達成すれば褒められるというわけではありません。その中で、現場のメンバーがモチベーションを保てるように配慮しています」
確実に、淡々と業務を進めることが最大の役割である一方で、ベンチャー企業ならではの「想定外」への対応も管理本部の腕の見せ所だ。通常の業務に7割の時間を充て、残りの3割を来たるべき未来への準備に充てている。
「今の時点で入ってきている情報から先々に起こり得ることを予測して、できるだけ先手を打って動いておくんです。パズルのピースのように予測がぴたりとはまったとき、何ごとにも代えがたいやりがいを感じます」
管理本部において、ベテランともいうべき手腕を発揮する髙城だが、社会人生活はまったくの異業種である鳶職からのスタート。金髪に派手なニッカポッカを着て強面で街を闊歩する、やんちゃな少年の面影を残し鳶の世界に飛び込んだが、22歳という年齢で新たな一歩を踏み出す決意をした。満を持してある会社の求人にエントリーしたが、結果は不採用。諦めきれず、「アルバイトでもいいから」と粘って、最終的には正社員採用を勝ち取った。
「大学に行った仲間が新卒で入社する23歳になったら、自分も将来につながる仕事をしようと決めていたんです。それで採用試験を受け、なんとか内定をもらった会社で就いたのは営業職。とにかく朝から晩まで電話をかけ続けました。一般的にはきついと言われるようなことも、自分で決めたことですから苦にならなかったですね。むしろ、若いときに頑張った分は、将来返ってくるはずだと思っていました。実際、執行役員という立場で仕事ができている30代の今は、20代の頃のがむしゃらな頑張りが土台になっていると実感しています」
現社長の髙嶋をはじめ、マケレボの主力メンバーと出会ったのも、初めて勤めたこの会社だった。その後、髙嶋が大阪で立ち上げたマケレボに管理職として参画。設立から10年が経つマケレボだが、髙城は「今なお発展途上」だという。
「社員の年齢的にも、組織としても、まだまだ若い会社です。良くも悪くもできあがっていないから、みんなでより良い方向性を考えながら少しずつ進んでいるという感じですね。それが結束力の強さにもつながっていると思います。今後は、雰囲気や距離感はそのままに、会社を10倍、20倍の規模にしていきたいです。私自身も、今まで通り、必要とされる場所で価値を提供し続けていきたい。規模は大きくなったけど、良い意味で変わらないと言われる会社であり人でいられたらいいですね」
インタビュー・編集:垣畑光哉、藤巻史/撮影:石本文子
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