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ストーリー代表・CEO

ミッションは「人類の進化に貢献」。最先端のアプリで情報伝達を高度化する

代表_からくり

「カンブリア爆発」が
現代でも起こる!

アプリに新たな価値を付加する
フルスタックエンジニア集団

からくり株式会社
代表取締役社長
中本 悠太 / Yuta Nakamoto

「情報伝達」のアプリケーション開発にこだわる

「想像できないことを創造する」をモットーとするからくり株式会社。クライアント企業からの依頼に応じ、アプリケーション開発を手がける企業だ。ポータルサイトのニュースアプリ、店舗のクーポンアプリ、世界的人気アニメの動画視聴アプリ、少年誌のマンガ配信アプリなど、ジャンルは多様。代表取締役の中本悠太は「従来にない、少し変わった形で提供するのがこだわり」だと言う。

例えば、大手眼鏡店チェーンのアプリでは、顔写真解析技術を搭載し、バーチャルで眼鏡の試着ができる仕立てにした。自分の顔写真を撮り、好みの眼鏡を試着すると、AIがどれだけ似合うかを判定してくれるものだ。

写真フリーマーケットアプリは、顧客とともに新規事業の企画から携わった。スマートフォンで撮影した写真を投稿し、欲しいと思った人が買うと、投稿者に報酬が入る仕組み。セミプロの人が投稿し、Web制作会社やメディアなどが買うケースが多いという。

また、大手結婚情報会社向けに、結婚式までの段取りを管理するアプリも開発した。結婚式準備は、決めること、やらなくてはいけないことがとても多い。このアプリでは、新郎新婦もウェディングプランナーも入力できるので、タスクの一元管理が可能だ。

からくりの社員は、ほぼ全員がフルスタックエンジニア。サーバもアプリケーションも理解しているため、機動力が高く、スピードが速い。クライアントにとっては最初から直接エンジニアと話せるのでコミュニケーションがスムーズ。打ち合わせの場でサッと修正することもできてしまう。

さらに、中本自身のコンサルティング力も大きな強みだ。中本は、顧客から「こうしたい」と言われたことをそのまま実装するのではなく、「事業をどう進化させたいのか」という本来の目的に立ち、それをふまえた提案・開発を行う。

そもそも中本が実現したいのは、「人類の進化に貢献すること」だ。何やら壮大に聞こえるが、すさまじいスピードでテクノロジーが進化し、私たちを取り巻く環境がここ10年でも激変していることは、誰もが実感しているだろう。

「人類の進化のドライブがかかったのは言葉が生まれたときだ」と、中本は考える。言葉でコミュニケーションをとり、知識や情報を伝達できるようになった。その後に文字が生まれ、その場にいなくとも知識や情報を伝達する手段を人類は獲得した。さらに情報を記録に残す印刷技術ができた。現代社会では情報伝達ツールとしてラジオや電話、テレビが現れた。PCが普及し、インターネットの時代の到来で検索エンジン、SNSが登場した。

「人間が最初にタッチする情報のインターフェースが、世の中に影響を及ぼすと思っています。だから、僕たちは情報を伝達するアプリにこだわる。この先、音声入力端末やウェアラブルデバイスが情報のインターフェースとして主流になれば、事業領域もそちらへシフトしていきます。僕は、古代、生物が一気に進化・多様化した『カンブリア爆発』が、現代でも起きると考えています。カンブリア紀に生物が目という器官を獲得し、外部から入ってくる大量の情報を処理するために脳が進化し、多様な生物が生まれ、進化しました。現代では、新しい器官としてスマートデバイスやIoT機器の情報のインターフェースを人間は獲得できたと言え、大量の情報を処理するため、今後はAIがその役割を担うのではないでしょうか。これから100年単位で、人間の生活の仕方は大きく変わっていく。それに向けて自分たちが貢献できることは何かを考えています」

10代で描いた「火星に人類のユートピアを」構想

広島で生まれ育った中本は、幼稚園の頃から新聞を毎日読む子だった。平仮名しか読めないので、漢字は親に聞きながら読み進めた。次第に、「この記事に対して、僕はこう思う。お父さんとお母さんはどう思う?」と問いかけるようになった。

「この頃から、新しい情報を得ることやその手段に興味があったのかもしれませんね。疑問に感じたことは何でも大人に聞いていましたから、両親や先生からすると面倒だったかもしれません(笑)」

皆の期待を背負うことに喜びを感じ、リーダーをやりたがる子どもでもあった。「皆にはできないけど、僕にはできる」という自負があった。

「人類の進化に貢献したい」という想いは10代の頃からあり、「宇宙飛行士にもなりたい」という想いもあいまって、火星に人類のユートピアを作ろうとも考えていた。現状ではどこの国であろうとも、良いことをしても評価されない人もいれば、悪いことをしても罰せられない人もいる。でも、あらゆる情報が徹底的にトラッキングされた新たな文明を作り、大量の情報をもとに評価すれば、本当に公平な社会が作れると考えたという。

高校時代には、その目標から少し遠回りして、お笑い芸人になるか、その目標を直接的に目指すべく経営者になるかで悩んだ。クラスメイトに相談すると、「自分が思っているほど面白くないよ(笑)」とバッサリ。ずっと一緒にいる友達にさえ、その道は向いていないと言われたのなら仕方がないと思い、経営者として生きる覚悟が決まった。起業すると心に決めた中本は、いてもたってもいられず高校を中退した。

システム開発会社でアルバイトをしつつ、起業に向けて最初に行ったのは、事業プランをベンチャーキャピタルにプレゼンして回ることだった。しかし、まったく相手にされないまま、2年が過ぎる。20歳の春、アルバイト先の先輩の転職に便乗し、着の身着のままで上京した。お金がなくて食事はインスタントのコーンポタージュのみ、1日に食べる唯一の固形物がクルトン、という日もあった。

道が拓けたのは、経営コンサルティング会社の社長との出会いがきっかけだった。「同じ広島県出身の経営者だから相手にしてくれるのでは」と、今振り返ると甘い期待を胸に会いに行ったところ、「面白いやつだ」と、カバン持ちをさせてもらえることになったのだ。

「あらゆる業種・規模の企業に出入りさせてもらい、1年も経つと、物事を抽象化して考える能力が身に付いていました。情報を俯瞰して、体系立てて整理し、うまくいく方法を見つけられるようになったんです。この経験が今に活きています」

23歳のとき、金融機関や通販業界へシステムを提供する会社の執行役員に就任。事業開発担当として新規事業の立ち上げや、営業組織と運営体制の整備を任され、成果を挙げた。

その後、24歳にて「からくり株式会社」を設立。社名には「世の中をより良く便利にする『からくり』を提供する」という想いを込めた。

「中本悠太の会社」ではなく、「みんなの会社」にしたい

創業当初から、スマートデバイス向けのアプリケーション開発を事業とすることに決めた。中本は10代の頃からプログラミングを始め、Webページを自ら作った経験があり、これから先はスマートデバイスが情報のインターフェースになると見込んだのだ。

ところが、会社設立から4年目、壁にぶつかる。当時3人いた社員が全員辞めたのだ。

メンバーの不満は開発体制にあった。それまでは中本自身が全案件にかかわり、120点の結果を出すことにこだわっていた。しかし顧客からは評価されても、補助や一部業務しか担えないメンバーたちは満足感を味わえていなかったのだ。

そこで、新たにメンバーを迎えて再出発する際には、70点の仕上がりでも、メンバーに任せようと決めた。そして成果の平均点を上げるため、しっかりした教育カリキュラムを作って研修に時間を費やすほか、先輩から後輩へのフィードバックの活発化も図った。すると、メンバーの経験値が上がり、徐々に80点、90点レベルへと向上。「1人で120点取るより、10人の各メンバーが90点取る方がより大きな仕事ができる」と実感したという。

そして中本は、運営方針や組織体制だけでなく「自分」も変えた。改革前に会社を去ったエース社員の、「中本さんが友達だったらよかった」という言葉が刺さっていたのだ。

創業当初、社員が全員年上だったため、中本は「ナメられてはいけない」と、仕事上の付き合いだけのビジネスライクな対応をしていたという。しかし、経営者仲間から「お前の良いところは、お酒が入ってからだぞ」と言われた。「考え方を180度変えてみよう」と決め、自分をオープンにしてメンバーとコミュニケーションをとるようになった。

「人が変わったようにみんなとしゃべるようになりました。社員と食事したり、飲みに行ったりすることも増えた。僕はお酒が入ると『昭和の親父』のダメな部分を凝縮したようなキャラになるんです。熱くて、くどくて、お酒と女性が好きな…(笑)。社員には迷惑かもしれませんが、素をさらしてます(笑)」

「からくりで働くのが楽しい」と思われるような組織にする――それが中本の目標だ。働く時間は、人生の大部分を占める。仕事が楽しければ、人生が楽しい。社員はもちろん、その家族や友人にとっても、魅力的な会社でありたいと言う。

「早く『僕の会社』ではなくしたいですね。今は株式も100%僕ですし、取締役も自分だけ。まさにプライベートカンパニー状態です。業績は安定しているので、成長を目指さず、悠々自適にダラダラ生きる、という選択肢もあります。でも、それが楽しいとは思えないし、それを良しとしないメンバーに囲まれていたい。会社が成長し、みんなが当事者意識を強め、彼らにとって『僕たちの会社』になることが理想です。『あなたは社長にふさわしくない。外部からリーダーを招く。または、自分たちの中から新しいリーダーを立てる』という発言が出るくらいでもいい。もちろん、そうならないように僕もみんなと切磋琢磨し続けます」

 

リスナーの目線

とにかくよく笑った取材でした。(芸人の道へ進んでもイケてたかも?)。「火星にユートピアを作る」「カンブリア爆発が現代で起きる」など、突飛な話に驚かされましたが、それは発想に限界がないということ。枠にとらわれず、「そんなの無理」と思わないからこそ、可能性を広げられるのですね。そして、クールな話しぶりの反面、飲むと「昭和の親父」。そんな二面性も周囲の人を惹きつけ、「中本さんと一緒に働きたい」と思わせるのでしょう。

インタビュー・編集/垣畑光哉青木典子天田有美 撮影/平山諭

Profile

1985年、広島県出身。起業するために高校を中退。20歳のとき、経営コンサルティング会社社長のアシスタントとして、企業向けの研修コンテンツ制作などを経験。23歳のとき、システム会社の執行役員に就任し、新規事業担当や営業開拓を務める。2010年、からくり株式会社を設立。

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