
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
河西 祐介/Yusuke Kawanishi
一般社団法人REIONE
代表理事
イントレプレナー(社内起業家)向け事業を、主に二つ展開しています。
一つは、REIONEに所属するメンバー同士が交流を深められる場の提供。新規事業を経験して得た知見をシェアするトークイベントや、インキュベーションセミナーを定期的に開催しています。
もう一つは、各メンバーのスキルを活かせる領域での新規事業づくり。企業や自治体といった共創パートナーと協業し、収益性を確保したサービスへと発展するケースもあります。
現在所属している会員は70名ほど。企業内で何らかの新規事業立ち上げやサービス開発に携わった経験を持っているということ以外、バックグラウンドはそれぞれ異なります。
多様性に富んだ集団だからこそ、メンバー間でシナジーが生まれますし、社会的にも価値ある事業を創出できるのだと思います。
当法人は、ほかと違い「紹介制」での入会をメインに、コミュニティーを運営しています。これまで、既存メンバーのつながりによって輪を広げてきました。
それぞれのメンバーの年齢やバックグラウンドはバラバラでも、新規事業に抱える想いや姿勢には相違がありません。同じベクトルを持っているからこそ、自然な形でプロジェクトや新しいビジネスが創り出される点は、REIONEの特長であり強みだと思います。
実は、人生の中で起業や独立を考えたことはなかったのですが、いくつかの偶然が重なり、REIONE設立に至りました。
事務用品の通信販売企業に勤めていた前職時代をはじめ、新規事業の立ち上げをいくつか経験していた私は、いろいろな企業で新規事業を創出するキャリアパスを思い描いていました。しかし、仕事と並行して通っていたビジネススクールで「エフェクチュエーション」という理論を学んだことで、少しずつ心境に変化が表れます。従来の経営学とは少し異なる一面を持つその理論では、知識や経験、スキル、人とのつながりなど、自分のリソースを最大限に活かして新しいゴールを目指すアプローチを推奨しています。
このエフェクチュエーション理論を実践しようと思い立った私は、人脈づくりとしてさまざまな社外交流会へと通い始めました。その中で、のちのREIONE立ち上げメンバーとなる2人と出会います。それぞれとは違う場で出会ったのですが、「職業もタイプも真逆の2人を引き合わせたらおもしろいことが起きるのでは?」と直感的に思ったんです。
すると勘は的中。初対面から意気投合し、3人で自分たちの実現したいことや夢を思い思いに語り合いました。こんなふうに、社内起業を目指す人たちが、企業の看板や社内でのポジションを外したうえで想いを共有し、新しいビジネスを生み出せる場があればいいと思い、REIONEとしてスタートを切ることにしました。
まずはメンバーファーストのコミュニティとして、一人ひとりが自己実現できる環境づくりに磨きをかけたいと思います。
社内起業家という立場は、組織上のルールや条件によっては自分のアイデアを形にできない場合もある。しかし多様性に富んだメンバーが揃うREIONEであれば、構想を現実にしてくれる仲間と出会えるかもしれません。
また最近では、パートナー企業との共創事業に対する評価も高まっています。私自身、DXによる地方創生に可能性を感じていることもあり、今後はメンバーが持つスキルを発揮し合いながら、新しい領域でもチャレンジしていきたいですね。
公開日:2022年10月24日
インタビュー・執筆:堤真友子/編集:寺澤順子
撮影:田中振一
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