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ストーリー代表・CEO士業(司法系・会計系・コンサル系など)

たゆまぬ努力で日豪の架け橋に。日本人のオーストラリアでのビジネスを法律の知見とプロ意識で支えていく

代表_ハーディング法律事務所

日本語でオーストラリアのリーガルサービスを提供。環境の変化に柔軟に対応しながら、新しい歩みを進めていく

ハーディング法律事務所
代表取締役・弁護士
ハーディング 裕子 / Yuko Harding

プロ意識と迅速丁寧なサポートを真髄に。
オーストラリアでビジネスをする日本人を支えて10年

オーストラリアの観光保養地として名高いクイーンズランド州ゴールドコースト。この地に拠点を構えるハーディング法律事務所の代表ハーディング裕子は、オーストラリアの弁護士資格を保有し、日本人顧客にオーストラリアのリーガルサポートを日本語で提供している。

「2003年にオーストラリアの弁護士資格を取得して、弁護士事務所に勤めた後、2012年に独立しました。オーストラリアの弁護士事務所は、商標や商法、不動産、あるいは相続といった専門分野に絞っているところがほとんどです。それに対して、私の場合は日本人顧客専門をうたっており、幅広い分野の依頼に対応しています。活動地域もクイーンズランド州に限定せず、シドニーがあるニューサウスウェールズ州やメルボルンが州都のビクトリア州なども対象にしているため、それらの地域にもたくさんのクライアントがいます」

法人からの依頼内容は主にオフィスのリースを中心とした契約業務やビジネス売買、個人からは不動産売買契約のほか、遺言書作成や相続手続きなど。オーストラリア在住の日本人や日系企業だけでなく、日本在住のクライアントも多く、法人のオーストラリア進出の支援、個人投資家の投資用不動産売買などの依頼に対応している。

日本とは異なり、オーストラリアでは契約書が存在する取引はすべて弁護士が介入する。契約案件に対する当事者意識や利益相反にとてもシビアで、日本では不動産契約時に一人の司法書士が売主と買主の両方に付くことが一般的だが、オーストラリアでは双方に弁護士が付く。

「クライアントに『それも弁護士さんにお願いするのですか?!』と驚かれることも多いですね。法律面での違いだけでなく、商習慣や気質の違いも大きいですし、それらの要因がビジネスの障害にならないように、迅速で丁寧なサポートを心がけています。

コロナ禍を機にDXをさらに推進。
リモート秘書を活用して、急増した依頼に対応

オーストラリアにおける新型コロナウイルスの感染状況は、地区による違いが大きい。シドニーやメルボルンではロックダウンが何カ月も続いたのに対し、ハーディング法律事務所のあるクイーンズランド州では、デルタ株の侵入を阻止し、ロックダウンも1週間程度で済んだ。

「クイーンズランド州は比較的平和でした。それに加えて物価も不動産も安いことから、シドニーやメルボルンから転居してくる人や投資物件を買う人が急増しました。物件在庫がほとんどなくなっています。この国で18年間弁護士をしていますが、これまで見たことがないほどの不動産ブームが起きています」

クイーンズランド州に住んでいる日本人の若い家族が「今買っておかないと手が届かない価格になってしまうかもしれない」と家を購入するケースも生じており、ハーディングへの依頼も急激に増えているという。

一方で不動産ブーム以上にハーディングを驚かせたのは、日本在住クライアントからの代理案件の増加だった。

「オーストラリアは銀行のコンプライアンスがとても厳しく、本人が直接窓口で手続きをしなければ何もできません。ネットバンキングはあるものの、年配の方などは、毎年オーストラリアに来て定期の更新などをしておられました。しかしコロナ禍で、永住権や国籍を持たない方は入国できなくなりました。そのため私が代理人委任を受けて銀行に赴き、口座を解約して日本に送金するといった依頼が予想を上回るペースで増えたんです」

対面での打ち合わせや署名手続きができない中での案件の急増に、ハーディングはDXを推進することで乗り切った。パンデミック発生以降、日本在住者からの新規依頼はオンライン面談で受け付け、その後の手続きはメールや電話などで進めている。

「以前は2カ月に1回は日本に出張して、東京のオフィスで面談や署名手続きを行っていました。ただコロナ禍になる前にも、メールやZoomを使用してクライアントとは連絡を取っていましたし、対面業務ができないことでの支障はあまり感じていません。もちろん直接会えるに越したことはないですけどね」

オーストラリアでは4年ほど前から不動産売買に関して電子決済が導入されており、ハーディング法律事務所でも適用していた。さらに電子契約や電子登記を導入、秘書業務も日本在住の日本人リモート秘書に依頼している。

「以前から進めてきたDXをコロナ禍で加速させました。今後もオンラインでの本人確認システムなどを導入して、さらに推進していく予定です」

YouTubeでオーストラリアの幅広い情報を毎週発信。
信頼性の高さが問い合わせの急増につながる

パンデミック発生後、ハーディングが力を入れたことがもう一つある。YouTubeを活用した情報発信だ。

「クライアントとは、ビジネスコンサルに近いお話をすることもあります。コロナ禍になって『大家さんから家賃の減額について手紙が来たけれど、どうしたらいいのか』といった質問が相次いだ時期がありました。そういった、オーストラリアでビジネスをする上で基本として知っておいた方がよいことを発信してみようと考たんです」

2020年5月に、オーストラリア政府の新型コロナウイルス対策関連法を解説するFacebookライブを実施。その場で質問してもらえるようにとライブ配信にしたが、リアルタイムの視聴者は少なかったため、6月からはYouTubeに変更。「豪州弁護士ハーディング裕子のリーガルチャンネル」と名付け、定期的に動画を公開し始める。

「当初は法律周りを中心に発信しようと思っていましたが、続けていく間に、日本とオーストラリアにまつわるさまざまなテーマを取り上げるようになりました。法律以外のことについて発信するには、日豪の違いをきちんと調べて学ぶ必要があり、結果的に自分の勉強にもなっています」

2021年は、毎週欠かさずに配信を続けた。その内容は、コロナ禍によるオーストラリアの社会状況の変化や不動産市況、SDGs、新しいビジネス領域の紹介など多岐にわたる。視聴者からのコメントにも丁寧に対応しており、客観的で役立つ解説といった評価を得ている。

「マーケティングのためではありませんでしたし、今も自分の勉強を主目的として続けていますが、『YouTubeを見て』と新規の方から問い合わせや依頼をいただくようになりました。従来は既存クライアントからの紹介がほとんどでしたから、今まで届かなかった人にも届き、存在を知っていただいたり、問い合わせをいただいたりするのはうれしいですね」

忙しい業務の中で時間を作り、新しいことを学んで毎週発信するのは並大抵のことではない。だが、ハーディングは「頑張ることは苦にならない。むしろ好き」と顔をほころばせる。

「子どもの頃からピアニストを目指して、コツコツと練習を重ねてきました。大阪芸大卒業後、ピアニストの道は選びませんでしたけれど、粘り強く努力する習慣はその後の人生に役立っています。オーストラリアの弁護士資格の取得や、弁護士事務所勤務時代に成果を上げて自分の事務所を立ち上げられたのも、努力をいとわずに頑張れる力がベースにあったからだと思います」

起業家ネットワークの代表や法律以外の分野にもチャレンジ。
粘り強く努力を続ける力と柔軟性で未来を切り拓く

ハーディング法律事務所は、2022年6月で10周年を迎える。区切りのタイミングで、理念の言語化を進め、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を制定した。

「ミッションは『日豪の架け橋となって、日豪社会に貢献する』、ビジョンは『プロ意識と実行。最善の結果を出す』。プロ意識は常に持っていますが、その上で頑張るのは当たり前。どれだけ頑張っても良い結果を出さなければ意味がないと思っています。

そして、バリューは『スピーディーな対応と誠心誠意』。クライアントを不安にさせないために24時間以内に何らかの返信をすると約束しており、それは弁護士になって以来、18年間実行しています」

ハーディングが事務所のMVVを決めたきっかけは、自分を見つめ直すことになった二つの経験だ。一つはYouTubeで発信するために、多様なテーマを学んだこと。新たな視点を得て、あらためて「自分とは」を考えるようになったという。

もう一つは、海外で活躍している日本人起業家のネットワークWAOJE(ワオージェ)。ハーディングはWAOJEの本部理事を務めており、2022年4月からは本部代表に就任する。多様な分野で活躍しているメンバーに、責任者として「自分は何者であるか」を説明する必要性が増していく。それらは自分を振り返り、考える機会となった。

「コロナ禍以降、海外に出る、海外に興味がある日本人起業家が増えて、WAOJEのメンバーは480名ほどになりました。ポジティブな方々ばかりで、支え合って刺激し合える大切な仲間です。以前はオーストラリアにいても日本しか見ていませんでしたが、他国にいるWAOJEメンバーから話を聞いて、視野が大きく広がりましたね」

同メンバーから情報を得て、2021年10月、世界中に約1万5千人が在籍する起業家団体「Entrepreneurs' Organization(EO)」にも入会した。「勉強の場です。さらに視野が広がりました」とハーディングは表情を引き締める。

以前は法律の世界から出ることは考えていなかったけれど、WAOJEやEOで刺激を受けたことで、新しい事業にも取り組んでいきたいと思うようになったという。

「変化の激しい時代には、柔軟性を持つことが大切です。私はオーストラリアに来る前、3年ほどスウェーデンにいました。その国や土地、異なる環境に順応する力はある方だと思っています。コロナ禍のような状況でも、今までのやり方などに固執せず、柔軟に対応していけば、歩みを止めずにいられると考えています」

公開日:2022年3月31日

Profile

豪州弁護士(クィーンズランド州弁護士会所属)、ハーディング法律事務所(YH Legal Pty Ltd)代表取締役。兵庫県西宮市出身。大阪芸術大学卒業後、スウェーデンへ移住。その後、オーストラリアへ移住し、ボンド大学で応用言語学修士ディプロマ卒業、在学中は日本語課講師として勤務。その後、クィーンズランド工科大学法学部卒業、ボンド大学法学部修士ディプロマ卒業。2003年9月にクィーンズランド州高等裁判所から任官を受け、豪州弁護士資格を取得。地元法律事務所で9年間の実務経験を経て、2012年7月に独立、ハーディング法律事務所を開業。

ゴールドコースト日本商工会議所 元会頭、現理事

EO Brisbane所属(唯一の日本人起業家)

シドニー日本商工会議所 準会員

The Australian Network for Japanese Law 会員

Queensland Japan Chamber of Commerce and Industry (Inc.) プレミアム会員

ゴールドコースト日本人会 会員

Japan Community of Queensland Inc. 会員

WAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)会員


Contact
2707 Level 7 Southport Central Commercial Tower 2, 5 Lawson Street Southport QLD 4215 Australia

Staff

インタビュー・執筆:ひらばやしふさこ/編集:浜田みか

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