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「人」「食」「社会貢献」を起点にビジネス総合力を身に付け、即戦力として活躍
導入企業700社以上の実績
徹底的な顧客データベース構築で
法人営業を効率化
「営業の自動化」を目指し、
営業活動の質を高め、売上アップに貢献
SALES ROBOTICS株式会社
内山 雄輝 / Yuki Uchiyama
代表取締役社長 CEO & Founder
「営業」は多くの会社にとって不可欠な仕事だ。そして、「顧客のニーズに合った提案をして感謝される」「信頼関係を築き、パートナーとして長きに渡ってお付き合いができる」など、喜びや楽しさを感じられる仕事である。
しかし、その一方で、営業はつらく厳しい仕事だと言われる。特に新規開拓営業は、電話やメールによる不特定多数へのアプローチが中心であり、マンパワーやコストをかけても成果に結びつかないケースが多く、心が折れそうになるものだ。
そんな営業活動の在り方を変えたいと立ち上がったのが、「テクノロジーで、営業をもっとスマートに!インサイドセールスをすべての企業へ!」をミッションに掲げるSALES ROBOTICS株式会社。創業者であり、代表取締役社長CEOを務める内山雄輝は事業への想いをこう語る。
「私は『営業の本質』とは『今買ってくれるお客様を見つける』ことだと考えています。そのためには、商談の前にいかに最新の顧客情報を収集できるかが重要。例えば、相手が求めている商品やサービスに加え、予算や検討している競合製品、決裁者は誰かなど。あらゆる角度から情報を集め、ターゲットを定めてアプローチすることでリード獲得から商談、受注までの成功率を上げることができる。私たちは、そのための顧客データベースを構築する営業支援クラウドを開発・提供し、日本の営業活動を本質から改革していきます」
SALES ROBOTICSの主幹事業は「SALES BASE」「IT BASE」の2つ。「営業」「IT」の観点から、企業が抱えるさまざまな課題を支援している。
主力である「SALES BASE」は、営業担当者が商談のチャンスを獲得するために必要なプロセスをすべて解決し、「営業が楽になる仕組みづくり」を実現するインサイドセールス管理システムだ。その特徴は、最新技術を活用した独自のデータベースとインサイドセールス(電話やメールなど内勤で行う非対面の営業活動)を組み合わせている点にある。
営業代行を行う会社は数多く存在するが、そのほとんどは、インサイドセールスのみ、システム構築のみ、データ分析のみのいずれかを主体としている。これらの全てが組み合わさって徹底的にシステム化されているのはSALES BASEだけだ。
その仕組みは、データベースの活用が鍵となっている。400万社以上が登録されている同社のデータベースから、クライアントにターゲットとなる企業群を設定したり、大量に眠ってしまっている名刺情報などをSALES BASEにインポートしてもらう。そこで様々な条件でリスト化された企業群へ適切にアプローチするために、コンサルタントがサポートに入りつつ営業戦略を設計し、アプローチリストやトークスクリプトを調整。準備が整ったら、あとは待機しているだけでSALES BASEがインサイドセールスを実行して情報収集を行う。顧客の反応や興味レベル、担当者やキーマンを調査し、受注案件の確度を精査した上でナーチャリング(有望な見込み客への育成)まで担う。
こうして集められた情報は、すべてクラウドシステムであるSALES BASE上で管理され、データとして蓄積される。蓄積されたデータは独自のロジックのもと解析にまわされ『商材を売りたい企業のデータ』と『自社に合う商材を探している企業のデータ』のマッチング、つまり今営業するべきターゲット選定の精度向上に再利用される。
SALES BASEを活用し続けることで、企業の営業担当者は、新規開拓先のリスト作成や電話営業に時間をかけずとも、すぐに営業できるリードや商談アポイントの獲得を自動化することができる。訪問と商談だけに集中できるようになるため、受注活動や顧客のフォローなど、本来の営業業務に時間を費やせる。営業活動の効率が上がれば、長時間労働の改善にもつながる。SALES BASEは、営業活動の効率化だけではなく、「働き方改革」の一翼を担うサービスでもあるのだ。
幼い頃から英語に興味を持った内山は、独学で学び続け、高校は英語科に進んだ。そこで優秀な成績を収め、大学入学後は翻訳家を目指す。しかし、いざ翻訳を始めてみると、思うように進まない。「自分にはセンスがない」と痛感した内山は、早々に翻訳家になることを断念。落ち込んだが、第2外国語で学んでいた中国語の習得に気持ちを切り替えた。
学びの過程で、内山は多くの中国人と接し、文化や国の情勢に理解を深め、中国が持つ経済市場の大きさ、発展の可能性に気付く。しかし、日本の企業は駐在員でも中国語が堪能な人は少なく、中国の文化や国民性について関心が薄いと感じていた内山は、「日本は中国市場展開で世界に取り残される」と危惧した。日本が中国でビジネスを成功させるためには、日本人も基礎的な中国語力を身に付ける必要があるという考えに至った。
内山は、母校の早稲田大学の研究所が開発した中国語習得ノウハウをソフトウェア化し、クラウドで学べる中国語e-ラーニングシステム『超速中国語』を開発。その販売会社として2004年、大学卒業と同時にSALES ROBOTICSの前身となる株式会社WEICを設立、自ら営業に奔走した。徐々に顧客を獲得し、起業から5年目には、超速中国語の導入社数は500社を超え、中国語の教育システムとして企業間で広く認知されるようになった。
ところが当初描いたビジョンに陰りが出る。内山は、「基本の語学、文化の教育を行えば、対中国における日本企業の営業力も同時に上がる」と考えていた。しかし、現実はそうならなかった。この事実に直面すると「ならば、営業が苦手な日本人を『売れる営業』にしよう」と発想を転換。難しいとされる法人営業を自動でできる仕組みをITで作ろうと決意する。事業化に向けて、内山は、営業担当者が一番求めているものは何かを考え抜き、それが「商談チャンスの獲得」であることにたどり着いた。
「僕自身も営業で苦労した。多くの営業担当者が苦戦する最初のアポが、自動的に自分の手帳に勝手に入ってくるようになれば、どんなにいいだろうと思ったのです。しかも、受注が見込める精度の高いリードなら、なおうれしい。こんな理想を実現したいと考え、会社の事業内容を変更して、今後10年の間に実現させようと決めたのです」
「営業の自動化」を目指し、内山が真っ先に研究したのは欧米の営業スタイルだった。
主にアメリカでは、一連の営業活動は、マーケティング部門、インサイドセールス部門、商談を行う訪問営業部門に分かれており、その活動実績は全てデータとして顧客管理システムに登録されている。そのため、効率がよく、担当者が変わっても引き継ぎが容易だ。
一方、日本の営業の多くは、お客様の発掘、テレアポ、受注活動、顧客のフォローまで1人の営業担当者がこなすため、営業担当者1人あたりの負担も大きく、非効率だ。未だ気合と根性の精神論で語られる日本の営業と、データを有効活用して効率的に実施する欧米の営業スタイルに大きな差を感じた内山は、営業の効率化を図り、世界で勝てる営業スタイルを確立すべく2014年、満を持して「SALES BASE」をスタートさせた。
創業から15年目を迎える2018年7月、内山は「SALES BASE」事業に集中するため、創業時から発展させてきた語学教育事業(HR BASE)を譲渡。10月には社名を株式会社WEICからSALES ROBOTICS株式会社へ変更した。新社名には法人営業の未来をテクノロジーで改革するという想いを込めた。
「私たちは最先端の技術とデータを持つ業界のフロントランナーであると自負しています。でも、営業にとって大切なのは『いい物を提供したい』『お客様に満足してもらいたい』という『情熱』なのです。だからこそ、最新のITだからといって奢ることなく、暑苦しいほどの情熱をもって、クライアント企業と一緒に汗をかきながら進んでいきたい。企業がこれまで築いてきた営業スタイルも尊重しながら、寄り添える企業でありたいと思います」
事業を通じ、内山が目標とするのは「世界で活躍できる人財と企業を創造すること」だ。社員たちには、まずはインサイドセールスのプロとして自立し、自分たちで考えてソリューションを提供できるようになってほしいと望んでいる。エンジニアには、AIをはじめとした開発やテキストマイニングなど、より高度な技術をSALES BASEに応用できるよう期待している。
一人ひとりの自立を重んじるSALES ROBOTICSでは、希望に応じたキャリアチェンジも可能だ。エンジニアからインサイドセールスに転向した者もいれば、インサイドセールスから管理部門に異動した者もいる。また、内山は家庭の事情で進学を諦めた人、失敗をして将来に不安を抱いている人、外国人など、さまざまな境遇の人に門戸を開放し、キャリアの構築をサポートしている。「社員には自由を提供する」という内山は、社員からの提案も積極的に受け入れ、新規サービスの導入や勤務時間の見直し、オフィス内での軽食購入制度、サークル活動などを実現させてきた。近い将来のIPO(新規株式公開)も視野に入れている。
「日本のモノづくりは素晴らしい。日本のモノがもっと外国で売れるといいなという想いは、創業時からずっと変わりません。日本の営業をもっと強くするためにSALES BASEをさらに進化させていきます。IT技術の発展もあり、今、営業の在り方は過渡期にあります。だからこそ、お客様以上に考え抜くことで、時代を変えるサービスを提供することができる。そんな変化を楽しみたい人とともにチャレンジしていきたい。より多くの企業を支えるビジネスサポートカンパニーとして社会に貢献できる存在になることが、僕の目標であり、当社の使命。そのためにも、世界を変えたいと思っている人と出会いたいですね」
日本と世界を俯瞰する中で、日本の弱点を見抜き、その本質から改善しようと立ち上がった内山社長は、まさに現代の“サムライ”。溢れる知性と論理的な語り口調に、堂々としたリーダー像を感じましたが、「SALES BASE」のユーザー企業から高評価をいただいたというエピソードに話が及ぶと、表情を大きく崩され「うれしかったなぁ」としみじみ。その笑顔からはまるで一営業マンのような、純粋な喜びが伝わってきました。
1981年、静岡県湖西市出身。2004年、早稲田大学第一文学部中国語・中国文学専修卒業。同年、株式会社WEICを設立。2005年、中国市場開拓人材の語学教育向けe-ラーニングシステムを開発。2014年、SFA(営業支援システム)とインサイドセールスを融合した新規商談獲得サービスを開始、インサイドセールスクラウドサービス「SALES BASE」を提供。2016年4月よりソフトウエアベンダーの業界団体「MIJS(Made in Japan Software&Service)コンソーシアム」理事長を務める。2018年6月、e-ラーニング事業(HR BASE事業)を譲渡。同年10月より、SALES ROBOTICS株式会社へ商号を変更。
インタビュー・編集:青木典子、高橋奈巳/撮影:田中振一
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