
真面目におもしろいことをしよう!企業のビジネスが輝くような“世界観(ストーリー)”を世に展開し、顧客とのコミュニケーションを力強く後押しする
将来設計を踏まえたうえで
マイホームの予算を決められる
銀行員時代に抱いた金融業界への疑問が
会社設立のきっかけに
マイホーム購入、それは一生に幾度とない経験。金額が大きく、賃貸に比べて気軽に住み替えができない分、慎重に検討を重ねて決断を下したいと考えている人がほとんどだろう。しかしいざ家探しを始めてみると、不動産会社の営業マンが購入を急かしてきたり、物件のメリットしか伝えてくれなかったりと、正常な判断ができなくなるケースは珍しくない。住宅に関する基礎知識を得るにも、情報過多により正しい情報を取捨選択するのは不動産の素人には難しいのが現状だ。
「不動産購入の知識や経験を十分に兼ね備えているお客様はそういません。だからこそプロである不動産業者が専門的かつ中立な視点で住まい選びのアドバイスをする必要があるのですが、新築マンション販売業者が自社で販売する商品しか取り扱えないなどして、提案に偏りが出てしまうのも事実です。不安や疑問を抱えているにもかかわらず、十分な知識を持たずに契約を交わしてしまえば、後戻りはできません。そういった購入者を減らすためにも、私たちは常にフラットな立場から提案をし、それぞれの暮らし方に合ったマイホーム購入をサポートしています」
そう話すのは株式会社ピープルズネコネクトのグループ代表を務める田中佑輝だ。
不動産仲介事業を展開しているピープルズネコネクトは、不動産の相談だけでなく、家購入にあたり湧き出てくる金銭面の懸念点も解消できる体制を整えている。相談を受けるのは、グループ内のファイナンシャルプランニング企業に属するファイナンシャルプランナー(以下、FP)たち。通常FP事務所に所属しているメンバーは保険営業マンがほとんどだが、当社は有料相談で戦っているため、。住宅ローンはもちろん、税務、資産運用など、それぞれ強い専門分野を持ち合わせ顧客が抱く一つひとつの課題を深く掘り下げながら、解決へと導いていくことができる。バックには税理士や弁護士も付いており、お金のスペシャリスト集団といえるだろう。
家を購入するうえで最も重要なのは予算だが、世帯年収や自己資金だけを基準に決めてしまうと、ローン破産や負債を抱える危険性がある。無理のない返済計画を立てるためには、ライフプランや収支シミュレーションを立て、「一家庭ごとに違うお金の価値観を見える化することが大事」だと田中はいう。
「お金の使い方はお客様によって千差万別。住居費にお金をかけたい人もいれば、レジャーや娯楽にお金をかけたい人、子どもの教育にお金をかけたい人、さまざまな価値観があります。夫婦で考え方が違う場合もあるので、それぞれがどの費用にいくらかけたいかファイナンシャルプランナーが細かくヒアリングしながら、人生設計や今後の生活に必要な資金を洗い出していきます。そうすれば本当に適正な予算が出てくるんです」
新築マンションのモデルルームに足を運んだり、複数の不動産業者と何度も連絡を取り合ったりするだけで時間がかかるもの。しかし、さまざまなデベロッパーや仲介会社と取引のあるピープルズコネクトでは、新築戸建て・新築マンション・中古マンション・中古戸建て注文住宅と、住居用不動産のほぼすべてのラインナップを一括して提示することが可能。不動産コンサルタントとともに、効率的に物件を吟味できるのが強みでもある。
「初回の面談から1~2ヶ月程度で成約に至るケースがほとんどです。ファイナンシャルプランナーとの面談を経ているので、お客様も将来の家族構成や生活スタイルが明確になっており、家に求めるニーズや価値観を絞り込んでいくのがスムーズなんです。『マンションを買ったけど数年後手狭になった』とか『庭は必要なかった』とか、購入後のミスマッチが起こりにくいのも弊社の特徴だと思います」
おおらかで自由な考えを持つ両親のもとで育った田中。野球に打ち込んでいた小学6年生のとき、父親の仕事の関係でシンガポールへと引っ越し、思春期の多くを過ごした。独立心が芽生えたのもこの頃だった。日本では若い経営者が脚光を浴び、テレビ番組などで取り上げられることが増えていた時期。その様子をシンガポールで見ていた田中は、「自分も社長になりたい」と憧れを抱いたという。夢を叶えるべく、大学では経営学を専攻。母親とともに小さなジュエリーデザイン会社を興し、経営のノウハウを習得していった。
しかし大学卒業後は、まだまだ新興国のシンガポールに居続けるよりも、経済大国の日本に戻り社会経験を積むことを選択。外資系銀行の新卒一期生として入社し、金融の世界に飛び込んだのが、今の田中の原点ともいえる。資産家の資産運用窓口を担当し、仕事を楽しむ一方でシンガポールとのカルチャーショックも経験した。
「シンガポールはみんなオープンな性格で、一度会って握手をすれば友だちだよね、というような人ばかり。だから日本の建前や上下関係を重視する文化が理解できませんでした。上司に反論するのも自己主張するのも良しとしない雰囲気が漂っていましたし、見下してくる人も多かった。『お前より能力あるぞ』と反骨心を抱いていましたね(笑)」
次第に、自社の商品しか扱うことのできない金融業界の体質に疑問を持ち始めた田中。顧客に寄り添った提案をするためには、他社の金融商品も含めて比較することが必須だと考えるようになっていった。当時の顧客に「辞めたいなら辞めて、自分のしたいことをしろ」と言われたことがきっかけで、退職を決意。起業に向けて動き出した。
海外では医者、弁護士と並んで高給の職業だといわれているファイナンシャルプランナー。日本ではまだその領域に達していないが、いずれ同じように市場価値の高い仕事といわれるようになったとき、「老舗企業でありたい」とファイナンシャルプランニングの会社を設立。投資信託のアドバイザーとして一人でスタートし、紹介や人脈を通じて地道に依頼件数を増やしていった。保険や資産運用などサービス内容の幅を広げていく中で、不動産会社経由の住宅ローン相談が増加。住宅購入を考えている人にとって、お金の不安はつきものだと痛感し、経験豊富な仲間とともに不動産事業にも参入した。
「リクルートホールディングスが掲げている『不の解消』という使命、これには共感を覚えました。消費者の不便、不満、不安を解消できるところにビジネスは成り立ちます。便利な世の中、快適な生活の実現に向けて、仲間と一緒にアイデアを出し合い、実行し、結果を出す。その積み重ねによって今の組織や自分自身がつくられてきました。もちろん思い通りに物事が進まないときも山ほどありましたけど、苦しさはあまり感じませんでした。壁を乗り越えていく方法を考えればいいだけですし、その考える時間こそビジネスの醍醐味だと思います」
「家探しは楽しいものだと思ってほしい」という田中は、面談では顧客がなるべくリラックスして思いの丈を話せる雰囲気づくりを心がけている。たとえば不動産コンサルタントの服装。ピープルズコネクトでは、スーツは礼儀正しいと同時に堅苦しさを相手に感じさせてしまうため禁じ、カジュアルで清潔感のある私服を着用している。
さらに肝心なのはヒアリング力だ。「希望条件を細かく深掘りしてくれるので、やみくもに物件を紹介されることがない」「エリアの特色をきちんと説明してもらえて安心した」「現実的なことにも目を向けてくれるため、信頼できる」など、顧客からは面談中のヒアリングに関する好評の声が数多く寄せられている。それは田中の社員教育の賜物でもある。
「人材育成の仕組みづくりで使われるコーチングスキルを応用したヒアリング術を習得してもらっています。一方的に質問を投げかけるというよりは、対話重視でお客様が喋りたいことを喋ってもらうのを優先。顕在化している課題はもちろん潜在的な悩みや不安もすべて洗い出すために、その人の深層心理に潜んでいる本音を探るのがコンサルタントの役割だからです。すると、自ずとお客様の頭の中でも、家に求める価値観が整理されていき、方針が固まってくるんですよね」
不動産購入は日常生活で馴染みが薄い分、業者とユーザー間の情報格差が大きい分野。両者の距離を縮め、関係をつなぐにはプラットフォームやハブ的な存在が不可欠だ。今はまだ心理的ハードルが高い不動産情報も、いずれはもっと身近なものとなり、消費者が簡単に情報を手に入れられる時代がやってくるはずだと、田中は未来に目を向ける。
「売上何兆円とか会社規模を大きくしたいという気持ちは正直なくて。今はまだとっつきにくい不動産のリテラシーを高めていける教育者となり、いないと社会がまわらない存在になりたい。貯蓄から投資へと社会的にもいわれているからこそ、家の購入体験をしやすい仕組みづくりが目下の使命だと思います。お客様の足元を照らしながら、一緒に歩く作業を手伝っていきたいです」
「結構負けず嫌いなんです」と自身について話してくれた田中社長。どんな場面でも負けない努力を続けてきたといいます。しかしそんな苦労を感じさせない、明るく気さくなお人柄が印象的でした。常時笑顔でインタビューにお応えいただきましたが、今後のビジネス展開の話になると秘められていた熱意が垣間見える瞬間も。ユーザー目線を大切にする姿勢が、会社拡大の秘訣だと感じました。
シンガポールに10年間滞在後、外資系銀行に入社。資産運用相談や証券仲介業務などを通じ、金融業界の知識やナレッジを習得した。2011年にファイナンシャルプランニング会社を設立し、セミナー・講演への登壇依頼も多数。。著書「58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書」アスコム社をはじめ、書籍発行部数5万部を突破。Bond University MBA。
インタビュー・編集/堤真友子、西野愛菜 撮影/田中振一
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