
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
松岡 唯里 / Yuiri Matsuoka
株式会社インフォマート
カスタマーサクセス部 コンサルティング課 係長
「お客様とのつながり、社員とのつながり。インフォマートには、人とのつながりを実感できる機会が数多くあります」
そう話すのは、2015年、株式会社インフォマートに新卒で入社した松岡唯里だ。現在、同社の主力サービスであるBtoBプラットフォーム「受発注」「規格書」などを導入する企業向けに、初期稼働から運用までのステップをサポートする役割を担っている。営業担当が提案する商談段階から同席するケースもあり、クライアントとの関わりはもちろん、他部署とのスムーズな連携も求められるポジションだ。
幼少期は人見知りだったが少しずつ克服し、学生時代は接客のアルバイトに就いた。最初はファーストフード店、後にテニススクールの受付スタッフを経験し、「お店の常連さんやスクールの生徒さんと、ゼロから関係を構築する楽しさや喜びを知った」という。
大学では観光学とフードビジネスを学んだが、観光や飲食業界でのキャリアビジョンを描けず、就職活動では思い悩んだ。そんな時、ゼミの教授からかけられたのが、「観光や外食業界を裏で支える素晴らしい会社も、世の中にたくさんある」という言葉。大学OBがインフォマートで働いていることを知り、説明会に参加すると、衝撃を受けた。
「当時のインフォマートは東証一部上場を果たす前で、正直、一般的な知名度は高くありませんでした。しかし、取引先は大手外食チェーンなど誰もが知る企業ばかり。『あのお店もここが支えていたんだ』と、感銘を受けたんです。飲食業界のフロントで働くイメージは描けていなかったけど、人に喜んでもらえる仕事に就きたいという気持ちに変わりはなかった。インフォマートの一員になれば、裏方としてフードビジネスに貢献できると、希望を持つことができました」
「インフォマートは挑戦させてくれる会社」と話す松岡が自らチャレンジしたのが、フード業界の企業がつながることをコンセプトに掲げたイベント「フードクロス」だ。リアルでは初開催となった2021年、プロジェクトメンバーの一人として参画。通常業務も行う傍らメンバーで集まり、企画から運営までの全工程を、ディスカッションしながら決めた。通常業務とプロジェクトの同時進行、他部署との協力体制構築、イベント当日の急なアクシデントへの対応。初めての経験ばかりで、苦しみも味わった。
それでも、2回目のリアルイベントとなる2022年のフードクロスでは、実行リーダーに立候補。その理由を、松岡はこう話す。
「フードクロスは、いわば一つのプラットフォーム。インフォマートのお客様をはじめ、数多くの飲食企業が交流を深めながら意見交換をしたり、新しい学びを持ち帰ったりできる空間です。こんなイベントを実現できるのは、長きにわたりフード業界と共に成長してきたインフォマートだけ、と昨年実感しました。何より、出展社様から『また開催してほしい』と言われたのが本当にうれしくて、作り上げる過程の大変さもすべて忘れるほどでした。フードクロスを通して、私自身も大好きなフード業界をさらに盛り上げていきたいんです」
フード業界の発展に意気込みを見せる松岡のもう一つの目標が、個人の特性や価値観を互いに認め合うチーム作りだ。自分の不得意な分野は、それを得意とする誰かに頼る。自分とは異なる思考やポリシーも受容する。そんなチームを作りたいという。
「仕事って苦労も多いからこそ、業務の中でメンバーそれぞれが得意分野を活かせる機会を見つけ、仕事に楽しさを見いだしてほしい。一人だけが強いチームではなく、一人ひとりが輝けるチームを築いていきたいですね」
公開日:2023年1月11日
インタビュー・執筆:堤真友子/編集:小田恵
撮影:田中振一
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