
「共感」が人をつなげ世の中を創る。リスナーズでその仮説を実証したい
役員リレーインタビュー
フラー株式会社
取締役CFO
永井 裕一 / Yuichi Nagai
当社CTOの藤原と同じ高専に通っていました。ITに興味があったわけでもなく、親の勧めで深く考えずに入学しましたが、コーディングを学んでみると結構面白かったですね。
でも、周りとの能力の差を突き付けられたんです。特に藤原なんて、入学時から教師よりスキルが高くて、「バケモノだ」と思った(笑)。これは勝てないと思い、そこからは経済の勉強にシフトチェンジ。株式投資も始めたらうまくいったんです。
高専卒業後は1年間ボウリングに夢中になっていましたが、いずれ起業したいという想いがあったので、筑波大の経営工学科に入りました。ところが、大学の経営学って、僕のようにゼロから会社を興したい人向けではないんですね。「違うな」と感じ、授業はそこそこに本格的にトレーディングを開始。知識をつけるために、株関連や経済の本は何百冊も読みました。
大学卒業後は、就職せず、高専時代から藤原と一緒にやっていたWebサービスやアプリの開発に本腰を入れることに。するとしばらくして、筑波大学時代の同窓生である渋谷から、「一緒に会社をつくろう」と声をかけられたんです。大学時代から渋谷に対しては一目置いていて、いつか組みたいと目論んでいたので、その話に乗ったというわけです。
あと、学生時代の経験で今に活きているのは、1年間のオーストラリア留学の経験です。当社メンバーには外国人も多く、今後も増えていきますが、異国の地で生活する気持ちを理解できるので。実は僕の妻もロシア人なんです。異なる価値観を受け入れる姿勢は身に付いているので、外国人メンバーが働きやすいようコミュニケーションをとっていきます。
財務や資金調達を中心に、総務や人事労務などバックオフィス全般の取りまとめをしています。創業当初はエンジニアと並行して管理業務をしていましたが、組織規模が大きくなり、専任となりました。管理部門の仕事は緻密さや正確性が求められるので、創業メンバー4人の中なら自分が適任だ、と。これまで習得した経済や株の知識も活かせますしね。
CEOの渋谷は破天荒で行動的なタイプ。渋谷だけでなく、櫻井や藤原もアイデアを思い付いたらダッシュで突き進む(笑)。それが強みでもありますが、行き過ぎることもあるので、そんなときに引き止めるのが僕の役割です。「ちょっと待て、こんなリスクがあるんじゃないか」とか「それは違うんじゃないか」とか「1回、冷静になろう」とか。理論的に説明すれば3人とも納得して考え直してくれるので、バランスはうまく取れていますね。
ルールや仕組みを整える必要がありますが、なるべく業務のジャマしないように気を付けています。例えば、申請や承認のワークフローを簡素化するなど。自分自身がエンジニアを経験したので、エンジニアの気持ちはよくわかりますから。必要最低限なことはしますが、可能な限り縛らないようにして、自由でいさせてあげたいですね。
一般的に「CFO」といえば金融機関や企業の財務職出身が多いですが、僕はエンジニア出身なので、事業計画を立てる際にも、その開発の難易度や所要期間の見当がつく。だから、開発現場と乖離することなく、事業計画を推進できると思っています。
「努力は才能を凌駕する」。好きというか、そうであってほしいと思います。才能だけで決まったら悲しいから。高専入学当初、僕の成績順位は下の方で、悔しくて、ものすごく勉強してトップを獲ったんです。努力すれば実るということをそのときに実感できたので、今でも努力は忘れないようにしています。最近は「上場準備」が自分のミッションなので、上場に必要な知識をインプットすることに務めています。
インタビュー・編集/青木典子、堤真友子 撮影/平山諭
「共感」が人をつなげ世の中を創る。リスナーズでその仮説を実証したい
会社も、自分自身も。柔軟に形を変えながら、 長く・多くの人に価値を届けていきたい
「あなたにとってのサステナビリティとは?」持続可能な社会へ向けて、問いと対話を通じて変化を促す存在でありたい
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