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ストーリー代表・CEO

無給でもいい。海外で仕事をし自分枠を広げろ

代表_留学情報館

株式会社留学情報館

代表取締役
大塚 庸平 / Yohei Otsuka

天狗の鼻をへし折られる

学生時代は、企業から協賛金を得て就職イベントを開催するなど、率先してリーダーをやっていました。当時「俺は何でもできる」と過信していました。イベント企画の縁で、現ポリゴンマジック株式会社社長の鶴谷武親さんを紹介されたのが、その後の就職につながりました。しかもアメリカ発信でグローバルな事業を展開している会社で、憧れの経営者の下で働けるというのは、夢のような話です。

ところが、入社してみると、自分は何もできないという事実を痛感するばかり。営業成績も、5人中5番。新規事業の部署なので、誰かがノウハウを教えてくれるわけでもなく、すべてが試行錯誤です。休みも取らず、懸命に働きました。2週間に1度は役員会があり、その前日は必ず徹夜してプレゼン資料を作っていました。


感動体験で自分の「枠」の小ささを実感

就職して3年目、25歳の時に社長のカバン持ちとしてアメリカでの会議についていき、帰りに観光でラスベガスに立ち寄りました。メインストリートでは、ホテル1階で飼われている大きなライオンたちや高層ホテルよりも高く吹き上がる噴水ショー、燃えさかる人工火山の大噴火等々、想像を遥かに超える感動体験の連続でした。

人はそれぞれ自分の中に常識という名の「枠」を持っています。その枠を超えるものに出会った時に、人は感動するのだと思います。例えば、ホテルにライオンという組み合わせは、私の中の枠を超えていたのです。

感動すると同時に、私は自分自身をとても小さく感じました。自分の中にある狭い枠を広げたい、そのためにアメリカで働きたい! と強く思い、社長に直談判し、1年間は無給でもいいからアメリカのロサンゼルスにある本部に行かせてほしいと申し出たのです。

渡米するために自分から提示した条件は3つ。抜ける穴を埋めるために一つ事業を立ち上げること、その事業で一定の売り上げに到達すること、そして自分が渡米した後も事業を継続できるように人を育てること、でした。それからは、さらにがむしゃらに働き、13ヶ月後、すべての目標を達成して渡米しました。この1年間のインセンティブを手にして金銭的な余裕もできたので、意気揚々と新天地での生活を始めたのです。



留学エージェントって何だろうという疑問から

行く前はアメリカに行きさえすれば、半年後には英語もペラペラになり、日本語でやっていた仕事の何倍も大きなことができるようになる。そう思い込んでいました。

しかし、現実は甘くはなく、現地の会社では無給で働いている私への期待は高くありませんでした。International Relationships という役割は与えられていたものの、現実にできる(やらせてもらえる)仕事といえばファイリング程度です。考えてみれば、言葉もロ
クに話せない人に責任のある仕事を任せるはずがありません。ひと月、ふた月と過ぎていくうちに、思い描いていた仕事の3分の1もできていない現状に焦りを感じ始めました。

英語については、インターネットで語学学校を見つけて入学しました。285ドルという破格の学費が決め手だったのですが、行ってみるとイメージしていたような都会的な環境ではなく、しかも学生のうち約7割は日本人でした。日本人学生の受け入れに積極的な学校で、面倒な手続きも学校側で進めてくれました。

ところが、周りの日本人学生は日本の留学エージェントからのあっ旋でこの学校に来ていたので、高額の手数料を支払ったにもかかわらず、自分のイメージしていた学校と全然違うと文句を言っていました。

ある調査で、留学生のうち93パーセントは、留学先の学校に不満を感じているという結果も出ています。もしもこれがレストランで、100人のうち93 人がまずいというなら流行らず閉店してしまうでしょう。でも留学エージェントを頼る人は跡を絶たないのです。なんとかならないものか、という思いが募りました。

 

アメリカで会社を作った!

その後も仕事が忙しくなることはなく、いつ出社しようが帰ろうが、私の自由でした。そこで、自分でホームページを作りロサンゼルスの生活を紹介してみることにしました。

その頃は、SEO対策が流行していたので、本を読んで勉強し、工夫してみたところ、私のホームページは日本のロサンゼルス情報ランキングで1位を取るようになりました。

多くの記事を書きましたが、 やってくる人の多くが注目したのは、「たった285ドルで通える格安語学学校」の情報でした。読んだ方から学校を紹介してほしいという要望もあり、1人、2人と紹介するようになりました。語学学校に生徒を紹介すると、留学エージェントと同じく手数料(学校からのコミッション)をもらえます。十数人を紹介して、50万円ほどの売り上げになりました。そこで、私はこれを仕事にしようとアメリカで法人化しました。その後日本にも進出し、できたのが留学情報館です。


点と点がつながっていく面白さ

自分の20代を振り返ると、就職してからの4年間は超がつくくらい厳しい修業期間でした。そして、その後のいろいろな経験がつながっていき、現在に生きていると感じます。

最近になってスティーブ・ジョブズの有名なスピーチ”Connecting the Dots” を知って、まったく同じことを言っていると驚きました。過去のバラバラな経験という「点」をつなげて線にすると、思ってもみなかったような結果を引き出すことができるのです。

私自身、最初に就職したのが教育系のビジネスだったことも、現在の仕事につながっています。無駄な経験は一つもありません。20 代は、できるだけ多の「点」を経験すべき時期だと思います。経験しているその時点では、それが後にどう役立つのかなど分かりま
せん。でも、いくつもの「点」を得ることで、自分の中の枠をどんどん広げていくことができます。感動体験は、その人の枠を広げ、人生の選択肢となる引き出しを増やすのです。



「英語を学ぶ」と「英語で学ぶ」

留学やワーキングホリデーは、日常を離れて非日常の世界に行くということです。そういう場所にこそ、自分の枠を超えた感動体験をして、引き出しを増やすチャンスがたくさんあります。語学の習得は早いほうが良いのですが、感動体験を積み重ねるという意味では10代ではまだ不十分、ある程度経験を積んだ20代にこそ意味があると私は思っています。

例えば私は日本での就労体験があったからアメリカ人の働き方に驚きを感じることができ
た、感動することができたのです。もちろん、観光でも海外を訪れることはできますが、実際にその国の人たちの中に住み、仕事をしてこそ見えてくる価値観や宗教観もあります。私にはやはりアメリカ人の会社に入り彼らの働き方を目の当たりにしたことが、大事な経験となりました。

ここで注意していただきたいのは、「英語を学ぶ」と「英語で学ぶ」は別のものだということです。本来、海外留学の意味とは「英語を学ぶ」ことももちろんですが、その渡航先で文化や学問、ビジネスや産業を「英語で学ぶ」ことにもあるはずです。

現地で働きながら学べるワーキングホリデーは、費用を抑えられるので人気がありますが、英語ができないうちに紹介される仕事は日本人向けレストランや日本人向けの売店で、英語が不要な環境ばかりです。たとえホテルの仕事を希望しても、できることといえばベッドメイキングくらいです。そうやって日本人のコミュニティの中で過ごし、英語を身につけるところまでいかなかったというケースは珍しくありません。つまり、「英語を学ぶ」ことができないまま、「英語で学ぶ」機会も失ってしまうのです。それでも帰国すると、すべて無駄だったと言う人はいません。「かけがえのない友人を得た」と満足してしまう人が多く見受けられます。

海外に留学するなら、私は徹底的に「英語を学ぶ」に集中する時期と、語学力をつけてから「英語で学ぶ」という時期に分けることをお勧めしています。例えば1年間のうち最初の半年で徹底的に語学のレッスンを受ければ、後の半年でハイクラスのホテルなど、学
んだ英語を実践的に使える職場を選ぶことができます。

資金に余裕のない人は特に不安だとは思いますが、最悪、無給でも自分のやりたい仕事を経験してほしいです。最初は無給でも、自分自身の仕事が給与をもらうに値するようになったと思えたら、交渉すればいいのです。海外でたくさんの感動体験をして、自分の枠を広げる日本人が増えることを願っています。

リスナーの目線

若い時に理不尽だと思ったことを解決するために始めた事業というのは、本当に強いと感じます。これから国を挙げて、日本の若者を世界に送り出していこうという機運に反して、留学は減少傾向という事実は実に憂うべきことですが、これからますます大塚さんの活躍するフィールドが広がるということでもあります。ぜひこれからも、まやかしではない“骨太”な留学体験を広めてください。

Profile

1977年埼玉県生まれ。
小学校6年の時に中国の北京で1年半を過ごす。中央大学を卒業後、セコムやデジタルハリウッド、河合塾などの合弁会社立ち上げに参加。子ども向けマルチメディアスクールを全国に展開する。2004年、アメリカ・ロサンゼルスに留学。その半年後の2005年に米国法人Los Angeles Info, Inc.を設立し留学支援事業を展開。2007年にはニューヨークに、2008年には日本に支社を設立。

さらに2010年には株式会社留学情報館を設立し、留学センターを事業買収。Facebookページ『留学』は約12万人の会員を集める留学メディアに。2014年にはグローバル人材の育成を目指し、イングリッシュイノベーションズ株式会社を設立し、英語教育に力を注ぐ。

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