
一人ではできないことを、チームで実現させるスイミー経営
つながる「信頼の和」が
事業のフィールドを広げ続ける
顧客満足と働きやすさを両立。
ワーク・ライフ・バランス
を実現しながら
社員にさらなる成長を
株式会社クリエーション・ビュー
代表取締役
田中 康夫/Yasuo Tanaka
Webシステム開発を中心に、ITソリューションサービスを提供する、株式会社クリエーション・ビュー。その最大の武器は、「それぞれのエンジニアが担当する顧客から得る信頼」だ。
クリエーション・ビューの主幹事業は、顧客のオフィスにエンジニアが常駐しながらシステムを開発し、運用管理やサポートを行うシステムエンジニアリングサービス。手がけるのは、大手中古自動車販売サイトや生命保険企業のシステム、テレビ局のニュースサイト、プロ野球チームの会員サイトなど多種多様だ。エンジニアは、エンドユーザーの毎日の生活に深く関わるウェブサイトやシステムに携わる。多くの人が日常的に利用するサイトだからこそやりがいを感じる社員が多い、と田中は語る。
「営業力で新規顧客を開拓したり、業績を伸ばしたりする企業も多いと思いますが、私たちの場合は、エンジニアが現場でお客様から得た信頼によって、仕事を広げているんです。お客様が転職されて、転職先でまたお声をかけていただくことも多く、そういう形で少しずつ事業を拡大してきました」
社内には、モノ作りが好きで、人が好きな社員が揃う。顧客と一緒に考えながらシステムを開発し、継続してサポートすることで、実態に即したサービスが提供できる。そのため、クリエーション・ビューが開発・運用するサイトは「使いやすい」と、顧客からの評価が高い。一度取引を始めると途切れず、長い付き合いになる顧客が多いのも、他社にはないクリエーション・ビューの特徴だ。
「メディアのスタートの段階から一緒に作らせていただいているお客様もいます。大手にはない機動力も、評価していただいていますね。『こういうことできるの?』という相談を受けたら、すぐに調べて開発を進めます。一般の方が使うサイトは特に、より使いやすく、絶えず新しくしていかなければいけない。フットワークの軽さも長く付き合っていただける理由だと思いますね」
田中の出身地は福島県の会津若松。自然豊かな環境で、夏は川や湖で泳ぎ、冬はスキーに打ち込むなど、活発な少年時代を過ごした。
両親の仕事の都合で、高校2年生の時に東京へ移住、都会での高校生活を楽しんだ。大学では工学部で計測制御を専攻。その後コンピューター系企業にプログラマーとして就職。競馬場の投票システムやレーダーシステムの開発にかかわり、ものづくりの喜びを知った。
元上司の立ち上げた企業に入社してからは、大手メーカーのシステム開発の仕事で経験を積んだ。プログラミングの技術のほか、営業や顧客対応のスキルを身に着け、1990年にクリエーション・ビューを設立した。
顧客を持った状態でスタートしたものの、二度の危機に直面することになる。一度目は、会社設立直後に起きたオイルショックの影響で、仕事の受注が激減。ピンチを乗り切るために当時トレンドだったWindows3.1を社員全員で学び、大手からの受注のほか、小さな仕事にも地道に取り組み、巻き返していった。二度目は、会社が軌道に乗り社員も増えた頃。社を挙げて開発に取り組んでいた大手顧客のシステムの採用が中止になり、痛手を負った。この危機を乗り超えられた要因は、クリエーション・ビューが培ってきたお客様との信頼関係と、ニーズにすぐに対応できる機動力だった。
「今もお付き合いのある大手のお客様が、当社に声をかけてくださったことも大きかったです。お客様は、当時使っていた大手システムインテグレーターに不満を抱えていた。大手は新しいサービスを提供するにも、社内申請などで時間がかかってしまいますが、当社は可能な限り、迅速に対応しています。こうした課題解決までのスピードの速さが、顧客の信頼獲得につながっていると思います」
田中がクリエーション・ビューを設立した時に思い描いたのは、「エンジニアが楽しみながら働ける会社」。その背景には、過去にエンジニアとして働きづらさを感じた経験がある。
「最初に就職した会社で、就業中の行動を徹底的に管理されたために、本来の仕事以外のことに時間をとられてしまった。そのため、エンジニア一人ひとりが、自分の裁量で自由に楽しく働ける会社を作りたいと思ったんです」
クリエーション・ビューのチームリーダーは、メンバーのスケジューリングや仕事の進め方について管理をしない。一人ひとりに裁量を持たせることで、社員が伸び伸びと仕事をする。管理することや管理されることで生じる無駄な時間はない。社内では、田中も含めリーダーは「さん」付けで呼ばれ、フラットで風通しの良い空気が流れる。
長く現場で働いてきたからこそ、田中は現場の声を聞くことにもこだわる。入社年数にかかわらず、すべての社員が意見や提案を発信しやすい環境を作っている。
「社員を評価する上でも、現場の声を聞かなければ正当に評価ができません。だから、社員からさまざまな意見を聞きたいと思っています。若手も含めて、とにかく社員の意見にはすべて答えたい。今は社員が増えてきたので、より意見や提案が通りやすくなるよう、社内の体制を整えています」
クリエーション・ビューの社員が実現しているのは「楽しく働く」こと。そのために、田中が重視しているのが、社員が成長できる環境と働きやすい環境を整えることである。
新入社員のうち8割が文系出身と、システム開発の初心者がほとんどだが、入社後の研修で技術を基礎から徹底的に教えるため、未経験でも技術力の高いエンジニアとして活躍できる。また、職種への適性や顧客との相性をチームのリーダーが見極め、得意分野を活かせる客先や職種に配属。入社2年目で、プロジェクトリーダーとしてメンバーを指導しながら設計を手がける社員もおり、若手でも活躍できる機会は多い。社外の研修参加費用や資格取得費用、また書籍の購入費用も会社でサポートするなど、社員のやりがいと自由度を、ともに実現するための制度が整っている。
社員の働き方についても田中はこだわりを見せる。システム会社では顧客のオフィスに常駐しながら帰社日を設定するところが多いが、クリエーション・ビューでは基本的に帰社日はない。顧客のオフィスに常駐し、絶えずコミュニケーションを取りながらシステムを作り運用していくからこそ、信頼関係を築いていけるのだ。
お客様との関係性を深めながら、社内の一体感醸成にも余念がない。エンジニア1人ではなく3~4人で常駐し、チームで顧客のシステム開発に取り組む。また、部署や年代別のコミュニケーションの機会もあり、ボウリングやゴルフ、ダーツ、軽音楽など、趣味の合う者同士で集まる部活動もさかんだ。
残業時間も少ないため、長時間労働によるストレスもなく働くことができる。社員間で競争する空気もないため社内の雰囲気は穏やかだが、これにはお客様への、そして社員への想いが詰まっている。
「お客様と直接取引しているため、開発スケジュールも相談しながら決められるんです。無理のない日程で仕事が進められるので、残業時間が少ない。社員には、ワーク・ライフ・バランスを実現して、自分の生活も大事にしながら新しい技術を吸収していってほしいですね。お客様との信頼関係を構築し、ストレスなく働ける環境を整えることで、クオリティの高いシステムを提供できるのです」
今後は、ビッグデータなど新しい分野のサービスも見すえる。既存の顧客を中心に、新しいジャンルの仕事を増やしたいと語る。
「社員が何か新しいことに挑戦したくなった時、クリエーション・ビューにそれができる場所があればいいと思っています。社員がいろいろな経験ができる場所や、新たなスキルを得られる場所を増やしていきたい。社員には、仕事のことでもチームのことでも、遠慮せずに何でも意見を言ってほしいですね。『信頼の和』を作り、社員皆が成長できる環境を広げていきたいです」
「話すのは得意じゃないので…」と仰る田中社長ですが、モノ作りやお客様、社員について語る姿からは、秘めたる情熱が垣間見えました。撮影のため、田中社長がオフィスに入ると社員の皆さんから笑顔がこぼれ、温かな社風を感じることができました。エンジニアとして豊富な経験があるからこそ、モノ作りの醍醐味やエンジニアの気持ちを誰よりも理解できる。そんな田中社長の元にはこれからも多くの社員が集まってくることでしょう。
1954年、福島県会津若松市生まれ。中学時代はバレーボール部に所属。高校2年から東京に移り住み、大学では工学部で計測制御を専攻。大学卒業後、コンピューター系企業に就職。競馬場の投票システムやレーダーシステムの開発に携わったのち、1990年に株式会社クリエーション・ビューを設立。
インタビュー・編集:高橋奈巳・川辺美希/撮影:後藤敦司
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