
品物に込められた「人の想い」に寄り添うリユースショップ
株式会社北国からの贈り物
代表取締役社長
加藤 敏明 / Toshiaki Kato
私が代表取締役社長を務める株式会社北国からの贈り物は、その社名の通り、蟹や魚介類など、北海道ならではの新鮮な食材の卸・小売り販売をおこなう会社です。創業時からの主力であるネット通販を軸に、千歳空港に実店舗を構えるほか、シンガポール、香港、台湾など、海外にも積極的に進出。昨年には「蟹寿司加藤」という飲食店を、札幌とニセコに展開し始めたところです。今後は和食グルメプロデューサーとして和食文化を世界に発信中していきます。
看板商品である蟹は、父親が経営していた蟹の卸問屋「加藤水産」から仕入れているのですが、同社のある道東エリアは、一年を通して新鮮な蟹が手に入るだけでなく、摩周湖から引いたミネラル豊富な湧き水で茹でた蟹を冷やすと、蟹の身が引き締まり、甘みが増すのです。臭みもなく鮮度が長持ちし、甘みがあってプリプリとした美味しい蟹は、そんな恵まれた環境に育まれた逸品といえるでしょう。
企業理念は『笑顔と真心』。お届けする商品が美味しいのは当たり前のこと、注文から発送、食べてもらうまですべて含めてお客様に満足してもらいたい。そんな想いから、私たちは「蟹だけでなく、笑顔と真心もお届けしよう」と、常日頃から心を一つにしています。
自然豊かな北海道道東に位置する川湯温泉という町で生まれ育ち、大学では建築を学び、東京の設計事務所に就職しました。そこでは一級建築士の資格も取得し、建築家として公共建築の設計に携わることができました。結婚し、子どもができるなど、順風満帆の生活を送っていたのですが、ある時、このまま会社員として建築の仕事をしていても、自分の夢は叶わないことに、ふと気付いたんです。
自分の夢とは『北海道を元気にし、未来に伝える』こと。いつからか、抑えきれないほど大きくなっていた夢を実現するためには、会社を興し、成功することが必要だと考えた結果、父親が経営していた加藤水産の蟹を、当時、成長が期待されていたインターネットで小売り販売することにしたのです。
しかし、当時はインターネットの黎明期だったこともあり、当初、家族は猛反対。自分自身の夢を実現したい一心で、最後には、家族に相談せず会社を辞めてしまいました。結果が出なければ、もう一度会社員に戻ればいい。そう考えた末の決断でした。
起業後の3年間は、まず年間売上1億円の目標達成を目指し、誰も雇うことなく、一人きりで夜中の3時過ぎまで、1日も休まずに仕事をする日々でした。ネット通販の認知もほとんど無いに等しい状況だったので、常に細かいところにまで気を使いましたね。
通販なのでお客様には会えないですが、蟹が届くことで食卓が笑顔と真心と団らんの雰囲気になることをイメージしながら展開していくうちに人気が広がり、お客様が増えていったんです。
今から思えば、ただひたすら仕事に打ち込んだあの頃は、人生において、本当に価値のある時間だったと思います。
今後の展望ですが、会社としては、和食文化を世界に伝える存在になっていきたいと思っています。既存事業を拡大しつつ、北海道の食材を一手に扱う総合商社となり、その先には和食文化の啓蒙まで担っていく考えです。
個人としては、故郷である川湯温泉の町おこしをしたいと思っています。元々、道東の中でも活気のある温泉街だったのですが、現在は廃業している旅館がほとんど。そんな我が町を、森の中にたたずむ温泉街として、もう一度人々が足を運んでくれる場所にしたい。こちらは、今後の30年をかけてじっくり取り組み、自分を育ててくれた町へ恩返ししていく覚悟です。
考えてみたら、辞めたはずの建築家魂はいまだ健在で、北海道や和食文化をデザインしている感覚なのかも知れませんね。
生年月日 | 1965年5月3日 |
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出身地 | 北海道弟子屈町 |
血液型 | O |
星座 | 牡牛座 |
家族構成 | 妻・長女(社会人)・長男(大学生) |
座右の銘 | 一期一会、笑顔と真心 |
WAOJE Tokyoに入った経緯 | 和食文化を世界へ伝える活動をしたい |
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WAOJE Tokyoで得たいこと | 世界で活躍する経営者と繋がりたい |
こんな貢献ができます | 北海道の美味しいグルメ食材を提供します |
こんな人とつながりたい | 世界中の美味しいレストランやグルメ情報を教えてください |
興味があること | #北海道グルメ#海外旅行#グルメツアー#美術館巡り#芸術鑑賞 |
北海道生まれ。1991年東京都立大学大学院修了、TAK建築研究所入社。1998年現・株式会社北国からの贈り物を創業。楽天市場、Yahoo!ショッピングにて年間グランプリを連続受賞し、EC業界のリーディングカンパニーとして評価される。2010年シンガポールにてKITAGUNI INC.を設立。2013年アジア経営者会議ABC (Asia Bridge Campus)を北海道に誘致。 2017年 HIDO(北海道国際流通機構)を設立。 2018年 WAOJE東京支部 設立に関与し、2020年 同支部長に就任。北海道の魅力をアジアへと届けるために海外輸出事業を拡大中。2019年Amazon Japan「にっぽんをつなぐ」プロジェクトに参加。著書に「Eコマース成功の条件」「TOP0.1%の条件 ECビジネス成功者たちの志力」がある。
インタビュー:垣畑 光哉/執筆:西野 愛菜/編集:垣畑 光哉
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