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エンジェル投資家 そして企業参謀として 求められた役割を担う

社員_U-NEXT

インテリジェンス(現・パーソルキャリア)創業者であり、元・楽天野球団の社長兼オーナー

50年以上の歴史を持つ「USEN」グループを新たなステージへ導く

株式会社U-NEXT
取締役副社長COO
島田 亨 / Toru Shimada

社会人2年目から、経営者の道を歩み始める

2010年にUSENから独立分離した株式会社U-NEXT。2017年2月、USENをTOBにより買収して再統合した。動画配信・電子書籍・音楽などのオンデマンドサービスを提供するコンテンツプラットフォーム事業、通信インフラを提供するコミュニケーションネットワーク事業を主力に展開している。

2017年4月、取締役副社長COOに就任したのが島田亨だ。島田はリクルート勤務を経て、U-NEXT現社長の宇野康秀らとともに株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア)を立ち上げた人物。1999年にインテリジェンスの経営から退いた後は、創業間もない起業家を支援する「エンジェル投資家」となった。

2004年には楽天野球団の社長に就任し、さらにRakuten AsiaのCEO、楽天株式会社の代表取締役副社長などを務めた後、2016年に楽天を退職。フリーな立場でエンジェル投資家としての活動に取り組む中、盟友である宇野からの要請でU-NEXTに参画したのだ。

U-NEXTの主力2事業の市場は成長しているが、競争も激化している。USENが築いてきた顧客基盤を活かし、成長を図る戦略が必要だ。まさに、これまでの豊富な経験によって磨かれた島田の経営手腕が活かされるステージといえるだろう。

島田は東京都文京区で生まれ、3人きょうだいの真ん中で育った。中学生の頃に一人親家庭となり、経済的に困窮。手を差し伸べてくれる人は少なく、子どもながらに世間はシビアなものだと悟った島田は、「自分が稼ぐ力を付けて商売をしよう」と考えるようになる。

高校時代はアルバイトで学費を稼ぎ、受験勉強も十分にできないまま大学へ進学。就職活動の時期になると「優秀な人材の中でもまれたい」「起業するときの仲間を見つけたい」と考えた。それが実現できそうな会社を探した結果、リクルートに入社。新入社員ながら営業リーダーを任された島田は、営業成績で全国トップを獲得した。

「起業仲間との出会い」は意外と早く訪れた。入社2年目の5月、仲の良い同期と飲みながら起業の夢を語ったことが縁で、当時リクルートコスモスに入社したばかりの宇野と知り合う。このときにつながりが生まれた4人が意気投合して、その日のうちに起業を決め、6月には株式会社インテリジェンスを設立した。

資本力も技術力もなく、営業力と企画力で勝負するしかない自分たちでも、小規模な会社が群雄割拠している人材業界でなら戦えると踏んだ。オセロゲームの論理で、大きなマーケットを少しずつひっくり返しながら、大手とも戦えるポジションを目指す発想だった。

とはいえ、たいした実績のない若者が営業に奔走しても、なかなか取引には至らない。会社を切り盛りするため、本来理想としていたこととはほど遠い仕事もこなす毎日だった。

もがき続ける中、学生の就職活動動向をリアルタイムでレポートした情報誌を企業に売り出すと、好評を得て、会社は成長軌道に乗る。得た収益をもとに新規投資もできるようになった。

ただ、成長の一方で、悩みもあった。自分の思うように、社員は動いてくれなかった。

「どうしたら人に気持ちよく動いてもらえるか、この頃はずいぶんと試行錯誤しました。そして、『北風と太陽』の『お日さま』的なあり方がいいと気付いたんです。冷たい風をぶつけるよりも、明るく暖かく照らす。そのほうがメンバーは前を向いて、速度を上げて歩いていけるのだ、と」

株式会社U-NEXT 取締役副社長COO 島田 亨

株式売却で得た資産を、ベンチャー企業の育成に投じる

インテリジェンスの副社長を務めていた島田に新たな転機が訪れたのは、起業から10年目のことだ。社長だった宇野が、USEN創業者である父が病気で急逝したことから、経営を引き継ぐために退職した。島田は、もう1人の副社長に代表のポジションを譲り、翌年退任する。

折しもインテリジェンスが上場したタイミング。島田は株式を売却し、大きな資産を手にした。しかし、そのことで自分を責めたという。

「会社を成長させるために投資してくれた株主の皆さんに対し、不義理をしてしまったのではないか、と思ったんです。自分たちを応援してくれた株主さんに報いるためには、資産と自分の経験をどう活かせばいいのか。考えた末に出した答えが、『エンジェル投資』でした」

当時35歳。その頃から今に至るまで継続しているエンジェル投資の目的は、フィナンシャルリターンではない。自らの成功や失敗の体験を活かし、若い起業家のメンターやコーチのような立場で、彼らを正しい方向へ導き、サポートしていくことだ。

意欲や能力のある人が、適切なサポートを受けながら、新しい価値を生み出せる土壌づくりをする。それが社会に必要な機能だと、島田は言う。

スタートアップ企業の資金調達においては、まずエンジェルが付き、次いでベンチャーキャピタル、戦略的なパートナー投資家が参加し、最後に銀行というプロセスが理想的。一方、会社が成長していく過程でさまざまな経営課題にぶつかった際に、未経験の経営者にメンタリングやコーチングを施せるような仕組みがあるべきだが、日本ではそれが十分ではない。アメリカでは、巨万の富を築いた起業家が、新たな起業家をサポートする循環が出来上がっている。こうしたエンジェル投資が世の中に新しいうねりを作り出すことで、産業が育っているのだ。

「アメリカの時価総額の上位5社は、もはやGEやCoca-Colaではなく、Googleを筆頭とするメガベンチャーが占めています。一方、日本の市場を見ると、昔から変わらない産業が上位を占め続けている。日本でも、新たな産業を育てていく環境を整えなければなりません。だから、自分は続けていかなければならない、という使命感がありますね。私にとってのエンジェル投資は、ビジネスというよりライフワーク。夢を持って取り組んでいる人に『賭けたい』のです。たぶん私は、生涯、エンジェル投資家なんだと思います」

株式会社U-NEXT 取締役副社長COO 島田 亨

築き上げた顧客との信頼をベースに、さらなる市場拡大へ

U-NEXT副社長として、再び宇野とともに経営の舵取りをすることになった島田。統合後の新たなU-NEXTに、大きな期待と楽しみを抱いている。

USENの放送サービスの顧客は60万店以上に上る。これらの店舗でも、IT化、業務効率化が進んでいるため、U-NEXTが扱う通信回線、Wi-Fiスポット、タブレットレジ、決済端末、さらに電力サービスなど、より幅広い商品・サービスを提供していく。

例えば、月6万円の電気料金を払っている店舗に月4万円ほどで電力を提供する、さらにタブレットレジを導入してもらえば、お店にとっては固定費の削減、業務効率化による人件費の削減につながる。そうしたメリットを提供することで、U-NEXTは売上の拡大を図れるというわけだ。

現在の売上規模は1000億円程度。既存顧客60数万店の深耕だけでも、売上を10倍の1兆円に拡大することは可能だという。そして、60数万店という数は市場の約2割にすぎない。ターゲットとなる業務店は日本全国に300万店以上あり、まだまだ同社のシェア拡大の可能性が広がっている。

「持ち株会社が顧客という『資産』を最適にマネジメントする。そして各事業会社は、資産である顧客に対し、より良いサービス提供に努める。そうすれば、『1兆円企業』は夢物語ではない。きわめて現実的な投資ができる環境が整ったところなのです」

さまざまな会社の経営を見てきた島田は、U-NEXTを「現場が強い」と評する。同社社員たちに大きな信頼を寄せており、事業構想の実現に自信を見せる。

「U-NEXTはこれからが楽しみ。私たちのサービスによってお店が変われば、お店を訪れる人々の過ごし方も変わっていくはずです。テクノロジーを使えば、もっといろんなことが提供できる。新しい環境を提供する会社にしていきたいですね」

島田は自身を「オーナー経営者として一つの会社を全うするタイプではない」と分析する。エンジェル投資家という立場をベースに、何らかの役割を求められれば、それに応え、責務を果たす。一つところに執着はしない自分は、そういう「機能」だと言う。

「理想をいえば、白洲次郎さんのように、必要とされれば国のためにも尽くすけれども、役割を終えればその地位にしがみつくことなく、私人へと戻っていくようなあり方でしょうか。楽天でも一定の期間、必要とされた役割を果たしましたが、今は宇野さんに求められた役割を担う。そんな風に、流れの中で自分にふさわしい立ち位置を見つけてきて、今がある。すべては役割分担です」

エンジェル投資家として起業家を育むというライフワークを軸としながらも、その時々で引き上げられたステージで、トップとして、または参謀として結果を出し続けてきた島田。今後も、社会からの求めに応じて自らの「機能」を差し出し、行く先々で事業と社員たちに大きな影響を与え続けるにちがいない。

株式会社U-NEXT 取締役副社長COO 島田 亨

リスナーの目線

太陽のごとく人を包み込む温かさと、歴々の経営者が絶対の信頼を寄せる鉄の意志。それらを兼ね備えた島田さんという存在はいかにして生まれたのかを解明すべく臨んだ取材でしたが、示唆に満ちたお話ばかりで、すべてを伺うにはとても時間が足りませんでした。優しさと厳しさを高次元に両立させるバランス感。それは、相手をどこまでも尊重することから始まるのだと気付かせていただきました。

インタビュー・編集/垣畑光哉青木典子、川口沙織 撮影/出島悠宇

Profile

1987年、東海大学文学部広報学科広報メディア課程卒業、株式会社リクルート入社。

1989年、株式会社インテリジェンスを宇野康秀、鎌田和彦、前田徹也らと創業、1995年に 取締役副社長に就任。1999年にインテリジェンス退社後は、エンジェル投資家として活動し、株式会社シーズホールディングス代表取締役、株式会社日光堂(現株式会社BMB)取締役副社長、株式会社楽天野球団代表取締役社長、楽天株式会社取締役執行役員 プロスポーツ事業カンパニー社長、フュージョン・コミュニケーションズ株式会社代表取締役社長、楽天株式会社 アジアRHQ準備室担当役員、代表取締役副社長などを歴任。2017年、株式会社U-NEXT取締役副社長COOに就任する。

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