
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
樫山 知拓 / Tomohiro Kashiyama
株式会社インフォマート
事業推進3部 パートナー推進1課 課長
いかにインフォマートのリソースを割かずに、自社サービスを拡販できるかーー。
このミッションに挑んでいるのが、株式会社インフォマートの代理店販売推進に取り組む、事業推進3部 パートナー推進1課だ。同社は長年、直販営業を主流としてきた。しかし、主力サービスである「BtoBプラットフォーム 請求書」を飲食業界から全業界向けに展開し始めた2015年以降、直販だけではシェアを獲得できないという課題が浮上。そこで売り切り型の代理店販売スキームを構築したのが、現在課長を務める樫山知拓だ。
樫山は2度インフォマートに入社している。1度目は2009年。新卒社員1期生として入社し、営業職で着実に実績をあげ、マネジメントに従事した。後輩の教育や育成にやりがいを感じる一方、抱き始めたのが「自分が教えている営業ノウハウは本当に正しいのか」という疑問。インフォマートの環境しか知らない焦りや他社で力を試したい挑戦意欲が湧き上がり、29歳で退職した。
次のステージに選んだ会社は、チームプレーのインフォマートと異なり、完全に個人で勝負する営業スタイル。その中でトップセールスを達成し、自分の営業力の強さを証明できた気がした。と同時に、「やはりチームで戦う営業がしたい」と転職を決意。そんな時、声をかけてきたのが、インフォマートで新卒時代に樫山の教育担当をしていた先輩社員だ。
彼は樫山の再入社を望んだが、「当時は悩みに悩んで辞めたのだから簡単に戻ることはできない」と受け入れられずにいた。すると「今回断られても、また声をかけるから」と念を押された。その熱意に、樫山の心は大きく動かされた。
「自分なら、断られた相手に対し、待っているとは言えません。自分を、仲間を、大事に考えてくれる人のもとでまた働きたい。そう思い、戻る決断をしました」
2019年に再入社を果たし、パートナー推進1課の発展を牽引してきた樫山。本格稼働した2021年に会社の期待を超える結果を残したこともあり、2022年は大きな売上予算を課せられているが、そのプレッシャー以上に強く感じているのが「新しいカルチャーを作りたい」という想い。チームメンバーで定めたスローガン「インフォマートの営業のあり方を自分たちが変える」を胸に、自らを鼓舞しながら奮闘している。
そして、同じビジョンを共有する仲間の存在が何より心強い、と強調する。
「私が仕事をするうえで常に念頭に置いているのが、『何をするかも大事だが、誰と働くかが何より重要』だということ。今までつらいことは山ほどありましたが、乗り越えられたのは喜びを分かち合える仲間がいたから。メンバーと手を携えて、直販営業が根強いインフォマートのスタンダードを変えていきたいです」
現在インフォマートは、帳票電子化の領域におけるインフラ化、デファクトスタンダード化を目指している。「BtoBプラットフォーム 請求書」が請求書クラウドサービス市場で国内トップシェアを誇り、業界最前線をひた走る同社であれば、「そう遠くない未来、実現できる」と、樫山は力を込める。しかしそこには、パートナー推進1課の成長が不可欠だと加える。
「今、私たちはとても恵まれた環境に身を置いていると実感しています。安定性の高い東証プライム企業の一員として、代理店販売という、インフォマートとして未知の分野に挑戦できる。ローリスクの中で思いきりチャレンジできるのです。もちろん会社からの期待に応えなくてはならないハードさは付きものですが、こんなに面白いフェーズを経験できることはそうありません。今の状況に感謝をしながら、責任者として、事業部を大きくしていきたいですね」
公開日:2023年1月11日
インタビュー・執筆:堤真友子/編集:小田恵
撮影:田中振一
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