
真面目におもしろいことをしよう!企業のビジネスが輝くような“世界観(ストーリー)”を世に展開し、顧客とのコミュニケーションを力強く後押しする
総合不動産業として
宅地開発から企画、設計、
施工、販売まで手がける
新築戸建て住宅の
自社ブランド「ラグシス」を展開
株式会社エスケーホーム
代表取締役社長
永田 健/Takeshi Nagata
新築一戸建ての分譲、注文住宅の企画・設計・施工、マンションやアパートの企画・開発・販売、土地建物のコンサルティングなど、幅広く不動産事業を展開する株式会社エスケーホーム。宅地の開発・造成から建物の企画・デザイン、設計、建築、施工管理、販売までをグループ全体で一貫して手がけている。
現在、グループ全体で70名強の社員が在籍しているが、その4人に1人は年収1000万円以上を得ているという。入社4年目にして1500万円、営業課長となり1800万円を稼ぐ20代社員もいる。
若くして高収入を得られる要因の一つは、企画・設計・販売している物件の魅力にあるようだ。自社ブランド『Luxsis(ラグシス)』は、お客様が内見して一目ぼれをし、購入を即決するケースも多いという。
『Luxsis』とは世田谷や目黒といった人気エリアで展開している新築戸建て住宅で、コンセプトは「女性設計士によるデザインセンスと機能美」。空間のゆとりを重視した開放感あふれる設計は、都心で暮らしながらもリゾート気分でくつろげると好評だ。見た目の美しさだけでなく機能性も大切にした細やかな設計で、さらに耐震にも配慮がなされている。
ラグジュアリー感のある物件だが、購入者は富裕層に限定されず、30代~40代のサラリーマン世帯も多いという。
「即決で購入する方が多いですが、購入後もご満足いただいています。クオリティの高い、自信を持っておすすめできる商品です」と、代表取締役の永田健は自信を見せる。
土地の購入から設計、施工、販売まですべてグループ内で行うため、外注コストがかからないのが同社の強み。そのため、魅力的な物件を多くの人の手が届く価格設定で販売することができると同時に、社員にも還元できる。
永田は「実力で稼ぎたい」という社員たちが、それを実現するステージを与えたいと考えている。永田自身、まずは稼ぐことを目標に努力を重ねてきたからだ。
永田は、小中学校時代は野球少年だった。強豪チームで、厳しい練習にも耐え抜いてきたという。高校でももちろん野球部に入部したが、途中で退部した。
「小学校~中学校時代は強いチームで、真剣に野球に取り組んできました。けれど高校時代の野球部は、『勉強との両立が大切。甲子園を目指すほどまで頑張らなくていい』という方針。私はそれに納得できなかったのです。高い目標を掲げてこそ努力できる。中途半端な目標のために努力するほどキツいものはないと考えていましたから」
高校卒業後は大学に進学。しかし「たいしたことを学べない」と早々に見切りを付け、中退した。その後、「若くても稼げる」という理由で、運送業のアルバイトを始めた。
6年近く運送業で働いた後、「年齢を重ねても稼げる仕事をしよう」と飛び込んだのが不動産業界だった。不動産仲介会社に営業職として入社。1ヵ月目から契約を取り、半年も経つと先輩社員の売上を抜いてトップセールスにまで上り詰めた。
当時の永田は「どうすれば購入してもらえるか」に考えを巡らし、「お客様の感情を揺らすことが大切」という答えを導き出した。
住宅を選ぶ際の要件は、エリア、価格、間取り、設備、駅までの距離、周囲の環境など複数ある。しかしながら、すべての希望条件を満たす物件はまずない。顧客はちょっとした不満が引っかかり、決断できないケースが多い。そこで永田は、顧客との対話を重ね、その人が何にこだわっているかを探った。
「お客様にとって『これだけは譲れない』と思っているポイントを見極め、その点において120%満足できるような物件を探して紹介しました。いくつかのポイントでは妥協しても、それを上回るような魅力を提供することで、お客様の心が動き、満足感を持っていただくことを心がけたんです」
顧客の心をつかんで高い業績を挙げた永田は、「自分でできる」と確信し、1年で退職。起業に向けて準備に入った。まだ資金がなかったので、知り合いの不動産会社に事務所スペースを借り、売上の20%を支払う契約で1人で仕事をスタートする。
1年半で資金を貯め、1997年、株式会社エスケーホームを設立。3名で不動産の売買仲介事業から着手した。順調に売上を上げるとともに、住宅分譲事業、収益用アパート・マンション事業などに進出、さらに自社での設計力を高めて現在の体制を築いた。
「住宅の売買仲介の経験を積み重ねることで、私たちは『売れる住宅』とはどんなものかをつかんでいました。だからこそ、多くの人のニーズを満たし、ご満足いただけるような自社商品を創ることができたのです」
現在、エスケーホームグループには、「用地仕入」「コンサルティング」「住宅建築設計・施工管理」の3つの職種がある。用地仕入職は、新築住宅を建てるための土地を仕入れる仕事だ。不動産仲介会社から土地の情報を聞き出し、いかに付加価値を加えて高く売るかを考える。会社の収益にも直結するような「第二の経営者」ともいわれる重要な業務だ。
コンサルティング職は、自社物件あるいは仲介物件をお客様に紹介する。訪問販売やテレアポは一切行わない。HPや広告からの問い合わせに対応する完全反響型の営業スタイルだ。自社ブランドをはじめ物件に魅力があるので問い合わせも多い。一生でもっとも大きな買い物といわれる住宅の購入。お客様の人生の夢やライフプランに関わることができるのが大きなやりがいといえる。
住宅建築設計・施工管理職は、自社ブランド『Luxsis』シリーズの新築戸建住宅の設計施工・管理を担当する。建築設計士は全員女性。入社1年目からプランニングを任され、設計だけでなく現地調査、意匠、施工現場の立会と全行程に関われるのが醍醐味だ。
エスケーホームは、完全実力主義。入社1年目からチャンスは平等にあり、年齢、経験、性別の差は一切ない。用地仕入、コンサルティング職はインセンティブ制度を採っているため、頑張って結果を出せば報酬に反映され、20代でも年収1000万円以上に手が届く。
住宅建築設計・施工管理職は、インセンティブはないものの、他社と比較すれば給与額は高く設定されている。同年代の夫の3倍稼いでいる設計職の女性社員もいる。
若いころから自分自身も「稼ぐことをずっと仕事の目標にしてきた」と語る永田。社員にもエスケーホームで「稼いでほしい」と考えている。
「日本では『お金を稼ぎたい』とは大っぴらには言いにくい空気がありますが、実際、お金で多くの問題が解決できると私は思っています。『仕事を通じて社会に貢献したい』という考え方ももちろんいいのですが、若いときに自由に使えるお金を持たないと大きな人生の夢も描けない。月に昼食代込み3万円の小遣いで30年間過ごすなんてキツイですよね(笑)。だから当社では若くても、経験が浅くても、結果を出した人が稼げる環境を提供しているのです」
もちろん、頑張れない社員は高収入を手にすることはできない。後輩に抜かれることもあるという点で、プレッシャーも大きい。
エスケーホームで活躍し、稼いでいる社員は運動部の出身者が多いという。厳しい練習に耐え、対戦相手と、そして自分自身と戦った経験が活かせているようだ。
「当社のブランドはとても売りやすい商品です。ですから、特に知識や経験が少なくても本気になれば誰でも売れるのです。他人や環境のせいにするのではなく、言い訳をしないで本気で頑張れる人は、たとえ最初は苦戦をしたとしても、成果を出せるようになる。『自分の力で幸せになりたい』という欲望の強い人が、年収1000万円以上稼いでいますね」
永田の社員育成方針は「放任主義」だ。仕事を任せ、あとは放っておくことが成長を促すと考えている。
「人に依存せず、自分の責任として捉えて、自分で判断しなければならない。そんな状況に身を置いて、能動的に行動してこそ、実力が磨かれます」
今後は、ビルやマンション建築でも今以上に自社ブランドを展開していきたいというビジョンがある。さらに、海外進出も視野に入れている。会社の業績が上がり、成長拡大につながることは何でもチャレンジしていくというスタンスだ。
実際、過去には沖縄のリゾート開発やベトナムでの飲食店事業に取り組んだこともあった。この各事業は今は一段落しているが、また同様のチャンスがあれば今後も積極的に事業化したいと考えている。
「プロジェクトを率いてくれるような力のある人材が『やってみたい』と手を挙げてくれれば、ぜひ任せたい。変化を恐れず、挑戦してほしいと思います」
歯に衣着せぬお話しぶりで、普通の人なら発するのをためらうような本音もズバっと語る永田社長。一見すると厳しくも見えますが、若い世代が夢を持てない、雇用環境が不安定で低収入しか得られないという社会状況に真っ向から挑む、強い志からの言葉ではないかと感じられました。キレイごとだけを並べた「ぬるま湯」ではなく、社会で本気で勝負したい人には挑戦しがいのある、得難い環境だと思います。
1968年、埼玉県生まれ。大学を中退し、約6年運送業に従事した後、不動産仲介会社に営業職として入社。半年でトップ営業に。自身での独立成功を確信し入社1年で退職、準備期間を経て1997年、株式会社エスケーホームを設立。これまでの21期全て黒字経営。近々の上場と海外進出を視野に新規プロジェクトを展開中。
インタビュー・編集:青木典子、三本夕子/撮影:出島悠宇
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フリーランスを活用する企業のリアルな声を、事業開発に活かす新しい営業職
2年間で4つの新規事業を担当。「ゼロから創る」へのチャレンジを続ける
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