
一人ではできないことを、チームで実現させるスイミー経営
佐々木 隆之 / Takayuki Sasaki
株式会社セカンドマインド
代表取締役
「若者たちには、世の中や将来に対して抱える不安を力にして、日本を変えるムーブメントを起こしてほしい」
そう力強く語るのは、税理士とコンサルティング企業社長の二つの顔を持つ、佐々木隆之だ。代表取締役を務める「株式会社セカンドマインド」は、中小企業を対象にした税務会計顧問、財務コンサルティング、企業参謀サービスを展開。2013年の設立以降、順調に業績を伸ばし、現在のクライアントは180社以上に上る。
学生や新社会人との対話を通じて、「今の若者は日本社会や自分の将来を憂いている印象を持った」という佐々木。国民総幸福量の低迷、歯止めがかからない少子高齢化、人口減少――不安要素は尽きない。一方で、彼らの人間性や、自己成長・社会貢献に対する意欲を高く評価する。そのポテンシャルを活かし、「自分たちが日本を変えていく」というバイタリティを持って、パラダイムシフトを起こしてほしいという。
「正直、自分が同じ年齢の時とは比べものにならないほど、今の若者は素晴らしい能力を持っています。42歳となった今、若い人たち特有のフレッシュなパワーはありませんが、一経営者として、彼らの能力を最大限発揮できる環境を提供する立場にいると自負しています。社会の宝である若者たちがセカンドマインドで働くことで、さらに成長し、夢を実現する力を習得できれば、これほどうれしいことはありません」
またセカンドマインドのクライアントのほとんどが中小・零細企業だ。「日本経済を動かしているのは、国内企業のうち99%を占めている小・中規模の企業と言っても過言ではない」と佐々木。同社でのコンサルタント業務を通じて、クライアント企業の発展や拡大をサポートできれば、組織そのものだけでなく、クライアント企業に在籍する従業員や家族の暮らしも豊かにできる。結果的に日本経済の活性化へとつなげられる仕事だ。
佐々木は、セカンドマインドで働く醍醐味について、「経済を動かす経営者たちと出会えること」と話す。15社の企業を担当すれば、15人の経営者と関係を構築できる。世の中の動向やトレンドに詳しく、組織を統率するエネルギーを持つ経営者からは、学ぶものが数多くあるだろう。同時に、コンサルタントは財務や税務のスペシャリストとして、クライアント企業に価値を与えられる存在でなければならない。資格取得や情報のアップデートに対するモチベーションが高いのが、セカンドマインドの社員の特徴だ。
ただ、「入社時のスキルや知識の有無は関係ありません」と佐々木は言う。
「コンサルタントとして実力を付けるための努力は欠かせませんが、課題解決力・論理的思考力といったビジネススキルや会計・税に関する専門的知識は、経験に応じて習得できるもの。スタート時点で仕事ができる・できないより、想いが当社と一致するかが大事です。これから共に働く仲間に求めることは、マインドセット。中小・零細企業の発展に貢献したい、日本の未来を明るくしたい。そんな気概があれば、年齢問わずに活躍できると考えています」
経営者の立場にも想いを寄せる佐々木。悩みの種となる経営資源の「ヒト・モノ・カネ」に関する話を自社の社員に吐露できる経営者は少なく、「基本的に孤独なポジション」という。組織のリーダーに寄り添うパートナーとして、相談相手として、経営に伴走することもコンサルタントのミッションだ。その際重視してほしいのは、「絆」。ときには相手に異を唱えなければならない場面も出てくる仕事だからこそ、経営者と絆を築けていれば、関係性が崩れることはない。「うわべだけの関係や表面上のサポートではなく、深い絆づくりを意識してほしい」と佐々木は力を込める。
若者たちに対し、セカンドマインドの組織に新風を吹き込む存在としても期待をする佐々木。特定の企業カラーに染まっていない若手は、自社のカルチャーや理念を継承する人材になり得る。しかし設立以降右肩上がりの成長を続けていた同社では、即戦力を求め、キャリア採用で増員を図っていた。中途入社の社員がいたからこそ、現在の規模まで拡大できたことを実感しながら、若い年代がいないがゆえの課題も組織として抱える。それは一枚岩の経営が難しいことだ。
「経営者との絆について触れましたが、強い組織を作る上でも、社員全員が同じ目標・目的に向かい、絆を深めていくことが何より大事です。当社の経営理念や存在意義に共感をしてくれるピュアな人材を増やし、セカンドマインド独自の組織風土を醸成させていきたい。そして当社の事業を通して、社会貢献の輪を広げていきましょう。クライアントのために自分は何ができるのか、経営者にどんな気付きを与えられるのか。その想いが、日本を変えるきっかけになると信じてほしいです」
公開日:2022年7月15日
株式会社セカンドマインド 代表取締役/佐々木隆之税理士事務所 代表税理士
1979年生まれ。2002年に立教大学観光学部を卒業後、株式会社ジェーティービーに入社。営業として活躍後、2005年に税理士を目指すべく退職。税理士資格試験の勉強をしながら金子会計事務所で実務の修業を積む。2011年5月に税理士登録。2013年4月に佐々木隆之税理士事務所/株式会社セカンドマインドを設立。
Contact
東京都台東区柳橋1-23-3 VORT浅草橋駅前3F
https://secondmind.co.jp/
インタビュー・執筆:堤真友子/編集:山田富美
撮影:中島はるか
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