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ストーリー代表・CEO

「人も地球も美しく」、SDGsを達成するために 企業と私たちが、今できること

最新ストーリー社員_ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN)

株式会社ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN,Inc)
代表取締役 CEO
野田 泰平 / Taihei Noda

ウォーターエイドジャパン
事務局長
高橋 郁 / Kaoru Takahashi

JBIG、P.G.C.D. JAPANでは、2020年1月から6月まで「せっけんは地球を救う 子どもたちに届ける水100トンチャレンジ」を実施した。このチャレンジは、サボンモーヴ(洗髪用石鹸)、サボンフォンセ(洗顔用石鹸)のいずれか1つを購入するごとに、認定NPO法人ウォーターエイドジャパンを通じて、水を安全に使えないに水30リットル分を寄付するという取り組みだ。チャレンジの結果報告と、年々深刻化する世界の「水問題」を中心に、持続可能な社会の在り方について、JBIG、P.G.C.D. JAPAN代表の野田泰平とウォーターエイドジャパン事務局長の高橋郁(かおる)氏が語り合った。


今、世界で起こっている「水」にまつわる問題

野田泰平(以下、野田):今年、私たちのプロダクト開発の原点である「水問題」にまつわるアクションを起こしたいと考えていました。

そこで認定NPO法人ウォーターエイドジャパンと事務局長の高橋さんにご相談したんですよね。

高橋郁(以下、高橋):今回のキャンペーンの企画をいただいた際に、 P.G.C.D.JAPANの理念や想いを伺ったとき、私もすごく共感しました。水問題について真剣に考えている企業と新たな取り組みに挑戦できることが、とてもうれしかったです。野田さんはなぜ、水問題に関心をお持ちになったのでしょうか?

野田:起業する前に、琵琶湖の水質汚染の原因が、一般家庭から排出される合成・化学原料入りの洗浄剤や化粧品であると知り、大きなショックを受けたんです。人をきれいにするはずの化粧品が、地球を汚しているのはおかしいと思ったことが、石鹸を開発し、P.G.C.D.というブランドを創立するきっかけになりました。

高橋:それが、「人も地球も美しく」というビジョンや今回のチャレンジにつながったんですね。

野田:ええ。ご協力いただいたおかげで、「せっけんは地球を救う 子どもたちに届ける水100トンチャレンジ」は、最終的に900トン分の水を集めることができました。集まった寄付は、インドの安全な水を確保できない地域において、ウォーターエイドジャパンを通じて湧き水を利用した給水設備を設置する活動の支援や、公益財団法人日本ユニセフ協会を通じて浄水財の寄付などに活用していきます。今は世界的なコロナ禍により、現地で工事ができない状況ですが、近い将来、必ず実施します。

高橋:目標を大きく上回る結果となりましたね。このチャレンジをきっかけに、多くの人に水問題について考えてもらえるようになればと思います。

野田:現在、世界における水問題には、どんな課題があるのでしょうか?

高橋:約10年前、国連において、「清潔で安全な水を利用することは人権である」と認められました。しかし、現在も世界では約7億8500万人の人々が清潔な水を使うことができません。清潔な水を使えないことは、衛生上の観点からだけではなく、さまざまな問題を引き起こしているのです。

例を挙げると、アフリカのある村では、子どもや女性が片道数時間をかけて毎日水を汲みに行っています。過酷な水汲み労働を強いられている人の多くは、女性や子どもたち。水汲みのために学校に行けず、十分な教育を受けられないため、将来、就ける仕事が限られてしまいます。女性が水汲みに多くの時間を使わざるをえず、貧困から抜け出せないという悪循環を生み出してしまっているのです。また、きれいな水を飲めないことで、頻繁に下痢を繰り返して栄養を十分吸収できなくなったり、コレラなどに感染したりして、命を落としてしまう子どももたくさんいるのです。

野田:今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で「手洗い運動」が実施されていますが、開発途上国ではさらに深刻な影響があるのではないでしょうか。

高橋:ええ。多くの低中所得国、開発途上国では、自宅に手を洗うための設備がありません。保健医療施設や学校も同様です。公衆衛生上の緊急事態を受け、ウォーターエイドでは、現地政府と協力しながら保健医療施設や人が集まる場所、遠隔地に手洗い設備を設置する取り組みを進めています。

「豊かさ」の背景にある開発途上国の犠牲を知ってほしい

高橋:これらの開発途上国の水の問題については、なんとなく知っている方は多いと思いますが、野田さんは「バーチャルウォーター」※1についてはご存知ですか?

野田:ええ。バーチャルウォーターの存在を知ったときは、非常にショックを受けました。日本は水が豊かだと思っていましたが、実は日本をはじめ先進国の多くが、開発途上国の貴重な水を自分たちの生活を豊かにするために奪っているという事実を知り、愕然としました。この経済循環は、本当におかしいと思います。

高橋:日本のバーチャルウォーター輸入量は、国内における年間水使用量と同程度と言われています。※2

野田:何気なく飲んでいる1杯のコーヒーの背景には、コーヒー豆を生産するために、エチオピアなど、開発途上国の貴重な水が大量に使用されていることを知らないといけませんよね。

高橋:そうですね。日本を含む先進国の豊かな生活は、開発途上国や貧困国の犠牲の上に成り立っている部分もあるのです。これが先進国と開発途上国の間に生じている、地球の「ひずみ」ではないかと思っています。

野田:バーチャルウォーターをはじめ、こうした水にまつわる問題や地球上で起こっているひずみについて、なかなか一般に知られていないのはなぜなんでしょうか?

高橋:これらの問題は、あまりに当たり前になり過ぎてしまって、改めて注目されることが少ないように感じています。特に、水問題は年々深刻になっているのですが、国際社会の中でも、新しいトピックになりにくい。特に日本では、「水に困る」といったことはほとんどないので、あまり関心をもたれず、考える機会が少ないのだと思います。

野田:「自分事化」できていないんですね。でも、皆が関心を持たなくなったら、水問題の解決に取り組む人がいなくなってしまいます。「水問題を放っておいたら駄目だ」と思う人を増やさないといけないですよね。

高橋:ウォーターエイドでは、毎年、国連で定められた「世界水の日(3月22日)」に、啓蒙活動を行っています。青いものを身につけた写真に「#Blue4Water」というハッシュタグを付けて、SNSに投稿してもらったり、東京ビッグサイトなどの大規模施設をブルーにライトアップしたりといったアクションを起こしており、多くの方々に参加してもらいたいと思っています。

野田:ウォーターエイドの活動や水問題について、もっと多くの人に知ってもらうために、私も何かできないかと考えてみました。そこで制作したのが、「Blue Soap Action」ステッカーです。今後、水問題のシンボルマーク、アイコンとして世の中に浸透し、さまざまな団体や企業、問題意識を持つ人に使ってもらえればいいなと思っています。

高橋:すてきなアイデアですね! 私もウェビナーなどの開催を増やし、世界の水問題の現状や情報を発信して、たくさんの人に水問題を考えてもらう機会を作っていきたいです。

「モノを買う」ことは「生き方」の選択

野田:化粧品業界においても、バーチャルウォーターのように、生活を豊かにするための矛盾が生じています。日本では1回の洗髪にシャンプー、リンス、トリートメントなど、平均3.6品が使われており、それを流すたびに水を使用しています。

高橋:1分間シャワーを使うと、約10リットルの水を消費すると言われていますが、これは開発途上国の子どもや女性が、1回の水汲みで持ち帰る水の量(約20リットル)の約半分に相当しますよね。

野田:これだけ技術が進化し、便利な社会になっているのに、洗髪に使うアイテムと水の量は一向に減らない。

これらの矛盾を解消したくて開発したのが、サボンモーヴです。シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナーが1つの石鹸で完結するため、洗い流しは1回だけ。固形石鹼なので、ボトルも不要。いつものヘアケアをサボンモーヴに変えるだけで、水の消費量、ゴミの排出量を抑えることができるんです。

高橋:御社からご支援いただけるということで、御社の商品とかコンセプトのお話を聞いて、BtoCのビジネスモデルで、環境問題の改善を目指した事業を展開しているのは素晴らしいと感じました。環境問題にすごく力を入れている企業からご支援いただくって、本当に嬉しいなって思いました。

野田:昨今、日本でもSDGs(持続可能な開発目標)が浸透しつつあり、CSR(企業の社会的責任=社会貢献活動)を進める企業も増えています。ただ、ほとんどの企業は、主幹事業とCSRを分けて行っている。本来であれば、会社の基幹事業そのものが地球環境に優しいものでないと、SDGsもCSRも表面的な取り組みだけになってしまうのではないかと懸念しています。つまり、事業自体が社会に貢献できるビジネスであるべきだと考えています。

高橋:あくまでも主観ですが、「持続可能な社会に変える」ために、私たち消費者も企業も、まだできることが多くあると思います。企業だけに変化を求めるのではなく、私たち消費者も、商品やサービスを選ぶ際に、持続可能な社会について考えて、選択する必要があると思います。

例えば、買い物をするとき、消費者が「安さ」だけを求めていると、企業もそれに応えるために、できるだけコストのかからない方法で生産しようとします。でも、その背後には、劣悪な環境で労働を強いられている人がいたり、環境に大きな負荷をかけている場合だってある。自分を含め消費者としては、生活をしていく上で「価格」は大切ですが、安さに飛びつく前に一度立ち止まって考えることも重要なのではないでしょうか。

野田:最近では、消費行動の世界的な流れとして「ヘルシー」がキーワードになってきていると感じます。ここで言うヘルシーとは、自分が消費するものの生産過程や環境への影響などを知り、購入時に取捨選択をしていくという価値観です。消費行動において、自分は何を基準にして商品を選ぶのか。それは、「生き方の選択」であると言っても過言ではないでしょう。

高橋:そうした価値観が、商品を選ぶ際の基準として広まればいいですよね。個人でも、SDGsを生き方の一つとして選択する人が増えれば、世界はより良い方向へ変わっていくと思います。これから、企業は持続可能な社会につながるビジネスが求められていくと思います。企業とユーザーの双方が、品質と価格について納得できれば、より、SDGs、CSRへの意識を高め合うことができるようになると思います。


注釈
※1
(※バーチャルウォーター:食料を輸入している国( 消費国) において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものであり、ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏がはじめて紹介した概念。例えば、1kg のトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800 リットルの水が必要です。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。つまり、日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。言い換えれば、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができます。引用:環境省ホームページhttps://www.env.go.jp/water/virtual_water/

※2
日本のカロリーベースの食料自給率は40% 程度ですから、日本人は海外の水に依存して生きているといえます。つまり、日本はバーチャルウォーターの輸入を通じて海外とつながっており、海外での水不足や水質汚濁等の水問題は、日本と無関係ではないのです。2005 年において、海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は、約800 億立方メートルであり、その大半は食料に起因しています。これは、日本国内で使用される年間水使用量と同程度です。
(※東京大学生産技術研究所 沖教授らのグループでは2000 年のデータをもとに約 640 億立方メートルという値を算出している。今回の推定値は、データを2005 年に更新した上で、木材等新たな産品を追加し、沖教授のご指導を受けて、環境省と特別非営利活動法人日本水フォーラムが算出したものである。引用:環境省ホームページhttps://www.env.go.jp/water/virtual_water/

Profile

【野田 泰平】
株式会社JBI GROUP(JBIG)代表取締役 Founder CEO、株式会社ペー・ジェー・セー・デー・ジャパン(P.G.C.D.JAPAN,Inc)代表取締役 CEO。1979 年福岡県⽣まれ。
<学歴>
kuwasawa Design School 卒業
Globis 経営⼤学院 卒業
<学位>
建築学⼠ BARCH (Bachelor of Architecture)
経営学修⼠ MBA (Master of Business Administration)

【高橋 郁】
高校時代に国際協力に関心を持つ。大学卒業後、流通小売企業に就職。英ロンドン大学東洋アフリカ研究所で開発学修士を取得後、緊急人道支援のNGOに入り、広報、マーケティングなどを担当。2012年より現職。

執筆・編集/高橋奈巳

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