
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社インフォマート
フードマーケティング部 セールスマーケティング課
早川 剛生 / Takeo Hayakawa
フードマーケティング部 セールスマーケティング課
鳥山 佳峰 / Yoshitaka Toriyama
カスタマーサクセス部 コンサルティング課
三林 美文 / Mifumi Mitsubayashi
※写真右より
国内最大級のフード業界向けプラットフォームを運営し、フード業界のDX化を支援してきた株式会社インフォマートが、2021年に新プロジェクト『FOODCROSS(フードクロス)』を発足。 『人に寄り添う、テクノロジーでつながる、未来を創造する』をテーマに、展示会やオンラインセミナーを通じて、フード関連企業の最先端の取り組みを紹介し、企業同士の交流を促進。業界全体の発展に寄与することを目的とする。
インフォマートが、コロナ禍で打撃を受けたフード業界を活性化させようと立ち上げた『フードクロス』。座談会を通じて、プロジェクトメンバーである早川(Webサイト構築担当)、鳥山(現場リーダー)、三林(セミナー担当)が、フードクロスへの想いを語った。彼らが参画することになった経緯とは? そしてフードクロスに取り組む原動力とは?
鳥山 フードクロスのイベント開催も近づいてきました。ここで少し振り返ってみたいんですが、フードクロスの発端は、去年のオンラインセミナーですよね。
早川 そうですね。去年はフード業界にDXを推進するためのイベントとしてオンラインセミナーを開催しました。なんとなく「来年も開催しよう」という雰囲気になってはいましたが、先々のことまで深く計画できていなかったんです。
今年の年初には、「フードクロスをオンラインとオフラインで開催しよう」と計画はされていたものの、コロナの影響でなかなか準備が進みませんでした。そんな中、フード業界全体をつなげる取り組みとして「フードクロスプロジェクト」が立ち上がり、コミュニティサイトの構築と、11月のカンファレンスの開催が決定しました。
鳥山 早川さんは早い段階からフードクロスにかかわっていましたね。
早川 昨年末、コロナ禍で苦しんでいる飲食店向けの情報発信サイトの制作をしていたとき、せっかくなら既にあるフードクロスと結び付けようと提案しました。その流れで、プロジェクトのサイト構築を担当することになった感じです。2人がフードクロスにかかわり始めたのは今年の夏ごろですよね。なぜ参画することになったのか、あらためて聞かせてもらえますか?
三林 今所属しているカスタマーサクセスでの仕事では、既存顧客のサポートをしていますが、コロナ禍で困っている外食企業がとても多いことを目の当たりにしてきました。皆さん、新しい取り組みをして現状を打破したい気持ちはあるものの、具体策を立てるのは難しい。何かヒントをお届けできたらと思い、部署内でセミナーの企画を検討していたんです。それが「テクノロジーの力でフード業界を飛躍させる」というフードクロスのコンセプトと相性がいいと感じ、8月から参加しました。今では、食材提供会社様のフォローもしています。
鳥山 僕も同じですね。以前の部署も含め、仕事でかかわっていたお客様からいろいろなお声をいただく中で、フードクロスで何かできそうだと思い、自ら手を挙げて参加しました。それが今年の7月くらいですね。
三林 どんな意見があったんですか?
鳥山 飲食店の社長さんは、やはり「飲食業界を発展させたい」「新しい取り組みをしたい」という気持ちが強い印象でした。20年間かけて飲食業の企業様と関係を構築してきたインフォマートだからこそ、その想いを無駄にしてはいけない。我々に協力してくれたお客様、コミュニケーションをとってきたお客様と情報交換をしながら、一緒に作り上げるフードイベントができたらと思いました。
早川 それは同感ですね。インフォマートは、今でこそあらゆる業界に対応したサービス展開をしていますけど、僕が入社した当初はフード業界向けのサービスしかありませんでした。飲食に浸った時間が一番長い。長年蓄積してきたノウハウや知識はもちろん、何よりフード業界に愛着を持っています。だから飲食企業が盛り上がれて、「ここに来ればいい情報を得られる」と思える場を提供していくべきという気持ちが強いですね。
三林 私も入社してからずっとフード事業部にいるので、コロナ禍の今こそ、成長するための有益な情報が求められていると肌で感じています。せっかく大規模なイベントをやらせてもらえるのだから、頑張りたいですよね。
鳥山 フードクロスの成功が飲食業界の貢献につながるはずというのが、今のモチベーションです。副次効果として自分の自己成長になればという気持ちもあります。今は僕が現場リーダー的なポジションにいるんですけど、すごくいい経験ができています。
――フードクロスのイベント開催にあたっての苦労、そして力を入れたことは?
鳥山 三林さんは8月からフードクロス参加なので、セミナー内容を短期間で詰めるのに苦労したのでは?
三林 10月のオンラインセミナーに関しては、11月のオフラインイベントを盛り上げる起爆剤にしなければというプレッシャーは多少あります。ただ、企画自体は「こんな情報を発信したい」と思っていたアイデアがもともとあったので、悩むことは少なかったですね。それよりも、フォローで入っているオフラインイベントの方が大変です。ロボットによる食事配膳の展示ブースを設けていますが、展示会での食事提供の知見がなく、今まさに皆さんと相談しながら運営方法を決めている最中です。
早川 前例がないが故の難しさは、僕が担当するWebサイト作りにおいてもありました。当初は普通のWebサイトを作るはずでしたが、『フードクロス』の名称にちなみ、双方向がクロスしてコミュニケーションを図れるよう、コミュニティサイトを制作することになったんです。最初は戸惑いました。
鳥山 コミュニティサイトはインフォマートとしてもあまり経験がないですよね。
早川 そうなんですよね。Web制作だけでなく、その後のコミュニティ運営もサポートしてくれる会社を探すところからでしたからね。企業同士が悩みを相談したり、課題を解決したりする場所にするために、コメント機能も実装させて互いにやりとりできる仕様にしています。
鳥山 僕もこうした展示会やイベントに携わること自体初めてですし、社内にも知識を持っている人がいない苦しさはありました。企画会議もなかなか進まず、自分の進行が悪いのかと落ち込むことも多々ありましたね。
早川 会社としてフードイベントを開催した実績がないから、なかなか思い通りに進まないことが多かったですよね。「これはどう?」とアイデアが出ても、何かしら課題が挙がって振り出しに戻る。その繰り返し。
鳥山 案出し自体も大変でした。プロジェクトメンバーだけでアイデアを出し合うにも限りがあるから、多方面から意見を吸い上げて、それを具現化していける方法を編み出して……。
三林 鳥山さんは社内推進を積極的にされてましたね。
鳥山 フードクロスはプロジェクトメンバー30人だけのものではなくて、フード事業部120人のもの。もっとかかわりたい人を巻き込むために、僕らがやっている内容や進捗をどんどん発信して、共有できるようにしました。結果的に皆さんからたくさんのアイデアをもらえて、ようやく形になってきたと思います。
早川 2人は、イベントまで残り3、4ヵ月というタイミングで参加してるから、かなり急ピッチで進めていった感覚があるんじゃないですか。
三林 通常業務と並行してフードクロスに参加しているので、時間的には大変でしたね。でも参加企業様が興味を持たれ、参考にしてくださるような内容を、登壇企業様と一緒に練ってこられたと思っています。一つでも持ち帰ってもらえる内容があればうれしいです。
鳥山 準備期間は短かったですが、「インフォマートだからこそ成し遂げられた」と思われるイベントになると思います。参加企業様の成功体験を直接聞けたり、会場に設置するフードトラックやカフェでフードテック体験ができたり、コンセプトの「つながる」を感じられる要素が散りばめられている。決して誰か一人だけが頑張ったからできたわけではなく、かかわってくれた人全員の努力が成し得たものになると信じています。
――今回のイベント、今後のフードクロスに向けた抱負とは?
三林 まずは担当である10月のオンラインセミナーが、当日の運営も含めて良いものになるように頑張りたいですね。
鳥山 直近の10月のセミナーの成功で弾みをつけて、11月のオフラインイベントでは目標以上のお客様に来ていただきたいです。あとは、当日いかに楽しく盛り上げるか。今はそこに意識が向いていますね。
早川 コミュニティサイトは、すでにオープンしていますが、ここからが勝負。ユーザーが欲しがっている情報にアンテナを張り、ニーズに応えられるコンテンツ作りをしていかなければなりません。
鳥山 まだ第1回を終えていない段階ですが、フードクロスはここからが始まりですから。お客様はもちろん、うちの社員も含めて、足を運んでくれた人たちに「開催してよかった」と思ってもらいたい。今回で終わらせたくないですね。
早川 インフォマートは、フード業界標準のプラットフォームを提供する立ち位置の会社だから、フードクロスも、業界標準となるコミュニティサイト運営やイベント開催を続けていきたいです。
三林 今回の取り組みが、普段の業務で取引する企業の方々に「インフォマートと長く付き合いたい」「こんな活動を続けている会社のサービスを使いたい」と思ってもらえる一因となるようにしたいですね。
鳥山 通常業務でかかわっている、インフォマートとアライアンス契約をしてくれる企業様にも、次回以降は協力していただけたらいいなと考えています。次も開催するとなれば時間的にも余裕ができると思うので、他社と意見を出し合えば、さらにブラッシュアップされた、いいイベントになるんじゃないかと期待しています。今回は「フード業界を盛り上げる」ことだけにフォーカスしていますが、フードクロスを通じて、インフォマートの事業成長にもつなげることができれば、プロジェクトメンバーとしても誇らしく思います。
インタビュー・執筆:堤真友子/編集:ひらばやしふさこ
撮影:鈴木俊平
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
一人ではできないことを、チームで実現させるスイミー経営
入社1年目にして大阪本社の新規プロジェクトに抜擢。2年目には東京拠点の立ち上げを担う
写真家と事業家、二つの顔で自然や動物に寄り添う
タグ