
真面目におもしろいことをしよう!企業のビジネスが輝くような“世界観(ストーリー)”を世に展開し、顧客とのコミュニケーションを力強く後押しする
手荒れに悩む娘たちの声に応えたい
その一心で開発に費やした3年間
誤ったアルコール信仰を正して
感染症に負けない社会を創造する
株式会社ラングローブ
代表取締役 CEO
小林 忠之/ Tadayuki Kobayashi
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の急増で、マスク同様に供給が追い付かないアルコール消毒液に代わり、今、注目を集めている『次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)』《正式名称:微酸性次亜塩素酸電解水(びさんせいじあえんそさんでんかいすい)》。
アルコール消毒液では撃退できないノロウイルスにも有効で、且つ人体にも優しいという認識が徐々に広まる一方、政府は4月10日の閣議で「現時点で有効性が確認されていない」と答弁。無償で次亜塩素酸水を配布する自治体もある中、波紋を呼んでいます。
静岡県浜松市で次亜塩素酸水のメーカーを営む小林社長に直撃LISTENしてみました。
新型コロナウイルスが社会問題として取り沙汰されてからも、2月くらいまでは「除菌にはあくまでアルコール消毒液」という論調が大勢でしたが、3月に入ると一気に次亜塩素酸水に関心がシフトしてきたような印象です。
アルコール消毒液の品薄が一因なのは間違いありませんが、ニュース番組やワイドショーで識者の方々が、その代替品として次亜塩素酸水を取り上げるうちに、むしろ、アルコール以上のメリットがあることに気付いて、発信してくれたことが大きかったです。
これまで、私たちは介護施設や保育園向けに、まとまった量を定期的に提供するビジネスをしていたので、急激な需要増にスプレーボトルの在庫や梱包作業の人員が不足する事態に見舞われましたが、現在は小口から大口まで、十分な供給体制が整いつつあります。
次亜塩素酸は、除菌力やウイルス抑制力に優れ、厚生労働省発表のウイルス抑制マニュアルでも、介護施設や保育所でのウイルス対策として紹介されている成分で、プールやほ乳瓶の除菌、水道水の浄化、食材の洗浄など、幅広く使われています。
水と塩を専用の装置で電気分解することで生成され、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水、そして微酸性次亜塩素酸水の3種類があるのですが、私たちが提供しているのは人体に最も負荷が少ない三番目のもので、「微酸性次亜塩素酸電解水」というのが社内での正式名となります。原材料が「水」と「塩」なのですから、人体に優しいのは道理なのです。
昨今、同様に取り沙汰されている「次亜塩素酸ナトリウム」は名称こそ似ているものの、次亜塩素酸水とはまったく別モノ。「まぜるな危険!」という表示がある塩素系漂白剤の主成分が次亜塩素酸ナトリウムです。
細菌やウイルスに効果があり、消毒液としても使用される点は同じですが、亜塩素酸水とは異なり、低い濃度でも直接触れると皮膚を痛めたり、高い濃度で使った場合は有毒なガスが発生したりする恐れがあるので、この2つを混同しないよう注意が必要です。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの抗菌・抗ウイルス活性
出典:厚生労働省「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」
一番の競合は、これまで長らく除菌の王道とされてきたアルコール消毒液になるかと思いますが、アルコールの欠点は長く使用していると手荒れなどの原因になること、そして病原性大腸菌O157や黄色ブドウ球菌には効果が薄いこと等が挙げられます。
一方で次亜塩素酸水は、水と塩から作られているので人やペットの健康に影響を与えず、肌の弱い方や赤ちゃんにも安心してご利用いただけます。また、除菌だけでなく強力な消臭効果もあります。
最近は次亜塩素酸水にも後発の競合が増えてきました。しかし、私たちは生成機械の選定から濃度の調整など、商品化に3年以上の時間をかけ、発売後は安心安全な除菌を常時必要とする介護や保育に従事される方々へ、安価に安定供給してきた実績があります。そこは結果として大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
あれは少々違和感のある答弁でした。政府は「手洗いしていればアルコール消毒液は不要」と答弁したわけですが、厚生労働省と経済産業省はそれぞれのホームページ上で「手洗いに加えて消毒を推奨」とし、さらに次亜塩素酸ナトリウム液の作り方まで紹介しています。
政府と厚労省・経産省では、言っていることが違うんです。
さらに、注意深くネットを見て頂ければわかるのですが、厚労省は過去に、「次亜塩素酸水は、次亜塩素酸の存在比率が高いため、次亜塩素酸ナトリウムよりも高い殺菌活性を示す*」と見解を述べています。
*厚生労働省 議会・研究会等「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」より抜粋
三段論法ではないですが、このように普通に考えて、次亜塩素酸水はコロナを含む除菌に有効と考えるのは、客観的にも理にかなっているといえないでしょうか。もちろん最後はお客様が選ぶことですので、ご判断頂ければよいと思います。
※2020/4/17 経済産業省は「新型コロナウイルスの消毒方法」において、塩酸や食塩水を電気分解した「次亜塩素酸水」において、食品とドアノブ等身の回りの消毒のみならず、手指消毒についても適用されることを公表しています。
⇒https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200415002/20200415002.html
出典:厚生労働省「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」
私の生まれは小田原で、高校卒業の頃に父親の会社が倒産したのを機に、ここ浜松へ居を移しました。以後、自動車工場や運送会社で現場を渡り歩いた末、建設現場で資材を運ぶ荷揚げ屋として独立創業したのが、現在のラングローブのルーツになります。
そんな折、看護師と保育士として働いていた二人の娘が、職場でアルコール消毒液を頻繁に使うせいで、ずっと手荒れに悩んでいるという話を聴きました。実は当時、他社の除菌消臭スプレーを代理販売していたこともあり、肌に優しい代替品は無いかという相談でした。
父親の苦労する姿や、汗水を垂らして共に働いてくれる仲間を見てきたせいか、現場の最前線で頑張っている人たちを応援したい気持ちがいつもどこかにあるんだと思います。
その頃から微酸性次亜塩素酸電解水を使った除菌消臭剤は存在していたものの、今よりも高価で、予算の問題から病院や保育園で導入していたところはごくわずかでした。「これは自分が何とかしたい」と思い、適正な価格で高い除菌力のある商品を作る決意をしたわけです。
周りからは「5年はかかるよ」と言われましたが、開発に3年、周知に2年かかりましたから、本当でしたね。
それがこのコロナショックをきっかけに、たくさんの人から支持して貰えるようになりました。長年の苦労が報われて、人様のお役に立てるときが来たと思うと使命感が湧いてきます。
最近では地方自治体や病院から、次亜塩素酸水の生成装置に関する相談も増えてきました。次亜塩素酸水は高温や日光に弱く、取り扱いを間違えると効果が棄損してしまうこともあります。私たちが培ってきたノウハウが、感染症に負けない日本、そして世界をつくる一助になれば、これに勝る喜びはありません。
インタビュー・編集:垣畑 光哉
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フリーランスを活用する企業のリアルな声を、事業開発に活かす新しい営業職
2年間で4つの新規事業を担当。「ゼロから創る」へのチャレンジを続ける
自らの成功法則を惜しみなく伝え 結果の出せる営業部隊を創造する
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