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ストーリー代表・CEO

決済事業で積み上げた ビッグデータを活かし、 業種の枠を越えた展開へ

代表_ネットプロテクションズ

クレジットカードを
越える可能性を秘めた
新たな決済システムを創出

経験なんかなくたって
意欲があって本気でやれば
人は必ず輝ける!

株式会社ネットプロテクションズ
代表取締役社長CEO
柴田 紳 / Shin Shibata

累計ユーザー数1億人超を誇る、EC向け後払い決済サービス

「当社には約15年にわたって蓄積してきた、『他社が持っていないビッグデータ』という資産があります。Amazonがそうしたように、それを活かせば、大きなアドバンテージを持った状態でさまざまな新規ビジネスに挑戦できる。自分で新しいことを生み出したいという人には宝の山のような会社です。将来が楽しみで仕方がないですね」

株式会社ネットプロテクションズ代表取締役社長CEO・柴田紳は自信を見せる。

同社は、「後払い決済サービス」のパイオニアだ。2002年に提供を開始した、日本初のEC向け決済サービス「NP後払い」は、累計ユーザー数1億人超、導入店舗約2万3000店、年間利用者数約3000万人にまで拡大している(2017年7月現在)。

このサービスは、買い手にとっては「商品・サービスを享受した後に代金を支払える安心感」というメリットがあり、売り手にとっては「未払いを同社が100%請け負ってくれる」というメリットがある。

また、同じ仕組みを応用したBtoCサービス向けの「NP後払いair」やBtoB向け「NP掛け払い」なども提供。競合となるサービスはほぼ存在しない。企業側では人手不足のため決済業務を外注する動きが活発化しており、同社へのニーズが高まっている。

こうしたサービスを提供し続けてきたことによって、同社には「購買歴」「支払い歴」などを含んだ1億件を超えるビッグデータが蓄積された。さらには未回収リスクを低減するノウハウ、膨大な請求業務をさばくオペレーションシステムなど、積み上げた「資産」は他社の追随を許さないレベルに達している。今後はそれらの資産をもとに、革新的なサービスを次々に打ち出していく計画だ。

2017年には、会員制カードレス決済サービス「atone(アトネ)」もリリース。スマートフォンから簡易な会員登録をするだけで、1ヵ月分の利用代金をまとめて翌月支払いにできるというもので、面倒な審査はなく、5万円までなら誰でも利用が可能だ。同社が持つ後払い決済事業すべての基盤を活用して導入店とユーザーの拡大を推進し、クレジットカードに比肩する決済サービスの地位を狙っている。

「これだけのデータがそろえば、マッチング広告や金融、ECコンサルティングなど、展開できる事業はいくつもある。ここから先の可能性は無限大にあると言えるでしょう」

 

「不可能」と言われたビジネスを、孤立無援でゼロから立ち上げ

今では当たり前になった「NP後払い」も、当初は誰もが「100%実現不可能」と口を揃えたという。なぜなら、未回収リスクをすべて飲む必要があるほか、時間と資金と忍耐を要する多数の課題があり、難易度が非常に高いビジネスモデルだからだ。

柴田とネットプロテクションズの関わりは、当時の親会社であるITX株式会社に柴田が転職したのがきっかけだ。当時のITXはベンチャー企業のM&Aや買収企業先での新規事業立ち上げなどを手がけていた。ネットプロテクションズの買収が決まったとき、柴田が取締役として出向を命じられたのだ。その頃、「成長意欲の塊だった」という柴田は勇んで引き受けたが、いざ現場に入ってみると、後払い決済事業は「アイデアがあるだけ」という実態が判明した。

既存社員は30~40代が中心で、弱冠26歳だった柴田への反発は強く、モチベーションも低い。柴田自身もITの理解が十分とは言えず、営業やマネジメントの経験もないという絶望的なスタートとなった。

それでも、すでに株主は億単位の投資をしており、「できません」では済まされない。自分なりに後払い決済の仕組みを整理して必要な業務を洗い出し、社員を割り振ってプロジェクトを進めようとした。しかし、自身の力不足もあり、周囲の協力は依然として得られない。時間的な制約もあるため、すべて1人でやるしか道はなかった。何度も心が折れかけたが、「自分が止まれば会社も終わる」。その一心で、歯を食いしばって踏みとどまった。

潮目が変わったのは、10億円以上もの赤字を出しながら苦難を耐え抜き、事業が黒字に転じた頃。向上心や達成意欲にあふれる仲間が集まり始め、不可能は可能になった。そのリターンの大きさは、同社の高い成長率が示すとおりだ。

今、さらなる飛躍の機運が訪れている。しかし、社員は増やしすぎず、厳選したいと柴田は考えている。

「例えば今、営業人員を増やせば、目先の利益はもっと上げられます。でも、長期的に考えると、ここで人を採用しすぎると組織の柔軟性が失われる危険があり、いずれ効率化や事業変換を図った際に役割を失う人が出てくる可能性もある。『若者』という社会的資本といえる人たちを迎え入れる以上、企業には育成の責任がある。一人ひとりのWILL(なりたい自分、やりたいこと)を実現させていけるような場と土台を提供しなければなりません。だからこそ、少数精鋭で、個々人の成長機会を確実に確保しながら、事業を成長させていきたいんです」


 

個人の想いを最大限尊重しても、高い成果は上げられる

柴田が社員に対する成長機会の提供と育成にこだわるのは、自分自身が新卒時代に耐えがたい経験をしたからだ。

大学卒業後、「世の中にインパクトを与えるような仕事をしたい」と総合商社に入社。やる気に満ちあふれていたが、配属されたのは、数十年にわたって売上げも利益も一定を保っている部署だった。やるべきことは決まっており、新しい提案をしてみても不要だとはねつけられる。成果を出す機会も与えられないまま、「お前は同期100人中100位」と笑われた。「こんな思いをさせるなら採用するな」と怒りを覚えたという。大企業なりの安定はあったが、身分制度のような上下関係の中、自分の人生ごと会社に握られて、奴隷になったような感覚に陥った。

それでも自ら他部署と関わりをつくって新規プロジェクトに参加するなど、直属の上司にうとまれながらも挑戦し続けた。そのときの想いはずっと胸に刻まれ、ITXへの転職を経て経営者となった今、成長意欲が高い社員に思う存分チャレンジできる環境を提供したいと考えている。

以前からヒエラルキー構造の会社組織や育成のあり方に疑問を抱いていたため、意識したのは「フラット」な組織づくりだ。

「一番苦労したのは、マネジメント層全員にこうした想いを共有してもらうこと。権限を持つとどうしても上からコントロールしがちになりますから。10年かかってようやく理想形に近づきつつあります。当社は、一見普通の会社に見えるかもしれませんが、かなり普通じゃないんです(笑)。会社というより、もはやコミュニティのような感じですね」

例えば、社長もマネジャーも人事決定権を持たない。配属や異動などの意思決定は個々人に委ねられている。

また、短期的には利益が出ないとわかっている取り組みも認められているのは、かなりユニークといえるだろう。実際、同社では、社員の発案で“All-Winを叶える会社づくりを考える”非営利目的のコラムサイト『Think About』を運営しているが、同サイトは年間約2000万円の赤字を出している。

しかし、「それでも構わない」と柴田は言う。たとえ利益を生まなくとも、社会の問題解決に本気で取り組むことによって社員のモチベーションが上がり、誇りを持てるなら、ひいては採用力や育成力の向上につながっていく。すなわち、無償の社会貢献も、長期的な視点で考えれば企業力自体の向上に寄与しており、利益を上げるという営利企業のミッションには反しないと考えられるからだ。

さらに同社では、入社時から全員を対象に「経営者目線」の醸成を図る。具体的には、新卒採用者には全部署・全立場の業務を理解し、経験する研修を用意。並行して、ビジネスパーソンとしての基礎理念や経営哲学、マネジメントなどの知識をインプットする場も提供する。

そのほか、業務時間の20%を、メイン業務以外で興味のある業務に割り振る「ワーキンググループ」制度を導入。新卒採用や中長期経営計画の策定など、組織運営の根幹を成す業務に携わることもできる。すべて、理論と実践の両輪で視野を広く育み、「会社を良くしたい」という共通目標のもとに帰属意識を高め、自発的な結束力を強化するのが狙いだ。この土台があるからこそ、自由度の高い組織運営が可能となっているのだろう。

こうした取り組みは社内外から高く評価され、日本における「働きがいのある会社」ランキング(小規模部門)では、2013年以降、毎年上位にランクインし続けている。

「私たちは本気で社員一人ひとりのWILLを大切にする集団です。意欲があって本気で取り組めるなら、経験がなくても人は輝ける。だからこそ、とにかく『志ありき』です。きれいごとでも、常識外れでも、人に笑われても、青臭いことを言って本気で取り組んで、必ずその志を叶えてほしい。そして、それを応援できる会社でありたいと思っています」



 

リスナーの目線

数えきれないほどの修羅場をくぐり抜けてきた柴田社長。その過程の中で、「自分よりも優秀で意欲も能力もある若い人を縁の下で支えながら、会社を、社会を良くしたい」と本気で考えるようになったと言います。あっさりと成功していたら、社員との向き合い方も変わって、現在のような自走集団はつくれていなかったのかもしれない、とも。「この組織をつくるために、あの泥みたいな苦しみが必要だったのかな」という言葉が印象的でした。

インタビュー・編集/青木典子、小林満希 撮影/後藤敦司

Profile

1975年生まれ。福岡県出身。一橋大学社会学部を卒業。1998 年、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。2001年、ITX 株式会社に転職。当時凋落の一途を辿っていた株式会社ネットプロテクションズの買収に携わり、出向。弱冠26 歳で企業再生というマイナスの状態から日本初の決済ソリューション「NP 後払い」を立ち上げる。2004 年4 月、同社の代表取締役社長に就任、同8 月、転籍。現在に至る。

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