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ストーリー代表・CEO

海のアクティビティを楽しみながら 「命を守る」知識・技術を学べる 水辺の施設

最新ストーリー代表_Plan I 株式会社

事業理念は「水辺の文化を創造する」

日本人初のプロライフセーバーが取り組む
安全・環境保全への意識の向上

Plan I 株式会社
代表取締役
飯沼 誠司 / Seiji Iinuma

「水」の脅威。自分で自分の命を守ることから始めよう

千葉県館山市に、「海」を学び、楽しめる新しいスポットが誕生する。海のアクティビティを体験できるだけでなく、海に関する幅広い知識を学べる施設だ。

仮称は『KAKERU UMI CLUB HOUSE』。人と海、ライフセービング、環境を掛け合わせ、懸け橋となる活動をする目的から名付けた。

大きな特徴は、「ライフセービング」の体験ができること。
ライフセービングとは、海水浴場やプールにおける水難事故の防止、人命救助などの活動を指すが、まずは自分で自分の命を守ることから学ぶ。ライフセービングはスポーツ競技として、世界大会も開催されている。

この施設のプログラム参加者は、ライフセーバーの指導のもと、海のアクティビティを楽しみながら、自助(セルフレスキュー)の知識・技術を学ぶ。例えば、アウトリガーカヌーを漕ぐだけでなく、転覆したときのセルフレスキュー方法として、どのように自分で水に浮かぶのがよいのか、つまり「浮く力」をどのようにのばしていくかなどの指導を受ける。

仕掛け人は、日本を代表するライフセーバーであり、Plan I株式会社の代表取締役・飯沼誠司。30年近くにわたりライフセーバーとして活動し、ライフセービング競技の世界大会で数々の実績を残してきた。現在は次世代のライフセーバーの育成も手がけている。

飯沼は水難救助の現場に立ち続ける中で、「ライフセーバーの数を増やすだけでは根本的な問題は解決しない。一人ひとりが自分の命を守れるようにならければ」と考えた。そこで、一般や企業向けにもライフセービングを伝える講習会やイベントを積極的に開催している。

海水浴、アウトリガーカヌー、サーフィン、ダイビング、シュノーケリング、シーカヤック、SUP――海のレジャーは多彩で魅力的だ。しかし、楽しい思い出になるのも「安全」があってこそ。現実では、海での痛ましい事故があとを絶たない。海に限らず、河川や湖、プールでの水難事故も多発している。

「水」の脅威は、海や川でのレジャーに関わりがない人にとっても無縁ではない。東日本大震災では、2万5000人を超える人々が津波の犠牲となった。今後、もしも南海トラフ地震が発生すれば、広範囲にわたり大津波の襲来が予測されている。また、近年の豪雨による洪水被害も記憶に新しい。

「わずかバケツ1杯の水でも、人は溺れてしまいます。水によって命が危険にさらされたとき、いかにして自分を、そして大切な人を救うか。知識と技術を備えておくことが大切です」

そう話す飯沼は、およそ10年前より東京都世田谷区と手を結び、ライフセービング要素を取り入れたスイミングスクールの監修を手がけてきた。現在も、幼児から高校生まで約600人が通っている。初めて指導を受けた子どもたちからは「水泳って、形を覚えなくちゃいけないんだと思ってた」という声が上がるという。

「最初に重点的に教えるのは『浮く技術』です。泳ごうとして沈む人が多いのですが、浮いておけば泳げる。特に、自然環境の中では体力の消耗を防ぐために、浮いていること、つまり「浮く力」が大事。普段はプールで練習しますが、館山で『海の学校』を開催し、海での実践的体験機会も提供しています」

ときには40kgほどのマネキンをプールに沈め、「救助」も疑似体験。親子で参加してもらうこともある。他者の救助がいかに困難な作業であるかを知ってもらい、二重事故を防ぎながら、溺れた人を助けるための適切な行動を伝えている。

2021年春からは、館山の活動を拡大して展開する。

「館山の海の素晴らしさも知ってほしい」と、飯沼は言う。館山は、水泳発祥の地とも言われ、また、映画『グラン・ブルー』のモデルにもなった伝説の素潜りダイバー、ジャック・マイヨールが晩年を過ごした地でもある。東京から1時間半ほどでアクセスできる距離でありながら、残された自然も多く、海の透明度が高い。

「房総半島の先端に位置し、内房の静けさ・穏やかさと、外房のエキサイティングな波の動き、両方の魅力を兼ね備えています。水が動いて循環している場所なので回遊魚も多く、ウミガメに会えることもあります。海はサンゴも生息するほどきれいで、熱帯魚も見られるので、シュノーケリングも楽しめます。複数ある海水浴場が、それぞれまったく違う表情を持っているのも特徴的で、湘南地区ほど観光客が多くなく、目の前に広がる青い海と緑、のんびりした空気が私は好きです。夜は星空がとてもきれいです」

そんな豊かな海から歩いてすぐの立地に構えた施設。大学の寮の跡地を活用し、海のアクティビティ・ライフセービングの体験の場、自然や海に関する幅広い知識を学習する場、環境問題などよい循環を生み出すムーブメントの発信拠点基地とする。

また、地域住民のコミュニティー活動、企業研修や課外授業などに幅広く活用が可能。宿泊施設も「設備が整った海の家」のような感覚で利用してもらいたい、という。

「強い身体になりたい」。競泳からライフセービングの世界へ

幼少期は喘息やアレルギーにも悩まされたという飯沼。体質を改善するため、3歳のときに水泳を始めた。

背泳が得意で、小学生時代はジュニアオリンピック、高校時代はインターハイに背泳選手として出場。しかし、高校生の時に壁にぶつかった。毎日20km泳いで必死に練習しても、3年間でタイムが1秒しか伸びない。競泳の世界での自分の限界を感じた。そして大学に入学後、ライフセービング部に入部した。

「もともとは身体の線が細く、高校時代のあだ名は『もやし』でした。白くて細かったから、たくましい身体にも憧れていた。ライフセービング部に話を聞きに行ったとき、ライフセーバーたちが鍛えられた身体で波を乗り越え、レスキューやレースをしている様子を見て、『自分も強くなりたい』と入部を決めたんです。水泳と異なるトレーニングはとても面白かったです」

食生活の指導も受け、筋肉が付いて1年で体重が10kg増加。高校時代3年間伸び悩んだ水泳のタイムは半年で縮まった。

その後、ライフセービング競技の花形種目・アイアンマンレースのワールドシリーズに日本代表として選出され、企業からのサポートをうけて初めての日本人プロライフセ-バーとして契約を果たす。全日本選手権アイアンマンレースで5連覇を達成。海外のレースでも数々の功績を収め、2010年の世界選手権エジプト大会では、日本代表チームのキャプテンとして SERC 種目で銀メダルを獲得している。

一時期はテレビ番組やドラマ、CMなどにも出演し、「ライフセーバー」への認知度を高めた。2006年には、館山で有志と共に『TATEYAMA SURF CLUB(館山サーフライフセービングクラブ)』を設立。現在100人以上の会員を擁し、海水浴場での事故防止活動、ライフセーバーの育成、講習会開催、競技会参加などの活動を行う。

安全と環境を守る文化を、水辺から発信・創造していきたい

飯沼の事業の目的は、ライフセービングの教育だけにとどまらない。その先にあるビジョンは「水辺の文化の創造」。およそ30年にわたり、水際での事故防止・救助活動にあたってきた飯沼がたどり着いた理念だ。

華々しい経歴を重ねる裏側で、海辺のライフセービング活動現場ではさまざまな問題や困難に直面してきた。
遊泳禁止区域で泳ぐ。酒酔い状態で海に入る。親が子どもから目を離し、見失う。溺れた人を助けようとした人が溺れ、二重事故になる――リスクマネジメントができてないゆえに起こる悲しい現実を目の当たりにしてきた。

もともと「強くなりたい」という想いから始めたライフセービング。実際に水難救助の現場にも立ち会う中で、「命を守る」ことに徐々に想いを寄せていった。

「海外遠征時、外国人ライフセーバーから『日本人はよく溺れる』と聞きました。特にハワイやオーストラリアで日本人の水難事故が多発しているんです。四方を海に囲まれ、多くの海水浴場がある日本。小学校から水泳の授業があり、幼児・小学生の習い事では水泳がもっとも多い。それにも関わらず、なぜ水の事故が絶えないのか。教育をもっと充実させる必要があるのではないかと、ずっと考えていました。自分で自分の命を守る意識を高めなければならない、と」

ライフセーバーを育成して数を増やすだけでなく、一人ひとりがウオーターセーフティーの知識・技術を持てるようにしたい。そんな想いが、現在の一般向け教育事業の拡大へとつながっている。

また、「水辺」以外での活動も始めている。2015年、『一般社団法人アスリートセーブジャパン』を設立し、代表理事に就任。「スポーツ中の突然死ゼロ」を目標に掲げ、スポーツ教室や、AED使用法・心肺蘇生法などの1次救命を教える「いのちの教室」を開催している。

あらゆるスポーツの場で、事故が起きた際、監督・コーチ・選手・観客も含め、冷静に対処して相互に助け合えるようにするのが狙い。著名アスリートを含め、サッカー、陸上、柔道、体操、卓球、バスケなど幅広い分野から約80人のアスリートが参加し、「命を大切にする心」の育成に取り組んでいる。

そして、もう一つの課題は「環境の保全」。海辺には缶や瓶、バーベキューの残骸が放置され、流された浮き輪やビーチボールが沖に漂い90Lサイズのごみ袋があっという間にいっぱいになる状態だ。ビーチの清掃活動をおこなうと、何袋にもなることも多々ある。アクティビティ参加者には、環境問題も同時に伝えていきたいと考えている。

「海にどんなものが落ちていて、どんな害をもたらしているのか、自分の目で見て体験してもらいたいんです。そうすれば理解が深まるし、『守りたい』気持ちが芽生えてくるのではないかと思っています」

「安全」と「環境」を守る。個々が意識を高めて実行していけば、それは「文化」へと育つ。それが、飯沼が掲げる理念「水辺の文化の創造」だ。

「現場を知っている私たちが発信することで、まずは水辺から人々の意識を変えていきたい。そこから、安全管理や環境保全を当たり前とする文化を育てていけば、日本はもっといい国になるはずです。館山の施設は、意識するきっかけ、第一歩として利用していただきたいと思います。海を楽しみながら、海を学び、皆さんと一緒によりよい水辺の文化を築いていければうれしいです」

リスナーの目線

子どもや知識を持たない大人たちに「教える」「意識付けをする」だけにとどまらず、その人たちを巻き込んで「文化を創造する」という発想――先を見据える視野の広さが印象的でした。「スポーツを楽しむためには健康でなければならない」と、安心・安全な食材を使ったパンやお菓子も開発中、自然素材を使った衣類の開発も検討中とか。海を起点に、どこまで発想が広がり実現されていくのか、今後の展開が楽しみです。

Profile

1974年生まれ、早稲田大学大学院卒。日本人初のワールドシリーズ出場とプロ契約を成し遂げたライフセーバー。2006年「館山サーフクラブ」を立ち上げ、2010年世界選手権エジプト大会日本代表チームのキャプテンを務める。2015年にアスリートセーブジャパンを設立し、代表理事に就任。
2018年9月、Plan I 株式会社を設立。「水辺の文化を創造する」を企業理念に、水辺に関わる教育プログラムの開発事業、海水浴場の管理、グローバルビーチの提案、プールイベント事業、スイミングスクール運営、プールリノベーション事業を展開する。

Staff

インタビュー・執筆:青木典子/編集:佐々木久枝/撮影:後藤敦司

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