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ストーリー代表・CEO

「高速化」技術を駆使し 人類社会に貢献していく スーパーエンジニア集団

代表_フィックスターズ

「高速化」技術の
最先端をゆくトップランナー

日本発グローバルソフトウェアカンパニーとして
「テクノロジーベンチャー」の
先駆けとなりたい

株式会社フィックスターズ
代表取締役社長 CEO
三木 聡/ Satoshi Mik

「高速化」技術で社会に貢献するスーパーエンジニア集団

医療機器、車載機器、組込機器、産業機器、金融システム、CG――社会に欠かすことのできない分野の飛躍的な技術革新の裏に、株式会社フィックスターズの存在がある。

フィックスターズは2002年の創業以来、ハードウェア(以下、HW)の性能を引き出す高度なソフトウェア(以下、SW)開発サービスに特化。2004年、家庭用ゲーム機PlayStation3に搭載のCPU「Cell/B.E.」(以下、Cell)を活用したSW開発を開始したのをきっかけに、本格的にSW高速化サービスに注力。マルチコアプロセッサを活かす並列処理技術やNANDフラッシュメモリ関連技術といった高度な技術で、演算とI/O(データ入出力)の両面からSWの高速化を実現し、他に追随を許さない多彩なソリューションを提供し続けている。

「Speed up your Business」が旗印。さまざまな機器・システムの情報処理速度において、場合により従来の30倍以上、ときには60倍もの高速化を実現させている。つまり1分を要していた処理時間を1~2秒に短縮することも可能にしているのだ。他社には実現できない価値提供ができることで、顧客からの信頼は厚い。

同社の強みは、日本最高レベルのSWエンジニアが100人規模で集結している点。グローバルなプログラミングコンテスト『ICFPC』で300チーム中2位の入賞実績も持つ。社員の9割はSWエンジニアで、博士取得率は14%、修士取得率は42%。名実ともに「スーパーエンジニア集団」だ。代表取締役CEOの三木聡は、こだわりをこう語る。

「一般的な高いレイヤのプログラミングではなく、低いレイヤのプログラム、つまりHWに近い部分を担っており、他社ではできないようなアプリケーション開発に携わることができます。いわゆるアルゴリズムだけを書くようなプログラミングやスマホゲーム開発とは無縁。私たちがこだわりを持って取り組むのは、医療、自動車、金融といった非常に高い性能が求められる分野です」

例えば医療分野。画像診断の場合、解像度が高まることで疾患の発見率が上がるほか、1時間を要していた処理が即時に完了することで、医療現場の負担軽減・効率化につながる。創薬においても、有効成分のシミュレーションが高速化されることで、画期的な新薬の開発が促進される可能性がある。車の自動運転においては、危険察知後、ブレーキが1ミリ秒でも早くかかるようになれば、事故を防げる確率が高まる。

「人々の生活の質を向上させ、健康や生命を守る。そんな人類の役に立つプログラミングができる。社会貢献という面からも、非常にやりがいのある仕事と自負しています」

 

日本初・量子コンピューティングソリューションが始動

大量のデータを解析・活用するAI/IoTの技術は、先に挙げた医療や自動運転をはじめ、ロボット、工場自動化など数多くの分野の成長を加速させる。本格的なAI/IoT時代の到来とともに、膨大なデータ処理の効率化が求められるだろう。高度な分析アルゴリズムを限られた時間内に、限られたコンピュータ資源で、いかに実現させるかが課題だ。フィックスターズは、これまで培ってきた高速化技術を活用することで、課題解決に向けての大きな役割を担っていく。

「他社が作ったアルゴリズムを実機で動かす際にこそ、私たちの技術が活きてくる。応用分野が広く、今後よりいっそう多様化するであろう各種HW上で、『SWを誰よりも速く動かす』というところにロマンを感じている仲間が当社にはたくさんいます。一人ひとりのプログラミング技術が『世の中に役立っている』、という実感が味わえると思います」

そして2017年、日本初となる新たな取り組みを開始した。カナダのD-Wave Systems社と量子コンピュータに関する協業をスタートさせたのだ。

D-Wave Systems社は「組み合わせ最適化問題」を既存コンピュータの1億倍の速さで解くという成果を出している企業。世界初の商用量子コンピュータをリリースし、GoogleやNASAなどにも導入されている。実用化は10年先と言われていた画期的な技術がいち早く実現し、フィックスターズが日本での普及に乗り出す。

「量子コンピュータは人類の未来を変えていく可能性が大いにある。その最先端技術の導入に先駆けて取り組んでいけるのはワクワクしますね」

25歳でSWエンジニアデビュー。「天職」だと思った

三木は長野県で生まれ育った。小学生のときリトルリーグに入団し、中学時代も野球に熱中。しかし、高校の野球部は3ヵ月で退部した。当時の苦い思いを今も覚えている。

「嫌なことが重なり、挫折してしまった。仲間たちと『一緒に甲子園へ行こう』と励まし合ってきたのに、自分だけ逃げ出してしまったんです。このことは人生で一番後悔していますね。ずっと負い目を感じて、その後の人生は何があっても逃げちゃいけないと思ってきました。今も辛い時に踏ん張れるのは、この挫折経験があったからだと思います」

高校卒業後、早稲田大学商学部に入学。バドミントンサークルの活動や麻雀など、学生生活を謳歌した。また、アメリカに1年間留学。この頃に「世界に目を向けてビジネスする」という意識が根付き、現在カリフォルニア州でも子会社を運営している。

大学4年時の就職活動では、「自分の力を試したい」と、あえて大手を選択肢から外した。中小の金融会社に就職し、営業を担当。しかし、半年で退職した。このときは「逃げた」のではない。顧客の利益につながりにくい商品を売るという会社の方針に違和感を覚えたのだ。このとき三木は「人の役に立ちたい」という自身の志向に気付く。今も社員たちに「顧客のメリットにならない提案はするな」と伝えている。

その後、三木は25歳でSWエンジニアとして新たなスタートを切り、一気にプログラミングの世界に魅せられていく。「一生のうちで最も勉強した」というほど知識・スキル習得に没頭し、筑波大学大学院の博士課程まで進んだ。

「楽しかったですね。自分が作ったものが動き、お客様が『すごい』と喜んでくれる。25歳という遅咲きでしたが『天職』だと思いました」

2002年、「SW技術で世界に通用する会社をつくる」との想いでフィックスターズを創業した。とはいえ、初めから順風満帆だったわけではない。目先の利益にとらわれた事業を進める日々。独自性をまったく打ち出せていないことに気付いた三木は、原点に立ち返ろうと考えた。そんな矢先、同社の大きな転機ともなる「Cell」に出合った。

CellのSW開発は職人芸的な要素が強く、困難を伴う。ごく限られたSWエンジニアだけが扱えるような特別なHWだ。そこに目を付けた三木は「チャンスだ」と感じた。もともと家庭用ゲーム機への搭載が目的で開発されたCellだが、三木は社会に役立つような医療機器や金融システムなどに応用しようと考えた。結果、高い志を持つ優秀なエンジニアたちが集まり、同社の強みである「スーパーエンジニア集団」が形成されたのだ。

ところが2008年頃、Cellシリーズの開発打ち切りが明らかになる。それまでCellを主軸にビジネスを展開してきたが、Cell自体が無くなってしまってはビジネス継続が困難となる。また時を同じくしてリーマンショックも起こり、苦境に立たされた。

しかし、危機的な状況ではあったが、SW高速化へのニーズがなくなったわけではなかった。CellというHWにこだわらず、様々なHWに高速化の対象を広げ、新たな顧客を開拓。優秀なエンジニアたちは新たなHWにおいても力を発揮し、以降、同社は数年にわたり増収増益を果たす。

優秀なエンジニアが集まる秘訣はなんだろうか。その一つにフィックスターズのエンジニア観があるかもしれない。同社には、日本のSW会社によく見られるヒエラルキーは存在しない。「コンサルタント」や「SE」が「プログラマ」よりも上位という概念はなく、フィックスターズのエンジニアは「コンサルタント」「SE」「プログラマ」の作業を一貫して行うという。つまり、ただ「SWエンジニア」という概念があるだけだ。

また、社内では技術的なディスカッションが活発で、業務以外でも最新技術に関する情報をシェアするなど、まるで「大学院の研究室」のような雰囲気があるという。社内勉強会やプログラミングコンテスト参加など、スキルアップの機会も多く、最近では社内大学もスタートした。MBAやPh.D取得における学費および交通費全額が補助される国内留学制度など、エンジニアの成長をサポートする体制を整えている。

「技術を極めたい人には最高の環境だと思います。何しろ日本を代表するようなSWエンジニアに囲まれ、彼らから学べるのですから。入社して数ヵ月のエンジニアたちに『入社してどう?』と聞くと、皆口を揃えて、『先輩エンジニアたちがすごすぎる』と言います。一方、経営志向のある人に対しては『技術経営者』としての育成にも注力しています。実際、当社のエンジニアにはMBA取得後、アメリカの子会社のCEOに就任した者もいますし、今後起業したい人には子会社を設立して任せることも視野に入れています。シリコンバレー的なテクノロジーベンチャーが日本にはまだまだ少ない。そういったベンチャー企業がもっと増えるよう、まず私たちが先駆者として進み続けたいですね」

 

リスナーの目線

スーパーエンジニア集団を率いるエンジニア出身の社長――理論的でシャープな人物像を想像していましたが、実際には柔らかな物腰、人懐っこい笑顔が印象的でした。涙もろく、社員の前で泣くこともあるのだとか。一方、技術を語るときには、社員への絶対的な信頼感とプライドが感じられます。これからスタートする量子コンピュータビジネスにも注目が集まるはず。さらなる進化とグローバルな展開が楽しみです。

インタビュー・編集/垣畑光哉、青木典子、富岡麻美 撮影/出島悠宇

Profile

1971年長野県生まれ。

1995年早稲田大学商学部卒業。1998年株式会社ソフトワールドを設立、取締役副社長に就任し、オンライン証券トレーディングシステム等多くのプロジェクトを手がける。 2002年8月にフィックスターズを設立し、現在は代表取締役社長CEOおよび、子会社Fixstars Solutions Inc.のChairmanを務める。

2006年より筑波大学システム情報工学科博士後期課程に在籍し、Cell/B.E.ソフトウェア開発の研究に従事。2014年4月東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、2年後の2016年11月、同市場第一部へ市場変更。

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