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ストーリー代表・CEO

“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ-

代表_エアークローゼット

常識を覆し
ファッション業界に
新しい潮流を生み出す

「すべての人が正しい」
という価値観にもとづく
フラットな組織風土

株式会社エアークローゼット
代表取締役社長 兼 CEO
天沼 聰 / Satoshi Amanuma

新しい自分に出会える」という感動体験こそが、真の提供価値

300ブランド以上約10万点の中から、プロのスタイリストが自分のために見立ててくれた洋服が自宅に届き、返却期限なく好きなだけ楽しめる――そんな月額制のパーソナルスタイリングサービスを立ち上げ、急成長を続けているのが株式会社エアークローゼットだ。

同社のサービス『airCloset(エアークローゼット)』は、仕事や子育てに忙しい20代後半~40代を中心とする女性たちに支持され、会員数は22万人を突破(2019年1月現在)している。代表の天沼聰は「私たちが提供したい真の価値は、ファッションを通して新しい自分に出会うこと」と語る。

「大人になるにつれて固定観念に縛られてしまうこと、ありますよね。ファッションにおいても『自分のスタイルはこれ』と無意識のうちに決めて、一定のテイストに落ち着いてしまう人は多いようです。特に、ライフスタイルの変化が多く、仕事に子育てにと忙しい毎日を送る女性は、オシャレを楽しむ余裕がなくなってしまう。私の妻もそんな状況で、似たような服を何枚も持っているのに『外に着ていく服がない』とボヤいていました。そうした人たちを幸せにするのは、単に洋服を借りられるサービスというより、『いつもの自分だったら選ばないファッション』を提供され、予想もしなかった自分に出会えることではないか。そう考えたんです」

サービスを利用したユーザーからは、「オシャレを楽しむことに前向きになれた」「出かけること、人と会うのがうれしくなる」という声が寄せられる。ある女性は、仕事から帰ってくると『airCloset』のボックスが届いており、試着したら気持ちが晴れやかになって、疲れ切っていたにも関わらず買い物に出かけたという。またある女性は会社で憧れていた先輩女性から「そのスカート、いつもと違うけど素敵だね」と褒められ、自信につながったそうだ。小さな子どもから「今日のママはキラキラしていてお姫様みたい」と言われ、育児の閉塞感から救われた…という喜びの声も届いた。

このように、エアークローゼットが提供している価値は、洋服というより、「感動体験」にほかならない。

天沼は創業メンバー3人で2014年、エアークローゼットの前身である株式会社ノイエジークを設立した。それ以前は、大手コンサルティング会社でIT・戦略コンサルタントとして約10年の経験を積んだのち、楽天にて海外13拠点をサポートするグローバルマネージャーを務めてきた。いずれも将来的な独立・起業を見据えてのキャリアだったが、幼い頃はそんな自分を想像もしていなかったという。

 

父の死、自身の闘病、海外生活を経て新たな価値観が芽生える

少年時代に志していたのは医師になること。開業医であった父親の背中を見て育った天沼にとっては、至極当然のことだった。しかし、その志はある日突然揺らいでしまう。小学5年の冬に父が倒れ、そのまま帰らぬ人となったのだ。

「心にぽっかりと穴が開いてしまったような感覚でした。医師を目指して私立中学の受験勉強を始めていた時期だったけれど、自分にとって当たり前だと思っていたことが崩れたせいなのか、どうしても前向きになれず受験もあきらめてしまいました」

そんな喪失感から脱したのは中学1年のとき。夏休みに、母が天沼をイギリスでの短期留学とヨーロッパ周遊へと送り出してくれた。異文化に触れ、見るものすべてが新鮮だった経験を通して、新たな価値観が芽生えたという。

「例えば、車の通行一つをとっても、左側を走るルールの国もあれば、右側通行の国もありますよね。そんな違いに気付くうちに、何が正しいかなんて誰かが決めたことでしかないと思った。自分がこれまで当たり前だと信じていたことも、自身がそう決めつけていたに過ぎないんだとわかったんです。『皆が違っていい。全員が正しい』。その価値観は、今、社内に共有している考え方でもあります」

天沼は高校の進学先を海外に求めた。アイルランドで寮生活を送りながら、乗馬・サッカー・軽音楽とさまざまな活動に打ち込んだ。いずれもチームの信頼関係が必要な部活動。この時期、自分は仲間と協力しながら大きな目標を目指すことに喜びを感じる人間なのだと実感した。

しかし高校2年のとき、またもや予期せぬ出来事が降りかかる。腎臓に異常が見つかり、帰国を余儀なくされたのだ。2学期をまるまる入院することになり、有り余る時間を病院のベッドで過ごしていると、この先の人生にも想いを馳せるように。医師の道ではなく、別の道を歩んでもいいじゃないかとポジティブに思えるようになった。

退院後、高校を卒業して進学したのはイギリスのロンドン大学。経営や情報システムを専攻したが、当初の天沼は「学び」への意識が高いとはいえず、遊びに夢中になっていた。そんな天沼を見かねたのか、ある友人から厳しい一言を投げかけられる。

「『サトシ、お前は俺たちイギリス人より高い学費を払っているのに、勉強への姿勢が甘くないか?』。そう言われたんです。彼は、親から大学に行かずに働けと言われながらも、自分で学費を稼いで通学していました。私は彼に言われるまで、大学に行くことをどこか『当たり前』だと思っていて、そんな自分が急に恥ずかしくなったのを覚えています。同時に、友人がわざわざ私の姿勢に怒ってくれたこと、そうして成長の機会をくれたことを、とてもありがたく感じました。だからこそ、この経験は当社が掲げている行動指針のひとつ『シェアをし、チームも自己も成長する』にもつながっているんです」

社員にも「感動」と「出会い」を提供できる会社でありたい

ロンドン大学を卒業後に帰国。天沼は起業・経営に必要な力を身に付けるためにコンサルティング会社に入社を決めた。しかし、海外の大学は卒業時期が夏であるため、4月の新卒入社までには半年ほどの空白期間がある。実はこの時期に、天沼がこだわる「感動体験」の原点がある。

コンサルティングはサービス業。ならば質の高いサービスとはどういうことなのか学んでみたいと、天沼はディズニーランドでアルバイトを始めた。「ゴーカートのお兄さん」として、日々ゲストを楽しませる工夫をした。

お客様から手紙をもらうこともよくあったという。東北から訪れたというあるゲストは、「雨に降られて落ち込んでいたけれど、あなたが雨の日の特別なパレードを案内してくれたおかげで楽しく過ごすことができた」と、感謝の手紙を送ってくれた。

「うれしかったです。『満足』を越えた『感動』を提供できるのは、自分の役割を限定せず主体的に行動するからだと、この頃に学びました。お客様のニーズに忠実に応えれば『満足』を提供することはできます。でも、『感動』はお客様自身も気付いていない願いや想いに響かせてこそ実現できるんです。正解は誰にもわからないからこそどうすればお客様に感動してもらえるか、考え抜くしかない。こうした姿勢はエアークローゼットのサービスを考える際にも影響していますし、社員の皆とも共有している価値観ですね」

 現在のエアークローゼットは、主軸である『airCloset』の他に、直接スタイリストとコミュニケーションをとり、洋服をその場で借りられる実店舗サービスや、スタイリストが提案する洋服を自宅で試着し購入できる新サービス『pickss(ピックス)』を展開。

2018年10月よりアクセサリーレンタルをオプションとして提供開始。アイテムの拡大のみならず、今後はメンズ、キッズ、シニア、マタニティといった顧客層の拡大や海外展開も目指す。AIやデータマイニングの活用も進めており、サービスはまだまだ拡大・進化の途中。しかし天沼は、どんなにサービスが変化しても、「感動」や「出会い」を届けたいという目的自体は変わらないと力強く語る。

それは対顧客だけでなく、社員に対しても同じ姿勢だ。「すべての人が正しい」という価値観を前提に、ピラミッド型の上下関係ではなくフラットな交流を重視している。社内では、社長も含めてお互いをニックネームで呼び合い、毎日帰り際に全員と握手する習慣を創業時から続けている。また、誰かにうれしいことがあった際は社内に設置された鐘を鳴らすというのも同社ならではの文化。感動をシェアし、チームで讃えあう風土が、一人ひとりが自律的に挑戦する気持ちを湧き立たせ、成長につながっている。

規模が拡大する中でも、天沼は社員全員と1対1でじっくりと話す時間を設け、将来ビジョンや夢を共有することを大切にしているという。

「多様な人材が集まっている組織ですので、お互いを尊重し信頼しあえるようなつながりを重視しています。社長という肩書も“役割”でしかないと思っているので、どんなに規模が拡大しようとも気軽に話せるような間柄でいたいですね。新しい仲間も続々と増えていますが、大切にしているのはこれまでの経験・スキルよりも『どんな人生を歩んできたのか』や『この先の人生をどうしたいのか』。一人ひとりが目指す人生に共感し、実現するための成長機会を提供するのが会社の責任だと考えています。だからこそ、自分がどうしたいのかを明るく語り、その目標に貪欲な人たちに集まってほしい。それが世の中へ感動を届けるために必要不可欠な原動力だと思うんです」

 

リスナーの目線

ファッションの新しい楽しみ方を提案する会社のトップが、自らを「ファッションには疎い」と評する。ベンチャー界のサラブレッドとも言うべきキャリアなのに、「社長は役割に過ぎない」と謙虚に語り、取材中は終始、「感動」という言葉を熱く連呼する。そんな高い次元の意外性や振れ幅こそが、天沼さんの魅力。だからこそ、個を最大限に尊重したチームが生き生きと機能しているのですね。

インタビュー・編集/青木典子森田大理 撮影/後藤敦司

Profile

千葉県出身。イギリスの大学でコンピューター・経営を学び、帰国後にITコンサルティングファームであるアビームコンサルティングに入社。教育系・官公庁系のIT・戦略コンサルに携わる。2011年、楽天株式会社に転職し、海外13拠点をとりまとめるグローバルマネージャーとして活躍。2014年、ライフスタイルに根付くようなサービスを生み出すことをモットーに株式会社ノイエジークを設立。2015年6月に株式会社エアークローゼットに社名変更。

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