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ストーリー代表・CEO

全ての独立する人の ために―。 ずば抜けたリターンを生む 投資判断基準としての思想信条

PE&HR株式会社

代表取締役
山本 亮二郎 / Ryojiro Yamamoto

自らの創業時から、スタートアップに特化してベンチャーを支援

2003年5月、「スタートアップに特化してベンチャーの成長支援をする」ことを目的としてPE&HR株式会社が産声をあげたとき、同じ目線でベンチャーに投資する会社は数えるほどしかなかった。政府が成長戦略の柱として打ち出した積極的なベンチャー支援施策を受け、インキュベーター、アクセラレーターなどという言葉が一般に広く浸透し始めたのはごく最近のことだ。

ベンチャーキャピタルは能力だけで結果を出せる仕事ではない、と社長の山本亮二郎は話す。外部要因にも大きく左右される側面があるからだ。例えば同社設立と同年に起きたりそなショック、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など、日本経済の根幹を揺るがすような出来事が起こると上場は減少する。ベンチャーキャピタルにとって上場が唯一の目的でないとはいえ、減少が続けば早晩干上がるのは明らかだ。潤沢な資金と才能があっても、生き残れるとは限らない。

こうした中、同社は設立時に掲げた目的をそのままに、現在5つのファンドを運営している。

「1社あたり1千~8千万円ほどを70社に投資しています。これまでに5社上場し、他に2〜74倍で9度の売却実績があり、ファンドに出資いただいている金融機関等から『社数・倍率ともにトップまたはトップクラス』との評価をいただけるまでになりました」

2016年6月には、都道府県や政令指定都市以外の基礎自治体として初めてベンチャーキャピタルを設立した埼玉県東松山市の「東松山起業家サポートファンド」を任されるなど、屈指の運用力に期待する声は日増しに高まっている。



対象を「IPOをめざす起業家」から「全ての独立する人」へ

ベンチャーキャピタル事業と並行して進めているのが、国内の全店舗数の4分の1を担うとされる巨大な産業・フランチャイズビジネスを通じて、独立開業をめざす人に有望なパッケージを提供する事業だ。業態そのものやブランドをゼロから作っていく起業に比べ、出来上がったシステムを買い求めるほうが、独立を志す個人にとってはリスクが少なく成功の確率は高いかもしれない。

「IPOに集中しながらも、もっと多くの起業家との関わりを暗中模索していたある日、グラミン銀行の創始者で、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏の講演を聞く機会がありました。グラミン銀行は農村部の貧困者層に無担保で融資していますが、貸し倒れが殆どない。その理由を、ユヌス氏は『人間が人間たる所以は自立して生きていこうとする心にある』というような言葉で表しました。それを聞いて、人が生きるということが独立するということなら、私たちのテーマは全人類の独立にあるのかもしれないと思ったんです。そこで、もっと広くあまねく、全ての独立する人のためにという視点に立脚する新たな事業展開に着手しました」

2012年9月、スープ専門チェーン「ベリーベリースープ」をFC展開する長野県の株式会社スープアンドイノベーションを子会社化。2015年7月には東京メトロ構内で野菜と果物のフレッシュジュースをパンと一緒に販売する「ジュースの森」9店と工場を、さらに、2016年5月には、サンシャイン池袋などでサラダをメインディッシュとして提供する「サラディッシュ」を取得し、フランチャイズ化を図る計画だ。

2018年3月、農林水産省主催による第26回優良外食産業表彰において株式会社スープアンドイノベーションが局長賞を受賞した。

「何かをやめたわけではない。軸足を変えたわけでもありません。事業の幅が広がっても、目的は『無名の若者の創業期に投資し、成長を支援する』、これ一つです」


自分の力を拠り所に、独立したいと願う人が好き

「全ての独立する人のために」――。山本が掲げる理念からは、独立を志向する人たちへのエールと、愛情にも似た共感が伝わってくる。

「ひとことで言って、そういう人が好きなんです。もちろん、独立したからと言って、たくさんの人に支えられて迷惑をかけながら生きていくことには何も変わりはなく、カッコイイことでもなんでもない。どこかの組織に所属して給料をもらいながら生きていくのも尊いことです。しかし、お客様に何かを提供し自分の力で稼ぐ、それだけを拠り所に生きていくという人のほうに、私は惹かれます。」

山本は18歳のとき、日雇いのウエイターとして社会に出た。陸上に没頭した高校時代、プロのような気持ちで練習に明け暮れながら、「結局、衣食住のすべてが両親の庇護のもとにある」という事実が耐え難かったのだという。真に自立して生きていくためには親から離れ独立しよう、そう考えた。

「人生のこと、進路のこと、思想のこと。高校生のころはよけいなものをたくさん纏って、それを振り切るみたいにひたすら走っていました。それは起業してからも変わらなくて、自分の信条、政治的な考え方が、てらいなく商売に打ち込むことを阻害しているような気がしていたんです。そういう自分の性質や社会的な関心が、邪魔で仕方なかった」

やがて、社会への関心は新聞記者という職業への憧れに変わり、22歳で学費を貯め、大学に進学する。しかし、26歳で卒業したとき、正社員としての勤務経験もない若者に門戸を開いてくれる企業はなかった。山本は新聞配達員となり、肉体労働に励む日々を送る。

「いい年をして、どこにも行く場所がない。働いても、何も次につながらない。それを思い知ったこの2年で、深く確信したんです。人に従うことやうまく取り入ることができない自分のような人間は、何かの商売で身を立てるしかない。世の中の役に立ちたいのにその場所がないなら、自分で起業し切り開くしか道はないのだ、と」

ファンド会社ではなく商人として、「3つの独立」を拡大していく

起業を目的に一念発起して就職活動を始めた山本は、ハウスメーカーでの勤務を経て人材紹介会社に入社した。そこでベンチャーキャピタル事業に出会い、3年間で10数社に投資した後に独立を果たす。

実績も何もなく、ワンルームマンションで起業した山本を支えたのは、彼の思いに共鳴してジョインしてくれたり、出資してくれたりした周囲の人、そして新聞配達をしながら独立への決意を固めたあの2年間だった。

「やむにやまれぬ状況で独立を決めるという経験をしたからこそ、自立して生きたいと願う人に対する思いは人一倍強い。誰よりもその気持ちを理解することができるんです」

怒涛の日々の中、事業の目的を「全世界の貧困の撲滅」と宣言した松下幸之助や、焼け野原を前に、国を挙げてと言い得る井深大の起業を知ったことも大きかったという。

「世界的広がりで事業を伸ばす人は、世界のこと、人類のことを真剣に考えている。松下幸之助も井深大もスティーブ・ジョブズもユニクロの柳井さんも…。自分の内面を持て余し、大いに道に迷って商いの道に紛れ込んで来た私にとって、足枷だと感じていた自らの性質と似たものを彼らが持っているという事実は非常に衝撃的でした。事業とはどういうものかということをはっきりと理解し、投資の判断基準も明確になったのがこの頃です。同時に、商人であり思想家であるという自分自身をも肯定できるようになりました」

山本はいま、3つ目の事業となる「個人の才能をもとにした独立支援」に挑んでいる。チェーン以外の全ての個人商店とあわせ、画家や小説家、歌手、映画監督、役者、アスリートなど、あらゆる分野で独立を志す人のタレントに投資するものだ。まだ利益を出すまでにはなっていないが、グラミン銀行のような形が良いのか、クラウドファンディングなのか、レーベルを作って支援するのか、方法を模索しながら経験と知見を深めている段階だという。

だが、投資した3本の映画は既に国内外で高い評価を得ている『カノン』は中国最大の映画祭である金鶏百花映画祭外国映画部門作品賞、監督賞、助演女優賞の三冠を受賞し、北京国際映画祭では天壇賞を受賞。『バンコクナイツ』は第69回ロカルノ映画祭の国際コンペティション部門で若手審査員・最優秀作品賞を受賞、『STAR SANDO-星砂物語-』に出演した吉岡里帆氏は2018年エランドール賞の新人賞を受賞した。

ベンチャーファンドによる投資、フランチャイズでの独立支援、そして個人の才能への投資。今後はこれらを『3つの独立』とカテゴライズし、それぞれ拡大を進めていく。

「全ての独立する人をテーマにしたとき、私たちはただのファンド会社ではなくなりました。ソニー、トヨタ、ユニクロ、アップルなど世界を相手に世界で商売する企業と同様に、全世界であらゆるジャンルの起業を支援する会社、つまり、人間の独立そのものが事業目的になったのです。そうであればこそ、まわりまわって再び18歳の自分に立ち帰り、思想を鍛えよという声が聞こえます」



リスナーの目線

書斎のような重厚感のあるスペースで、言葉を慎重に選びながら話す山本さんはまさに思想家そのもの。しかし、著名クリエイターの手によるメカニカルなオオカブトのフィギュアを手に取ると、まるで少年のように嬉しそうな顔をして私たちに披露してくれました。思慮深さに加え、少年のような遊び心も持ち合わせてこそ、新しい価値を生み出していけるのではないでしょうか。

Profile

1968年生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。

株式会社インテリジェンスなどを経て、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社入社。アーリーステージを中心に投資し、投資先企業の成長支援に注力する。

2003年5月、企業の成長発展に「資本」と「人材」の両面から貢献するというコンセプトを掲げ、PE&HR株式会社を設立、代表取締役に就任。2004年5月、「若手起業家のための投資事業有限責任組合」設立。2006年4月、「Social Entrepreneur投資事業有限責任組合」設立。2007年9月、「関西インキュベーション投資事業有限責任組合」設立。2013年12月、「Social Entrepreneur2投資事業有限責任組合」設立。2016年6月「東松山起業家サポート投資事業有限責任組合」設立。ベンチャー企業への投資と共に成長支援の実践的サービスの提供を行う。株式会社ネクステージ、トウキョウ・デジタルミュージック・シンジケイツ株式会社、株式会社アクティバリューズ、株式会社日々茶庵、株式会社スープアンドイノベーション、株式会社Creatorsの社外取締役、株式会社VIE STYLEの社外監査役、株式会社森屋の代表取締役社長を務める。これまでに10社の上場経験と、2〜74倍で9度の売却実績がある。また、グループに50数店の飲食チェーンを持つ。

他に第一勧業信用組合、城南信用金庫の評議員を務める。

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