
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
金居 宗久 / Munehisa Kanai
株式会社クラウド人材バンク
代表取締役
クラウド人材バンクは、ITコンサルタントやプロジェクトマネジャーなどデジタル人材を対象としたジョブマッチングサービスおよびプラットフォームを提供しています。フリーランスや個人事業主として活動する人たちを中心に、業務委託契約の仕事を紹介しています。
経済産業省の試算では、2030年には最大約79万人不足するとされる高度IT人材。弊社はデジタル人材の流動化を促すことで、市場の人材不足の解消に貢献したいと考えています。同時に、デジタル人材が保有するスキルや知見が幅広い業界で活用されれば、世の中のDX推進やイノベーションの創出が加速していくでしょう。
サービス登録者との面談には特に力を入れています。ジョブマッチングにおいては、過去に携わった業種や企業規模、社風、その中でどういった役割を担ってきたかなど、職務経歴書やスキルシートを見ただけでは分からないことも重要だからです。
また、フリーランスとして働いている人の中には、「報酬を上げたい」「スタートアップやベンチャーで働きたい」「自分で起業したい」といったさまざまなキャリアプランがあります。その人が「何をしたいか」をつぶさにヒアリングして、希望に沿った案件を紹介しています。
登録者が目指すキャリアや使命の実現に向けて最適解を一緒に考え提案するので、登録者からは「クラウド人材バンクは本当に自分に合った案件を紹介してくれる」というお声をいただいています。
コロナ禍で移動や会食が減り、内省する時間が増えたことで、自分は何のために生きているんだろうと自問するようになりました。当時は経営コンサルティング事業とプロダクト受託開発事業を軸にした会社を経営していましたが、売上や収入を増やすだけでは心が躍らない。以前に教育ビジネスを立ち上げた時は、希望にあふれていたことを思い出しました。
もう一つ、我が子の誕生も起業のきっかけでした。この子の未来のためにも、「ワクワクする日本」を創る責務がある。そう考えた時、日本の未来を良くするために自分ができることは何だろうと振り返ってみたのです。
過去の起業の経験で、自分が実現したい世界観やビジネスモデルを構想した際、それを具現化してくれたのはプロジェクトマネジャー、UI/UXデザイナーやエンジニアでした。ということは、デジタル人材が多様な業界に行き渡れば、世の中が活性化し、日本を元気にできるのではないか。
私自身、キャリアカウンセラーの資格を取得した経験があり、また、当社の社外取締役で小学校からの友人である佐藤卓也には、同種のビジネスで起業し、上場させた経験がある。そこで、まずはデジタル人材のマッチングサービス事業をしようと考えました。
さまざまな雇用形態、契約形態にある人たちが、その人の「Will=やりたいこと」を実現できるよう、正社員やフリーランス、副業、起業など、多様な手段を適宜紹介できるような環境を構築したいと考えています。
また、人材が流動化すれば、受け入れる企業の側も、優秀な人材を採用するためにより魅力的であろうとするでしょう。そうした好循環が、産業界全体を盛り上げていくと考えています。今後は、デジタル人材以外の流動化も促すために職種やターゲットごとの人材バンクを創設したいですし、テクノロジーによるマッチングビジネスの変革も実現していきたいですね。
公開日:2023年1月11日
早稲田大学 人間科学部卒。 朝日アーサーアンダーセン株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)に入社。その後、GCDF-Japanキャリアカウンセラー取得や起業などを通じて、東京一部上場企業や官公庁における幅広い企業へ向けた経営コンサルティングと受託開発事業を展開。2021年に株式会社クラウド人材バンクを創業し、代表取締役に就任。
Contact
東京都渋谷区恵比寿1-19-19 恵比寿ビジネスタワー2・10F
インタビュー:ひらばやしふさこ/執筆:宮原智子/編集:勝木友紀子
撮影:新見和美
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