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ストーリー代表・CEO

「仕組み化」のワザと遊び心で、目指すは 「地球に貢献できるリサイクルカンパニー」

代表_プリマベーラ

古本屋からスタートし、
4事業・17業態を展開。
直近9年、増収増益を続ける

「EVERNOTE」を活用した経営術セミナー、
自己啓発セミナーも好評

株式会社プリマベーラ
代表取締役
吉川 充秀 / Mitsuhide Yoshikawa

「仕組み化に関して日本一の中小企業を目指す」

「仕組み化に関して日本一の中小企業を目指す」

そう語るのは、株式会社プリマベーラ代表取締役・吉川充秀だ。群馬県太田市で古本屋からスタートし、現在は4事業・17業態を展開。直近9年間、増収増益を続けている。

成功の秘訣は「仕組み」にあるようだ。「笑顔だって、仕組みで創れる」と吉川は言う。優れた仕組みを創って習慣化する。仕組みに縛られるだけではおもしろくないから、ワクワクしながら楽しんで働く――その2つが会社も人を成長させると、吉川は考えている。

プリマベーラは、古着、貴金属、農機具、古本、DVDなど幅広い商品を扱うリサイクル事業を運営。群馬・埼玉・栃木・長野エリアで計39店舗を展開している。
店舗のブランドは多様だ。衣類、家電、家具、生活用品などを扱う総合リサイクルショップ『買取劇場』、貴金属やブランドを扱う『ゴールディーズ』、ブランド衣類中心の買取店『ベクトル』。毎週水曜に値段が下がっていく古着ショップ『DonDonDown On Wednesday』、2着買うと3着目がタダになる古着ショップ『ニコカウサンコメタダ』など、ユニークな仕組みの店舗もある。

「リサイクルショップには、転売できるものしか買い取らない店も多いんですよね。でも、僕らは一切買取を断りません。なぜなら、どんなものでも売れる仕組みを築いているから。地元のお店では買い手がつかないようなニッチな高額商品は、全国に発信して買い手を見つける。安くても売れない服は海外に輸出して利益を確保しています。『誰かの不要は誰かの必要』、その両者をつなげるのがリサイクルショップの存在意義だと思いますから」

同社の店舗は直営だけでなく、他社ブランドのフランチャイズ(FC)店も運営している。
『DonDonDown On Wednesday』では、全国に60あるFC店の中で売上1位、『ベクトル』でも95店中1位を何度も獲得している。

そんな同社には全国からリサイクルショップ経営者や店長が続々と視察に訪れる。駅に見学者30人が集合し、バスでプリマベーラの店舗を見て回るのだ。運営手法や利益を挙げる仕組みを気前よく教えていたが、途中からプログラムを整え、セミナー事業化した。
現在は、『EVERNOTE(エバーノート=Web上での情報蓄積サービスとそのアプリケーション)』を活用した経営術のセミナーのほか、『人生がときめくニコニコワクワク3KMセミナー』などの自己啓発セミナーを提供している。

多角化はこれだけには収まらない。「僕自身が健康オタクだから」という理由から始めた「カラダサポート整骨院」の展開、節電コンサルティングなど、リサイクルの枠を越えて事業の幅を広げ、現在4事業部・17業態が動いている。次は「地域新聞を創刊しよう」というアイデアも出ているという。

 

「地球環境を守る!」のポリシーを、地道に黙々と実践

吉川は群馬県太田市で、喫茶店と塾を営む両親のもとに生まれた。高校時代に意識が芽生え、現在もポリシーとして掲げるのが「地球環境を守る」ということ。当時、温暖化や砂漠化が叫ばれ始め、義憤を感じたのだという。「将来は医者になる」という弟に対し、「僕は地球の医者になる!」と宣言した。
やると決めたら常識の枠を越えてのめり込むという吉川。横浜の大学に進学して1人暮らしを始めると、生活から電化製品をすべて排除し「仙人生活」を送った。

「部屋にあった電化製品はラジオだけ。月の電気代は固定料金の1653円。夏も冬もです。まぁ、ド変人ですよね(笑)」

「地球環境オタク」を自称していた吉川は、大学卒業後、「有機農産物を世界に広める!」というミッションを自分に与え、地元の大手スーパーマーケットに就職する。ところが、配属されたのは魚部門。それはそれでおもしろかったが1年半で退職した。

その頃、父が「古本屋をやりたい」と言い出した。「これこそエコ活動だ」と賛同し、起業を決意。別の古本屋にアルバイトで入って半年間ノウハウを学びとり、『利根書店』をオープンした。
利益を押し上げたのは、男性向け商品だった。アルバイト先の古本屋で働いた際、売れ筋は何かを観察した結果、男性向けのコミックや雑誌、ビデオに特化したのだ。地元では他になかった業態だけにニーズが爆発し、あっという間に繁盛店に。町で2番目の高額納税者として地元の新聞に載るまでになり、成功の階段を駆け上がった。
途中、信頼していた店長2人が辞めて独立し、落胆した時期もあったが、事業そのものは順調に推移。約7年間で9店舗体制にまで拡大する。
お金があるから遊びも楽しかった。週5日合コンに出かけ、「やんちゃ」が過ぎたせいで妻と離婚。その後に再婚し、子どもが生まれて「真人間になった」という。

転機が訪れたのは2005年。「今後、古本マーケットは縮小する」と気付く。ネット販売が普及し、電子書籍も台頭してくるからだ。「実店舗で、実物を確認して買いたいものは何か」と考えた吉川は「古着」に狙いを定めた。古着のリサイクル事業に乗り出し、関連するファッション雑貨、貴金属、さらには家電・家具、農機具にまで取り扱い商品を広げていった。

「それまで経営の勉強なんて一切したことがなかった。それでも儲かるから、必要性を感じていなかったんです。けれど、古本のマーケット予測に関するセミナーの案内を受けて出席してみると、話にまったくついていけない。これはマズイと思い、勉強を始めました」

もともと、やり出すとハマる性質の吉川。今度は「自己啓発オタク」と化し、週5日ペースでさまざまなセミナーや研究会に参加しまくった。自分への教育にかけた費用は10年間で億にも達するという。ランチェスターの法則をはじめ、さまざまな経営理論や実践例を学ぶほか、すごい経営者を見つけると、その人になり切るくらいに真似をしてみた。

尊敬する哲学者・森信三氏の「足元の紙クズ一つ拾えぬ程度の人間に何が出来よう」という言葉に触発され、単独で街のゴミ拾い活動も開始。やり始めると「自己肯定感」が高まって心地よさを感じ、2年経った今も毎日ゴミを拾い続けている。

こうしてつかんだ「会社経営の原理原則」を、事業運営、組織創り、セミナー事業に活かしているのだ。

尊敬する哲学者・森信三氏の「足元の紙クズ一つ拾えぬ程度の人間に何が出来よう」という言葉に触発され、単独で街のゴミ拾い活動も開始。

事業運営も、人の成長も「仕組み」によって促進できる

吉川が元来得意としており、学習を経てさらに強化されたのが、「仕組み化する力」だ。
例えば、どんな会社でも言われる「笑顔で接客しよう」。これは個人の意識や姿勢にゆだねられるものだが、吉川は仕組み化した。授業員がトイレに入る度に、用を足しながら「ウンパニ体操」をすることを習慣化。これは表情筋のストレッチ方法で、1日に5回も繰り返せば、たとえ「作り笑顔」であっても自然な表情ができるというわけだ。

また、「地域に愛されるお店になろう」も、巧妙な仕組みによって実現させている。毎月、「食事や飲み会に使ってよい」とする2000円を、アルバイトを含めた全従業員に支給。それを使って飲み会を実施した場合、帰り際に食器をきれいに積み重ねてテーブルの端に並べ、その写真を撮影して会社に提出することを義務付けている。「きれいに片付けて帰る」という行為に対して、店員や周囲の客が感心し、お店の評判アップにつながるのだ。
もちろん、飲食費の支給は、地域のファン獲得のためのパフォーマンスだけが目的ではない。それ以上に、メンバー同士のコミュニケーション促進を期待している。

「日常のちょっとしたことも、事業や組織の運営も、仕組みを作ることで目標に近づけています。でも、仕組みばかりじゃ楽しくない。だから、いかに楽しんでやるかも、常に考えています。実際、うちの職場や会議には笑いが溢れていますよ。通信回線に例えるなら、当社の経営は『3G』ではなく『LTE』。『3G=我慢・犠牲・義務』ではなく、『LTE=Love・thanks・enjoy』です。好きな仕事を、好きな人たちと、感謝が飛び交う場所で、楽しんでやれたら、こんなにすばらしいことはないですよね。僕が実現したいのは、そんなLTE経営であり、LTE経営の会社こそ、これから伸びていくと確信しています」

プリマベーラは、今後さらに多角化を進めていく。店舗スタッフ、店長をはじめ、複数店舗を統括するスーパーバイザー、人事・経理・経営企画といった管理部門まで、人材の増強を図っていく。社員にとっては、吉川の「仕組み化」の技術を受け継ぎ、新規事業を創っていくチャレンジも可能な環境だ。

「スローガンは、『イキイキワクワク楽しく成長』。ワクワクの定義は『明日に恋する』です。明日に恋することができるよう、僕はこれからもいろいろな場所で事業の種を探し、会社の未来を創造していく。ワクワクできる明日を、メンバーに提供します」

成長性のある新規事業を展開し、会社がさらに成長して資本が蓄積されたら、本当に地球環境をよくする事業をやりたい――それが吉川の最終目標であり、モチベーションの源だ。価値観を共有できる仲間とともに、日々ワクワク感を抱きながら、「地球に貢献できるリサイクルカンパニー」を目指していく。

 

リスナーの目線

駅前でひと際目に留まる、笑顔でゴミを拾いまくっている人…それが吉川さんでした。ゴミ拾い専用の大きなトングはいつも鞄に忍ばせているのだとか。本人は自らを「変人」と笑いますが、高校時代に目覚めた地球の環境保護に、移動時間を使って取り組む「仕組み化」への着想力と、他人の目を気にせずに信念を貫く軸があればこそ、現在の事業多角化と連続成長が成立するのですね。

インタビュー・編集/垣畑光哉・青木典子 撮影/出島悠宇

Profile

1973年、群馬県生まれ。1992年、横浜国立大学入学後、3年間電化製品ゼロの生活を送る。1996年、スーパーマーケットフレッセイに入社し、魚部門を担当。1997年、古本ショップBBチェーン本社にアルバイトとして入社し、古本ビジネスのノウハウを学ぶ。1998年、群馬県太田市にて「利根書店尾島店」オープンを皮切りに、続々と店舗を拡大。2005年には埼玉県熊谷市に古着ショップ「古着MARKET」をオープンし、出店ラッシュを迎える。2012年、経営サポートのためのセミナー事業を開始。2015年には埼玉県熊谷市に接骨院をオープン。2018年5月現在、39店舗、4事業、17業態を展開中。

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