
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社カスタマーリレーションテレマーケティング
トレーナー
柴めぐみ / Megumi Shiba
入社半年で管理者に──。2019年度新卒として株式会社カスタマーリレーションテレマーケティング(以下,CRTM)に入社した柴めぐみは、半年後に「トレーナー」に昇進。現在は部署に複数いるリーダーのまとめ役を担っている。
入社直後は電話でのアップセルを担当していた。アップセルとは顧客に関連商品の購入を勧めたり、購入数を増やしたりする提案をおこなうことで売上単価を上げる販売手法だ。
「こちらの言い方によってお客様の反応が変わることがわかると、仕事がさらに楽しくなり、成績が伸びてきました。遠慮がちにお勧めするより、ぜひお試しくださいと言い切るほうがいい、お客様の名前を名字できちんと読んで差し上げると親密度が深まるといったコツを上司や同僚から学んで実践しています。『あなたが勧めてくれるなら』と言って商品を購入してくださるお客様がいらっしゃるとうれしいですし、やりがいを感じます」
向上心旺盛な柴だが、入社前は「将来の夢」もなく、特にやりたいことがない学生だった。就職活動で意識していたのは「やりがいがあり、人と関わる仕事」「人間関係のいい職場」「勤務先は大阪」という点。大阪の企業を回る中で、CRTMの就職試験を受け、人事担当者の感じの良さが印象に残った。何度か開かれた就活生向けのイベントに参加する中でも、人間性の温かさ、社内の人間関係の良さを垣間見ることができた。最終的には社内の人間関係が一番良さそう、という点にひかれて入社を決めた。
入社後の柴はやる気に満ち溢れていた。上司が期待して仕事を任せてくれたとわかると、何としても結果を出したいという気持ちになり、打ち込んだ。入社後半年の成績でトレーナーになれるかどうかが決まると聞いたため、初めは同じ部署の同期と競い合い、勝たなければならないとの気持ちが強くあった。しかし、同期と学び合う環境の中で、柴の気持ちは少しずつ変化していく。同期とともに学び、ともに成長していこうと考えられるようになったのだ。同期は「ライバル」から「仲間」へと変わった。
「もっと成績を上げたいという向上心が出てくると、上司だけでなく、成績のいい同期がどのようにお客様と話しているかを聞きに行ったり、互いの音声を聞いてアドバイスし合ったりするようになりました。同期がいたから頑張れましたし、それが自分の成長につながった。同期はライバルではなく、お互いに高め合える仲間なんだと気付いたんです」
売上げ成績が15人の同期中2位となり、見事、トレーナーに抜擢された柴。部署のリーダーを束ねるチームリーダーの役割に加え、オペレーターの管理も重要な仕事だ。一人ひとりの状況を把握し、必要に応じてアドバイスをする。近すぎもせず、遠すぎもしない距離感を大切にしたコミュニケーションを心がけ、部下との信頼関係を築こうとしている。「信頼関係があるからこそ気持ちよく働け、目標達成を目指して頑張れる」と柴は言う。
「私自身が上司や先輩から密にコミュニケーションをとってもらえたことで仕事の悩みを解決でき、安心して仕事に打ち込むことができました。トレーナーとなった今、今度は私自身がオペレーターさんたちと積極的コミュニケーションを取って信頼関係を築いていかなければならないと感じています」
トレーナーとなってから上司への感謝の気持ちが一層大きくなってきた、と柴は言う。これからは自分が活躍することで目標を達成し、恩返しをしたいと考えている。
「右も左もわからない人に一から教えるのがどれだけ大変か。嫌な顔一つせず、丁寧に指導してくださる環境に対するありがたみを感じるようになりました。自分の成績を上げるだけでなく、その成果によって上司をさらに上へ押し上げたい。そう思っています」
インタビュー・編集/垣畑 光哉、横山瑠美、西野愛菜
撮影/石本文子
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