
どんな環境でも生き残れる「人間力」の高い人材を育て上げる
株式会社コムセンス
執行役員 営業推進本部
長尾 匡展 / Masanobu Nagao
「新入社員だからといって制約を設けず、強みを生かした挑戦を後押ししてくれたからこそ、失敗の中から成功を生むことができました」
株式会社コムセンスで執行役員を務める長尾匡展は、自身の入社当初を振り返ってそう語る。加工品全般の企画開発、仕入れ、製造、出荷の管理から、ショッピングモールの販促チーム、ふるさと納税の代行事業を行うチーム、デザイン制作チームのマネジメントまで、「攻め」の姿勢でコムセンスを率いる存在だ。
「台所にいるのが好きだった」と話すほど、幼いころから食に対する思い入れが強かった長尾。食品に関する仕事がしたいという想いから、大学時代に食品衛生管理者の資格を取得し、その後粉体機器を製造・販売するメーカーの食品事業部に入社。関東と九州で食品工場の立ち上げに携わり、そこで生まれたつながりの一つがコムセンスであり、代表取締役の吉永だった。仕事に対し情熱を持ち、筋を通してやりきる吉永の生きざまに感銘を受け、仕事上の用事がないときでも月に1度はコムセンスを訪問。吉永の「生産者と消費者の懸け橋になりたい」という熱い想いを具現化する力になりたいと感じていたという。
「少し経って、諸事情で熊本に戻ることが決まり、自分から吉永に『働かせてください』と声をかけました。当時のコムセンスは、冬期に収穫される青果物が売上の大部分を占めており、閑散期となる夏期の売上を穴埋めする商品を模索していたところ。加工品畑で培った知識を生かし、新たな主力商品を作りたいという私のやりたいことが合致した形でした」
加工品の商社や工場とのネットワークや、現場で学んできたコストの感覚など、前職で培ってきた経験と知識を武器に、入社してすぐに活躍。現在の主力商品である「二十一雑穀米」や「五縁のあご入だし」、芋けんぴといった人気商品を次々と開発した。
一方で、ヒット商品開発の背景には、数多くの失敗があった。例えば、「夏に冷たい芋は受けるのではないか」と安納芋の冷凍焼き販売したところ、まったく売れなかった。1カ月ほどの加工期間を見すえて発注する加工品は、売れなかったときのリスクが高い。それでもコムセンスは、「商品ラインナップを充実させる段階ではある程度のリスクをとってでもチャレンジする価値がある」と、長尾の挑戦に懸けた。短期的な視点で失敗を責めることはせず、将来性を信じて社員の背中を押す同社の風土が大きく影響している例といえるだろう。
また、社員数が増加すると、一般的には社員全員の方向性を統一しづらくなるが、同社は今もなお風通しが良いままで、一人ひとりが「地元に貢献したい」「一生懸命働きたい」というまっすぐな情熱を持って仕事に取り組んでいる。アグレッシブに仕事をしたい、ゼロから新しいものを生み出したい、という人にとってはこの上ない環境だ。
長尾には、この環境を生かしてやりたいこと、やらなければならないことがまだまだあるという。例えば、ふるさと納税代行を強化していくための熊本県内自治体との連携や、物流のしくみづくり、そして新たな土台となる事業開発など。その挑戦はとどまることを知らない。
「私たちが生み出した商品やサービスに対してお客様から喜びの声が返ってきて、一緒に苦労した社員たちが笑顔になるのを見ると、もっといいものをつくりたいとより強く思います。失敗を怖がらずに前進していくというポリシーを胸に、これからも自ら率先してどんどん踏み込んで、会社の新たな柱になる商材を世の中に送り出していきたいです」
インタビュー・編集:垣畑光哉、藤巻史/撮影:木下将
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