
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社meet in
代表取締役
齋藤 正秋 / Masaaki Saito
オンライン会議システム『meet in』は、アイドマのグループ会社である株式会社meet inが展開するサービス。
従来までのオンラインツールとは異なり、meet inの特徴は、メールで届いたURLをクリックするだけで会議に参加でき、初めての人でもストレスフリーに使えることにある。
会議に招待される側は、アカウントを作成する必要もシステムをダウンロード&インストールする必要もないため、商談などでの使い勝手の良さが好評だ。
meet inの特徴を、株式会社meet in代表取締役の齋藤正秋は次のように語る。
「meet inは、もともとアイドマの社内で使っていたツールです。アイドマでは主婦層を中心とした全国の在宅ワーカーが業務の一部を担っているのですが、彼女たちとコミュニケーションを取るために、オンライン会議システムを活用したのがはじまりです。そのため、パソコン慣れしていないお母さんでも簡単に使えるものへと改善していった結果が、今のmeet inです。ITの知識がなくても感覚的に使ってもらえるよう設計しており、オンライン会議への抵抗感やストレスを限りなく低減させられています」
同社は、齋藤と社員2名という小さな組織。2019年1月の本格的な営業開始から1年足らずで導入企業が1000社を超え、国内トップシェアになり、目を見張るほどの勢いで急成長している。
その秘訣は、齋藤たち3名だけなく、たくさんのお母さんたちがmeet inを支えているからだと自負している。
「私が立ち上げから携わっていた埼玉県にあるキッズスペース付きコールセンターには、育児と仕事を両立しながら働くお母さんたちが多数在籍しており、ここが営業のアポイント取りや問い合わせサポートを担っているからこそ、スピーディーなマーケット展開を実現できています。この結果は、『お母さんたちの協力』が集まって実現できるひとつの可能性だと思います」
meet inの強みは、システムの使いやすさに加えて「お母さんたちの力だ」と齋藤は断言する。
それは、齋藤自身の手で彼女たちが安心して働ける場をつくり、活躍する姿を間近に見てきたからに他ならない。
はじめは「子育てをしながら続けられるだろうか」と不安を口にしていた女性が、今や立派にチームを率いるリーダーを務めるようなケースも数多く見てきた。
「世の中のお母さんには、まだまだ秘められたポテンシャルがあるはず」。
そう信じているからこそ、自身が任された新会社でも彼女たちの力に大きく期待している。
「企業である以上、売上や利益を追求するのは当然。経営者としてそこに向き合うのは当たり前なのですが、私はそれ以前にお母さんや高齢者など何かの事情で働きたくても出社型で働くことが難しい人たちに、働く機会が広がり、仕事で輝けるようにしたい。その結果として売上・利益がついてくる。この順番は間違えないようにしたいと思っています」
こうした齋藤のスタンスは、自社サービスを支える人たちだけでなく、meet inを通じて社会に提供したい価値にも通じる。
オンライン会議システムは、単に遠隔コミュニケーションによって生産性を向上させるだけではなく、接点数を増やすことでリレーションを深め、これまでは出会えなかった人・企業と出会える可能性も秘めている。
「今、日本は人手不足と騒がれていますが、実は仕事で活躍できる人はまだまだたくさん世の中にいて、社会がそれに気付いていないだけなのだと思います。だからこそ、私はmeet inを広めることで、人の働く機会が増える社会にしたいですし、私たち自身はそれを“理想”ではなく“現実”にするものとしてリードしてきたいですね」
インタビュー・編集:森田大理 、西野愛菜/撮影:森モーリー鷹博
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