
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
株式会社マケレボ
管理本部 教育研修課 マネージャー
小林 富美子 / Fumiko Kobayashi
管理本部 教育研修課 チーフ
北川 綾乃 / Ayano Kitagawa
マケレボで広報と教育研修の部門を新しく立ち上げ、軌道に乗せた小林富美子と北川綾乃。
チャレンジにかけた思い、やりがい、自身の成長などについて聞いた。
―― 小林さんと北川さんはマケレボに入社以降、どのような道筋を経て新規部署の立ち上げを任されたのでしょうか。
小林:私はもともと営業部にいたんです。けれど、この先もずっとコールセンター業務だけをやっていくのではなく、他のスキルも身に付けたいと考えていました。そんなとき、「管理部門の仕事をしてみないか」と声をかけられ、「やってみたい」と異動。人事課で経験を積んだ後、広報と教育研修を切り離して専任のグループを立ち上げることになりました。最初は私1人でスタートして、その後、営業部から推薦された北川さんが加わってくれました。
北川:私も入社以来7年間、営業部に所属していました。育休から復職したばかりのタイミングで、今の部署への異動を打診されたんです。営業経験しかなかったので私に務まるのか不安も感じましたが「未知の領域に挑戦するのは楽しそう」と思い、快諾しました。
―― 取り組みの一例をお聞かせください。そして、どんな成果を挙げていますか。
小林:広報では「新しいことをやってみよう」という感覚で、まずSNSでの発信をスタートしました。公式Twitterのフォロワーは、最初は強引にフォローしてもらった従業員だけでしたが(笑)、今は1万人に達しています。
社内報「みなみんな」の制作やホームページのリニューアルなども行いました。採用面接では、「社内報・SNS・ホームページを見て好印象を持ったので志望した」という声を聞くことが増えています。社風を広く伝えられているという点で成功を実感しています。
北川:女性活躍推進の取り組みを社外にPRして、大阪市の「女性活躍リーディングカンパニー」認証、大阪府の「男女いきいき・元気宣言プラス」事業者認定、名古屋市の「女性の活躍推進企業認定(通称:ナゴ女)」を取得しています。
日本次世代企業普及機構が認定する「ホワイト企業認定」では働きがい部門において第7回アワードを受賞。また「大阪府男女いきいき事業者表彰」でも優秀賞をいただき、大阪府から表彰されました。
小林:教育研修では、それまで不定期で外部の講師に委託していた研修を自社で定期的に行う方向へシフト。もともと骨組みがあった研修プログラムを細かく詰めていきました。まだまだ発展途上ですが、部署によって知識・スキル・マインドにばらつきが生じないように、教育体制の仕組み化を進めています。
―― 新たなチャレンジをする途中で、壁にぶつかることはありましたか。
小林:壁というよりも、何もない状態、何も分からない状態から手探りで進んでいった感じです。分からないなりに目標を立てて、とにかく行動を起こして、他社の取り組みを研究したり、専門書で学んだり。そうして模索しながら徐々に形にしていきました。
北川:実は私は極度の人見知りで、人と話すことが苦手だったんです。でも、広報の仕事は社内のあらゆる部署・人の協力を得なければなりませんし、研修となれば全社員とコミュニケーションをとるので、正直、戸惑いもありました。
小林:異動当初は、社内の知らない人に連絡をとるとき、浮かない顔をしていたよね(笑)。でも、もともと責任感が強いから、仕事だと割り切ってやってくれて、今では率先してコミュニケーションをとってくれています。
北川:はい、苦手を少し克服できました(笑)。
小林:北川さんは何か依頼した際に反応するスピードがすごく速いんです。分からなくても、とりあえず動いてくれる。すごく助けられました。
―― 新しいことを立ち上げるやりがい、面白みをどう感じていますか?
北川:最初は教えてもらうことばかりでしたが、今では自分で新しい企画を出したり、いかに社内外に浸透させていくかを考えたりしています。大変なんですが、楽しくもあります。
小林:前例がない分、自分がやりたいようにできるところが大きなやりがいです。経営陣から反対や否定をされることもなく、自分が思い描くとおりに進めさせてもらえました。それが実際に形になるとうれしいですね。
――マケレボではこのような新しい取り組みやプロジェクトの立ち上げなどはよくあるのですか。
小林:そうですね。必要があれば、どんどんやる気のある人にやらせてみよう、任せてみよう、という社風です。新しいことに挑戦したい人にはチャンスをくれる会社だと思います。
―― 現在の役割を担うようになって、ご自身がどう成長したと感じますか?
小林:どんなことも、自分で一から切り開いていかなければならないので、業務の幅や視野が一気に広がりました。
北川:営業部にいた頃はほとんど関わりがなかった、社長や経営陣の皆さんとお話しさせていただく機会が増えて。広報・研修の枠を超えて、「どんな方向で会社を盛り上げていくか」や「従業員の皆にどう喜んでもらうか」といった、以前にはなかった思考を持つようになりました。
小林:広報と教育研修は、経営陣と接する機会が最も多い部署だと感じています。経営陣が描く未来を具現化していく役割を担うので、自然と視座が高まりますね。
―― 今後、どんなキャリアビジョンを描いていますか。
北川:私はマケレボで2回、産休・育休を取り、現在4歳と2歳の子どもを育てながら仕事をしています。この経験を活かして、育児中の人も含め、さらに多種多様な人が働きやすい職場をつくっていければいいな、と思っています。
そのためには、まず私がお手本になって、「子育てと仕事を両立しながら、管理職へ昇進できる」という姿を見せていきたいです。
小林:管理職という立場上、私個人というよりチームとしてのビジョンを考えている状況ですが、社外にPRする素材を探すプロセスで自社への理解を深めたので、長所も短所も客観的に見られるようになりました。
今、会社にとって何が必要なのかを、以前にも増して考えるようになっています。CSRにどう取り組むか、地域社会にどう貢献していくか、従業員にとって働きやすい環境をどう作るか――そこに対して、自分がどのように貢献できるかを見極めながら行動できるようになりたいです。
インタビュー・執筆:青木典子/編集:佐々木久枝
撮影:石本文子
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