
お母さんと子どもが安心して通えて笑顔になれる場所を作りたい
株式会社マケレボ
スーパーバイザー
井上 満帆 / Maho Inoue
「『テレマーケティング』という仕事に、もともとは良いイメージを持っていませんでした。テレアポのアルバイトをしていた兄弟から、大変だと聞いていたから。
だから、本当に大変なのか確かめてみようと思い、この業界に入りました。実際に自分でテレアポをしてみると、確かにツライこともあるけれど、楽しいし、私に向いていると思いましたね」
2019年4月、株式会社マケレボに新卒入社した井上満帆。
一般家庭に電話をかけて通信回線サービスの案内をするテレマーケティング業務で実績を挙げてきた。
電話の相手は高齢者が多い。電話をかけた当初は素っ気なかった相手が、対話するうちに心を開いて打ち解けてくれて、「井上さんが言うならお願いするよ」と契約に至る。
そんな達成感を味わえるのが、この仕事の面白いところだという。
1日にかける電話は150~200本。井上が電話の相手と信頼関係を築くために心がけているのは、「マニュアルに縛られず、自分の言葉で話す」ことだ。
「営業トークのスクリプト(台本)はありますが、それを読み上げるだけでは堅苦しく聞こえるし、『売り込まれる』と警戒心を抱かせてしまう。
だから、自分の言葉で、自然体で話しかけるようにしています。
お喋り好きな方から雑談を持ちかけられた場合も、素直に応じますね。あと、常に笑顔で話すことも心がけています。
電話だから顔は見えないけれど、笑顔は伝わるはずだから」
「話しやすい」と思ってもらえるように、相手に合わせて話すスピードやトーンも変える。井上は中学時代から大学時代までの10年間、音楽活動にいそしんだ。
オーケストラでサックスを担当。他の演奏者と呼吸を合わせ、協調して音楽を創り上げてきた経験が、初対面の人との対話にも活かされているようだ。
音楽大学まで進み、厳しい練習に耐えてメンタルも鍛えられた。
電話をかけたとき、冷たい対応をされてすぐに切られたとしても「気にしないし、落ち込まない」と笑う。
電話をかけた相手が契約を決める、あるいは前向きに検討することになれば、別の担当者にバトンタッチとなる。
ところが、通信回線工事を済ませて開通した後、「井上さんはいらっしゃいますか」と電話がかかってくることもあるという。
「『ネットの速度が速くなって、すごく使いやすくなったよ』『お願いして良かった。ありがとう』って、わざわざ報告とお礼の電話をくださるお客様もいらっしゃいます。お役に立てたんだな、と実感できてうれしく思います」
入社から約半年経った頃、会社から「スーパーバイザー(SV)」への昇格を告げられた。SVとは、コールセンターのメンバーをマネジメントするリーダーのポジション。
テレアポでの実績が評価され、最短での昇格だった。
ところが、最初は気が進まなかった。「マネジメントよりもプレイヤーの方が楽しいし、私に向いている」と思っていたからだ。
それでも、「チャレンジしてみよう」と気持ちを切り替え、SVに就任。現在は約10人のチームを統括する。
「苦手なことを避けて、自分が得意なことだけをしているのではダメだな、と思ったんです。私はもともと上昇志向が強くて(笑)。
短期間で昇進していく先輩の姿を見ると刺激を受けるし、自分も頑張りたい。
実際、SVの仕事をしてみると、やっぱり難しいことがたくさんあります。
けれど、自分が『見本になる』という意識を持つと、成長速度も上がるんですよね。
責任が大きくなれば、味わえる達成感も大きい。それを楽しみたいと思います」
インタビュー・編集:青木典子/撮影:石本文子
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