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ストーリー役員ディレクター

売上昨対比4倍に。コロナ禍で立ち上げた分析AIサービスが大躍進。成長のキーワードは「柔軟」「変化」「業界外」

代表_株式会社レトリバ

業界のド素人が、分析AIビジネスに新風を吹きこむ!

株式会社レトリバ
執行役員 YOSHINA事業部長
新宮領 宏太 / Kota Shinguryo

コロナ禍の真っ只中で生まれた新事業「YOSHINA」

自然言語処理のビジネス領域でひときわ注目を集めているスタートアップ企業がある。2016年に株式会社Preferred Infrastructureからスピンアウトし、設立された「株式会社レトリバ」だ。

主力サービスの一つである分析AI「YOSHINA(ヨシナ)」には、日本を代表する大手企業や官公庁からの依頼が次々と舞い込む。前政権時代に河野太郎行政改革担当大臣が着手した、役所の規制に関する提案を募る「縦割り110番」もその一例だ。「YOSHINA」は市民から日々寄せられる4,000件ものメールの初期分析を担った。

自然言語処理や機械学習、深層学習技術を駆使した分析AI「YOSHINA」とは、一体どのようなサービスなのか。同社執行役員で、「YOSHINA」事業をけん引する新宮領宏太は、こう解説する。

「市場や顧客の声をテキスト分析し、クライアントの事業拡大につなげていくのが分析AI『YOSHINA』の役割です。例えば、コールセンターに寄せられる顧客からの膨大な問い合わせ。この録音データを『YOSHINA』にアップロードすると、文字に変換されます。テキストデータから類似意見を分類したり、全体の傾向や課題を分析することが可能です。音声のみならず、オペレーターの対応履歴やメール・チャットの文章、アンケート回答、TwitterやYouTubeのコメントなどもすべて分析の対象になります」

「YOSHINA」の立ち上げは2020年7月。コロナ禍の真っ只中だった。順風満帆に事業拡大してきたように見える新事業の船出は決して容易ではなかった。「YOSHINA」事業のいち営業として新宮領が入社した2021年1月は、サービス立ち上げから約半年が過ぎていたが一向に受注にはつながらず、マーケティング活動に力を注いでいたものの業績の下方修正を強いられていた。

高い技術力・すばらしい製品があっても売れるわけではない。そんな現実に直面していたレトリバで、新宮領はどう動いたのか。

入社1年で売上を4倍増へ
業界のド素人だからこそ気づけた“違和感”

「このまま何も変えずに売上を伸ばすのは難しい……」

2021年1月にレトリバに入社した当時の新宮領は、「YOSHINA」の営業戦略をそう捉えていた。

「たしかに優秀なエンジニアが集まってつくられた価値あるサービスでした。しかし売るためのロジックやストーリーが見えない。顧客ターゲットにも価格設定にも、根拠や納得感が乏しかった。加えて、メンバー同士の連携もとれているとは言えませんでした」

新宮領は新卒でパソナに入社し、人材派遣の営業に従事。その後、人材事業などを手がけるベンチャー企業DYMに8年間勤務し、子会社の代表取締役を経て、個人で開業。合計16社の営業⽀援に携わった経験を持つ。

他方で、新宮領にはAI業界の経験がまったくない。そのうえ文系で、ITリテラシーもやや低め。それでも――いや、だからこそ“業界の外”から「YOSHINA」事業の営業戦略を客観的に捉えられ、「このままでは成功しない」と危機感を覚えていた。

まず新宮領が考えたのは「YOSHINA」をどのようなシチュエーションで使ってもらうか。当時、想起したのは企業で毎月行われる経営会議だ。「YOSHINA」は月額課金のSaaSサービスのため、継続的に活用してもらう必要がある。「YOSHINA」が毎月の経営会議においてレポーティングに不可欠なツールとなれば、「本業や社外向けのサービスでも使いたい」といったニーズが生まれるかもしれない。

ここで新宮領は意外な行動に出る。レトリバの社長と、知り合いの社長5名を集めて、「YOSHINA」について“ダメ出し”をする会を企画したのだ。

「さまざまな業種の社長に集まってもらいました。『YOSHINA』についてどう思うか。経営会議で活用できるかどうかを含めて、忌憚なき意見をいただきたいとお願いしました」

率直な意見が飛び交う“ダメ出し会”は、まさに宝の山だった。その後の「YOSHINA」を飛躍させるためのヒントが得られたからだ。「経営会議のみならずデータ分析のニーズはある」「データ分析の必要性は感じているが、そもそも自社でデータを収集できていない」「大手企業が提供しているような複雑で高度なデータ分析は求めておらず、もっと気軽に、簡易に利用したい」といった“生”の声を収集できた。

ターゲットを見直す決断
顧客・サービス・仲間に向き合い、成し遂げた大変革

「YOSHINA」への“ダメ出し会”が企画されたのは、新宮領が入社してわずか1カ月後の出来事。長い年月をかけてつくりあげてきたサービスの課題を、入社間もない業界未経験の平社員に突きつけられるのは、決しておもしろくなかったはずだ。「余計なことをするな」と“ダメ出し会”の開催自体を許さない企業もあるだろう。

しかし、レトリバの代表取締役・河原一哉の行動は真逆だった。むしろ、新宮領の斬新なアイデアを喜んだ。そして彼がさらに自由に行動できるようにと、ポストを与えたのだ。入社3カ月後には「YOSHINA」事業の営業部長に、さらにその3カ月後には執行役員に昇進させた。

新宮領は“ダメ出し会”で得たヒントを参考に、新サービスも考案する。それが現在、大手企業からベンチャー企業まで次々とオファーが舞い込んでいる「YOSHINAリサーチ」だ。

最大の特徴はデータ収集から支援する点。最大800万人からターゲットを決めて、1万人へアンケート配信が可能で、企業は競合調査や認知度調査などさまざまなデータを収集できる。加えて、本来「YOSHINA」が強みとする自然言語処理AIの技術を駆使し、大量の自由回答を似たような回答同士でカテゴライズ。企業のデータ収集から分析まで、一気通貫で支援できる体制を築いた。

「YOSHINAリサーチ」がリリースされて以降、同事業部は連続で売上目標を達成。半年前の4倍強の売上を叩き出す。競合とのコンペでの勝率も上がり、日本を代表する企業でも活用されるようになった。

「分析AIサービスを展開する競合は大手ばかり。価格帯も高く、顧客層も大手企業に限定されています。『YOSHINA』は、感情分析などの高度な分析をしない代わりに、初期費用をなくし、さらには月額料金を従来の半額以下に下げました。また契約期間も年単位から2カ月単位に変更。これらの改定には、中小企業やベンチャー企業がもっと気軽にデータ活用できる社会をつくりたいという私たちの願いが込められています。顧客ターゲットやサービス内容、価格を見直した結果、大手からのご依頼まで増えたのは想定外。うれしい誤算でした」

ターゲットの見直し、顧客の声を取り入れたサービスづくり、そして価格改定。まさに「YOSHINA」事業の大変革を推進し、成し遂げた。そんな新宮領には、もう一つ心を砕いていたことがある。それは、社内の営業メンバーと信頼関係を築くことだ。

全営業メンバーと毎週必ず「1対1」の面談を実施。得意なことやモチベーションの源泉を探っていった。一人ひとりの状況に合わせて毎月の目標やミッション、仕事の役割などを定め、その結果を振り返る。新宮領が大事にしていたのは、一人ひとりに“活躍のスポットライト”を当てること。徹底して“個”に向き合い、メンバーが活躍できるように伴走した。

「社長から『営業部長を任せたい』と言われたとき、実は一度お断りしています。営業部は40代・50代と年上のメンバーが多く、業界の素人である僕なんて信頼されないでしょう、と。まずはメンバーの信頼を得るためにも、自分が誰よりも結果を出さなければとトップセールスを目指しました。それから、全員が活躍できる職場を目指して、一人ひとりに徹底的に向き合いました。執行役員になった7月には、年上のメンバーからの支えもあって、チームはすでに一致団結していました。とてもいい関係を築けています」

ポストコロナ時代を生き抜く成長戦略
「前例や常識にとらわれず、自ら変わっていく」

コロナ禍で立ち上げた新事業を軌道に乗せたレトリバ。同社の軌跡から見えてくるポストコロナ時代を生き抜く秘訣は「常識にとらわれず、業界の“外側”から知識を吸収する柔軟さ」「顧客の声を徹底して聴く姿勢」、そして「自ら変化し続けるマインドセット」にある。

「コロナ禍でニーズは刻々と変化しています。その変化をきちんとキャッチアップするためにも顧客の声は重要です。顧客へのアンケート結果や商談の場で聴いた声などを社内で共有し、マネージャーとも毎月必ず市場ニーズについてディスカッションする場を設けています」

今後は「YOSHINA」をハブとし、「YOSHINAリサーチ」に続いて続々と新サービスをリリースしていく計画だ。また、レトリバでは昨年初めて、全国採用にチャレンジした。近年、社内外でリモートワークが普及し、“東京のオフィスに通勤できない方も採用できるのではないか”と考えたからだ。全国各地で「YOSHINA」を広め、分析AIを必要とする地方企業を支援したいと考えている。

「自分自身は前職の飲食業で、コロナ禍による苦しい思いもしましたが、コロナをきっかけに生まれたビジネスチャンスもあります。大事なのは変化を恐れず、前例や常識にとらわれず、自ら変わっていくこと」と新宮領は言う。分析AI業界に新風を吹き込んだレトリバの挑戦と快進撃は、これからも続く。

公開日:2022年3月31日

Profile

鹿児島県出身。立教大学観光学部を卒業後、新卒で株式会社パソナへ入社。株式会社DYMに転職し、新卒エージェントとして担当クライアントへの1,000名以上の入社に携わる。その後、子会社の株式会社Ddining代表取締役に就任するも、飲食業のためコロナの影響を受けて撤退し独立。フリーのコンサルタントとして合計16社の営業支援に携わる。2021年1月株式会社レトリバに入社し、同年7月より執行役員に就任。


Contact
東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング32階

Staff

インタビュー・執筆:猪俣奈央子/編集:浜田みか/撮影:田中振一

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