
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
創業手帳株式会社
代表取締役
大久保 幸世 / Kosei Okubo
「日本における起業の成功率を上げる」をミッションに創業手帳株式会社を創業したのは2014年のこと。社名の通り、創業時に役立つ情報が満載の『創業手帳』を企画・運営している会社です。資金調達の方法をはじめ、会計、採用、各種契約など、新米経営者なら一度は首をひねる問いに対する有益な回答が約120ページにわたりつまっているこの手帳は、創業以来、日本で登記された全ての新設法人へ毎月無料送付され、今では起業・資金調達 国内No.1メディアとして知られています。
この事業を始めようと思ったきっかけは、前職での経験にあります。これから事業を始める人たちのコンサルティングを引き受けていた際、多くの方から驚くほど「同じことを聞かれる」と気づいたのです。
株式上場を果たすような方も含め、新しく事業を始めると、誰もが同じところでつまずいている。それなら、共通項を抽出してガイドブックのようにまとめておけば、その事業の生存率、ひいては日本全体の創業の成功率を上げられるのではないか。「創業手帳」はそんな構想に共感する人たちが集まって誕生しました。
今振り返ると、若い時から何かを誰かに向けて発信することに意識が向いていたように思います。部活でスポーツにのめり込んでいた大学時代は、全日本連盟で大会運営に関わり、運営資金を預かりながら、冊子やホームページで発信していました。
大学卒業後は外資系生保で法人営業やマーケティングを学んだ後、例の事件の半年前にライブドアへ入社。得難い経験を数多く積む中で、GMOグループの株式会社メイクショップの存在を知ることになります。
当時はまだ20名足らずの組織でしたが、Eコマースという潜在性の極めて高い市場に向けて、高い技術力で良質なサービスを提供していたので「この事業は伸びる」と確信。同社をもっと伸ばす提案書を携えて面接を受け、入社を果たします。
以後、在籍7年の間に流通額は業界トップの1,500億円規模になり、ナンバー2や取締役を務めながら、会社の成長ステージに伴う経験を色々とさせていただきました。顧客2万社の支援を通じて、多くの事業や業界の成功・失敗パターン、成長過程で起きる事象を体に染み込むほど、経験できたことは貴重でしたね。
ありがたいことに「創業手帳」には、大きなビジョンや高い視座があるとご評価いただくこともありますが、日々おこなわれているのは極めて地道な業務です。情報鮮度が命なので、全社員が毎日改善を重ね、バージョンアップする必要があるからです。質を高める努力を怠らなかったことが、長くご愛顧頂けている理由かもしれません。これからもその時々の社会課題に応じて、解決策を提案できる会社でありたいと考えています。
また個人としては、一昨年から明治大学のMBAでスタートアップ論の講師を務めています。講師が一方的に教える受け身な日本教育への危機感から、「学んだら行動する、仕事に活かす」がコンセプト。スタートアップのサービス同様、生徒の企画提案で都度バージョンアップし、しかもオンラインなので「教えない」「行かない」授業が特徴です。
起業したいなら、机上で学ぶのではなく、実際に動きながら考えよう、と若者の背中を押してあげられるように心がけています。
生年月日 | 1978年12月5日 |
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出身地 | 東京都町田市 |
WAOJE Tokyoに入った経緯 | GVF参加 |
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WAOJE Tokyoで得たいこと | 海外のネットワーク |
こんな貢献ができます | 創業手帳の会員ネットワーク |
こんな人とつながりたい | 海外でビジネスしている方 |
興味があること | #海外展開 #起業 #DX |
明治大学経営学部卒業後、外資系保険会社、株式会社ライブドア、株式会社メイクショップ(GMOグループ)を経て、創業手帳株式会社(旧ビズシード株式会社)を創業。「日本の起業の成功率を上げる」を企業ミッションと起業に役立つ情報誌「創業手帳」の事業を展開。
インタビュー:垣畑 光哉/執筆:藤森 美紗子/編集:垣畑 光哉
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