
病院を飛び出した理学療法士が鳥取県でつくる「つながり」
後藤 喜悦 / Kietsu Goto
ミイダス株式会社
代表取締役社長
はたらく人の「転職」と企業の「採用」を支援しています。
「アセスメント・リクルーティング」という新しい手法を用い、そのツールである「ミイダス」の企画・開発・運営を行っています。
求職者は「ミイダス」の「可能性診断」を受けることで、自身の強みを認識でき、自分の強みを活かせる求人を探すことができます。ユーザー数は2022年末時点で100万人を超えています。
一方、企業は自社の従業員を対象に「可能性診断」を行います。自社で活躍できる人材タイプをつかんだうえで、そのタイプに合致する人材を「ミイダス」の登録者から探し、直接スカウトすることが可能。これまで約40万3,000社に導入されています(※2022年11月時点の累計実績)。
企業に対しては、採用支援以外にも、研修・人材育成、タレントマネジメント、社員や組織のコンディションを可視化するサーベイなど、人材に関わる幅広いサービスを提供しています。
従来の採用選考における人事担当者の悩みは、「面接だけでは人材の価値を正しく見極められない」ということ。その点、「ミイダス」では、複数のアセスメントを取り入れることで自社にマッチする人材と出会いやすくなり、採用後のミスマッチ防止につながります。
例えば「コンピテンシー診断」では、職務遂行に必要な能力要素をはじめ、マネジメント資質、ストレスを感じやすい条件や環境、上司や部下との相性などを分析することが可能です。
また、日本初(※)のサービスとして「意思決定のクセ」を診断する「バイアス診断ゲーム」も提供しています。
採用支援のサービスをベースに、これらのアセスメントのほか、研修、タレントマネジメント、サーベイなど、すべてのサービスの1プライス(定額)利用を実現。コスト面でも運用面でも、中小企業も導入しやすいようにサービスを設計しています。
※バイアス診断ゲームとコンピテンシー診断を使って人材の採用と配置・育成を可能にする無料のスマホアプリ診断サービスとして日本初(2022年7月 ESP総研調べ)
20代の頃から「起業」の道を模索していました。しかし、資金面・人材面で実現が難しく、「大企業で事業を仕掛けよう」とパーソルキャリア(当時はインテリジェンス)に入社。営業で成果を挙げ、営業マネジャーに昇進しました。
転職・採用の支援を行っていると、採用時のミスマッチにより、入社者が早期離職してしまう事例を多数目にしました。本来なら活躍できる人材が、たまたま面接担当者と相性が合わず不採用になるなど、企業と求職者双方で機会損失が多く発生していると感じていました。そんな状況をどうにかできないか考える中で、「アセスメント・リクルーティング」の発想が生まれたんです。
そして入社10年目、「ミイダス」のアイデアを持って新規事業コンテストに参加したところ、事業化が決定。「社内起業」に至りました。
サービス提供をスタートしたのが2015年11月。2019年に分社化し、ミイダス株式会社を設立しました。
はたらく人々が、自身の強みに気付くことで「やってみよう」「やれる」という意欲を持てるようにしたい。
企業に対しては「やりたいことがあるのにできない」という障壁を取り除き、やりたいことにチャレンジできるようにしたい。
今後は「転職」「採用」の領域に限定せず、人と企業の可能性を引き出すサポートサービスを幅広く展開していきます。
人と企業、双方の活力を高めることで、国全体の活性化にもつなげていきたいと考えています。
公開日:2022年12月26日
1979年、宮城県石巻市生まれ。2004年に立命館大学経済学部を卒業後、日興コーディアル証券(現:SMBC日興証券)などを経て、2006年、インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に転職。dodaの求人広告営業を経験後、石巻市における被災者就労支援事業のプロジェクトマネジャー、人材紹介事業の営業マネジャーなどを歴任する。2015年、社内の新規事業コンテストを勝ち抜いた「ミイダス」を事業化。2019年、ミイダス株式会社を設立。
Contact
東京都港区南青山1-15-5 パーソル南青山ビル6F
インタビュー:垣畑光哉/執筆:青木典子/編集:寺澤順子
撮影:田中振一
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