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ストーリー代表・CEO

成長を目指す経営者たちがお互いの「参謀」となり、良い影響を与え合える場を提供する

代表_経営参謀

「経営者の役に立つことには
人生を捧げる価値がある」

良質なコミュニティの運営と
最先端のビジネス情報提供で

株式会社経営参謀
代表取締役
新谷 健司 / Kenji Araya

「知恵」「経験」「悩み」を共有するコミュニティを提供

組織づくり、新規事業開発、人材採用・育成――経営者が抱える悩みは尽きない。ビジネスに役立つヒントやアイデアを求めて、勉強会や交流会に足を運ぶ人も多いだろう。

しかし、数あるコミュニティの中から、本当に役立つものだけを選びとるのはなかなか難しい。経営者同士のつながりはできても、「肝心の講義はあまり参考にならなかった」「商品やサービスの営業をされてしまった」という声は多く、思うような成果が得られないケースも多々あるようだ。

こうした中、クライアントから「時代の流れを知ることができる」「新技術を自社ビジネスに活かせるかを見極める場として有効」「不要なテーマがない」と絶大な支持を得ている経営者向けコミュニティがある。株式会社経営参謀が企画・運営する『参謀』だ。

代表取締役・新谷健司は、『参謀』について、中小企業の経営者たちが「知恵」「経験」「悩み」を共有するコミュニティだと定義する。自身が経営者の参謀になるわけではなく、経営者同士がお互いの参謀になるための場を提供するということだ。

具体的には、月2回のセミナーで、日々の経験とチャレンジの中で得た「知恵」を開示してくれる経営者に登壇してもらい、情報を共有する。セミナー後には当日のセミナー講師と会員だけが出席できる懇親会を開催し、思い思いに情報交換をしてもらう。交流促進のため、会員制の『参謀BAR』も運営している。

「真面目に学びたい経営者だけが集まり、その後の懇親会にも限られた人だけが参加することで、セミナーも懇親会も直接的に役立つ情報だけを得られる。そんな仕組み、場づくりにこだわりました」

なぜ、『参謀』は経営者に支持されるのか。数あるコミュニティとの違いは、大きく分けて3つある。

第一に、セミナーの内容だ。『参謀』で共有される事例は、新谷が10数年にわたって1000人以上の経営者から集めてきたリアルな成功事例や失敗事例が占めている。例えばドローンやAIなど、最先端のビジネスに取り組んでいるベンチャー企業の社員が登壇する機会も多い。こうした点が、「他ではあまり聞けない情報を聞くことができる」と評価される所以だ。

「経験に即した事例ばかりなので、聞いた情報を持ち帰ってすぐ自社のビジネスに活かすことができます。仮に現時点では自社に適さない話だったとしても、『今のタイミングでは難しい』という見極めができれば、結果的には自社のメリットになるでしょう。聞いた事例を取り入れるかやめるか、意思決定の場としても活用していただいています」

第二に、集まってくるメンバーの違いが挙げられる。『参謀』への入会を検討中の経営者には、一度実際に参加してもらい、自身が求めるものと『参謀』が提供できるものがマッチするかどうかを確認してもらう。さらに、純粋な学びではなく営業を目的としている経営者がいた場合には入会をお断りするほか、年会費を50万円に設定して参加者の質を担保している。結果として、ある程度の経営基盤を築き上げ、「次の一手」を探している意欲的な経営者だけが集まり、コミュニティが維持できているという。

第三に、新しいものを追い続ける新谷自身に魅力を感じて集まってくる経営者も多いようだ。

「どうすれば経営者の役に立てるかを、常に考えています。入会したことで時価総額がアップした、社員との関係性が変わった、登壇した講師との協業が成功した、紹介されたツールを使って業務が変わったなど、具体的な変化をお聞きすると非常にうれしいですね」

 

「もっと経営者の役に立ちたい」という一念で起業を決意

静岡県で高校時代までを過ごした新谷は、幼い頃から「地味だけど、ちょこまかした子ども」だったという。友達と釣りをしたり自転車で遠出したりしてよく遊び、バスケットボールやバンド活動に明け暮れる普通の学生だった。

ところが、受験勉強で燃え尽き、大学進学後は生活が一変する。パチンコにはまり、暇さえあればパチンコ台の前で過ごすようになったのだ。かなりの金額を稼ぐようになると、もはや大学の授業に意味を見出せなくなり、ともに高校教師であった両親に退学の意思を告げた。母は先行きを心配して反対したが、父は「やってみて気付くこともあるだろう」と、何も言わずにやめさせてくれたという。

それから1年半、東京でパチプロとして生活。毎月順調に稼いでいたが、1日中パチンコ店にいるため、お金を使う時間もなければ使いたいと思う目的もなかった。

そこで初めて「お金だけ稼いでも生きている意味はない」ということに気付く。

一念発起した新谷は、パチンコで貯めたお金でコンピュータ専門学校に入学。ITスキルを身に付けた後、ソフトウェア開発会社に入社した。組み込みエンジニアとして常駐した携帯メーカーは社風も良く、失敗を繰り返しながらも仕事を楽しみ、多くを学ぶことができた。

「この頃から、目の前のことに一生懸命取り組めるようになりましたね。一度、落ちるところまで落ちたからではないかと、自分では思っています」

3年半ほど働いた後、「下請けではなく自社商品・サービスを提供している会社で働いてみたい」という想いが湧き上がり、転職を決意。そんなタイミングで声をかけてくれたのが、監査法人トーマツの子会社であるトーマツ環境品質研究所に転職していた知人だった。

同社に入社し、最初に任されたのは社内のシステム開発プロジェクト。そこでいきなり大コケしてしまうが、失敗に寛容な社風に救われて何とか立ち直り、完成にこぎつける。プロジェクト完了とともに役割を終えた新谷は、「ISOのコンサルティングをやってみないか」と言われた。企業に対しISO(国際標準化機構)の認証取得を支援するISOコンサルティングが、当時のトーマツ環境品質研究所の主力事業だった。この提案を受け、新谷はシステムエンジニアからISOコンサルタントに転身する。

自らが学び続けることで、他にない価値を提供したい

ISO認証取得に向けては、「要求事項」という規定の数々を解釈し、実装していく。寝る時間を削って、必死に考える日々が始まった。

「本当に面白かったですね。当時の私の“面白い”の基準は議論ができることだったんですが、社内の誰に議論を吹っかけても受けて立ってくれるんですよ。エンジニアだった頃は周囲には議論を嫌う人が多かったので、『なんだこの楽しい環境は!』と日々ワクワクしながら働いていました」

何が良くて、何がいけなかったのか、仮説と検証を繰り返しながら正解を探す過程で、新谷は「わかりにくいものをわかりやすく伝える力」が身に付いたと話す。エンジニア時代に習得した課題解決力に加えてビジネスの原理を学んだことが、「ITのことも組織のこともわかる」という現在の強みにつながっている。

同社のISOコンサル事業は好調だったが、マーケットができ上がってくるにつれて参入障壁が下がり、価格競争は激化していく。当時の社長はその気配をいち早く察知し、新規事業開発を進めていた。その中で、「中小企業に役立つ可能性が高い」と目を付けたのが「定額制の研修サービス」だった。

同社はISOから研修サービスへと一気に舵を切り、業界初のサービスとして数年で1000社を超える企業と契約を結んでいった。これが現在のトーマツ イノベーション株式会社である。大きな事業転換の中で、新谷も新規事業の営業・管理本部や経営企画を経て、事業開発部へと異動した。

「経営者を元気にしよう」という理念のもと、実践・実務を学ぶ場を提供したり、100本以上のセミナーのテキスト開発を手がけたりしたこの時期に、今に至る仕事の筋力が身に付いたと、新谷は振り返る。「もっと経営者の役に立てないか」という気持ちが芽生えたのもこの頃だ。

しかし、新谷が発信したさまざまなアイデアは、当時の社内事情で実現には至らなかった。その想いを形にしたいと考え、起業に踏み切った。

『参謀』では、入会してくれた経営者に対して純粋に価値提供できるコミュニティであるために、人やツールを紹介しても紹介手数料は受け取らない。手数料の売上に比例して組織が大きくなれば、組織を維持するために紹介手数料を獲得しに行かざるを得ず、それでは「経営者の役に立つ」という理念をやり遂げることができなくなると考えたからだ。手数料に頼らない組織であれば、「経営者の役に立つ」ことだけを考え抜ける。今後もこのフォーマットを維持しながら、成長と拡大を狙う「想い」のある経営者を集めてコミュニティを拡大していく考えだ。

「これからも経営者の役に立つ価値を提供できるよう、私自身が学び続け、人と違った体験をし続けることが大切だと思っています。会員の皆さんに、会費以上の価値があると思ってもらえるコミュニティにしていきたいですね」

リスナーの目線

大学を中退して腕利きのパチプロとなった結果、お金だけあっても何の意味もないことに気付いたという新谷さん。「一度落ちるところまで落ちた」とはいえ、どんなことでもとことんやってみる貪欲なまでの好奇心と、利害に執着しないサービス精神のルーツを垣間見た気がします。こうして築かれた人間性が、自ら得た見聞や人脈を経営者に惜しげもなく提供する今の姿に体現されているのですね。

インタビュー・編集/青木典子、藤巻史
撮影/田中振一

Profile

東京都八王子市出身。中央大学文学部を中退し、石川県の農業短大を卒業。株式会社ノジマに就職し、ネットワーク系のサービスの販売員を務める。約1年半後に退職し独立。しかし、多重債務に陥り、パソコン・ネットワーク関連の仕事でフリーランス、会社員などとして勤務。ソフトバンクの仕事を手がけるようになる。在籍していた会社が倒産の危機に陥ると、リストラされそうなメンバーを引き連れて、2008年11月にITカンファーを設立した。

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